世界中を旅していると、思いがけずその国の祝日や伝統行事に出会うことがあります。
日本では正月休みやゴールデンウィーク、夏休み、
シルバーウィークなどを利用して海外旅行へ出かける方も多いでしょう。
私も今回の旅ではシルバーウィークを利用して南米を周遊していました。
そして運良く、チリ最大の祝祭である独立記念日と日程が重なりました。
訪れていたのは、太平洋の孤島として知られるイースター島(ラパ・ヌイ)。
モアイ像ばかりが注目される島ですが、
この日は島全体がお祭りムードに包まれ、普段とはまったく違う表情を見せていました。
今回は、イースター島で体験したチリ独立記念日の様子を紹介します。
チリ独立記念日(Fiestas Patrias de Chile)とは
チリの独立記念日は毎年9月18日です。
正式には「フィエスタス・パトリアス(Fiestas Patrias)」と呼ばれ、
チリ国民にとって一年で最も重要な祝祭のひとつとなっています。
実際には9月18日と19日が祝日となり、
多くの人が家族や友人と集まり、数日間にわたって祝います。
独立のきっかけとなったのは1810年9月18日に設立された
「第一統治評議会(Primera Junta Nacional de Gobierno)」です。
当時のチリは16世紀から続くスペイン植民地でした。
1808年にナポレオン軍がスペインへ侵攻し、本国の統治体制が混乱すると、
中南米各地で自治や独立を求める動きが活発になります。
その流れの中で、サンティアゴでは1810年9月18日に自治政府が樹立されました。
この時点では完全独立ではありませんでしたが、後の独立運動の出発点となったため、
現在では「フィエスタス・パトリアス(祖国の日)」として盛大に祝われています。
その後、ベルナルド・オイギンスやホセ・デ・サン・マルティンらの活躍により独立戦争が進み、
1818年にチリは正式にスペインからの独立を果たしました。
現在では全国各地で軍事パレードや民族舞踊、音楽イベント、
伝統料理の屋台などが開かれ、多くの人々がチリ国旗を掲げて祝います。
イースター島の独立記念日
私が訪れたイースター島でも独立記念日の式典が開催されていました。
会場には多くの島民が集まり、子どもから大人まで晴れ着姿で参加しています。
普段はのんびりとした南国の島ですが、この日ばかりは厳かな雰囲気に包まれていました。
まず目を引いたのが整列する軍関係者たちです。
チリ本土から遠く離れたイースター島ですが、
軍や警察関係者も駐留しており、独立記念日には正式な式典が行われます。
銃を携えた隊員たちが整列する姿は迫力があり、
国の重要な祝日であることを実感させられました。



式典で行われた演説
会場には自治体関係者や軍関係者、教育関係者なども集まっていました。
壇上では市長や行政関係者と思われる人物が演説を行います。
内容までは理解できませんでしたが、独立記念日を祝う言葉や地域への感謝などが語られていたのでしょう。
島民たちは静かに耳を傾け、式典は厳粛な雰囲気の中で進んでいきました。


チリ伝統舞踊「クエッカ」
演説が終わると、会場の雰囲気は一変します。
続いて披露されたのがチリの国民舞踊であるクエッカ(Cueca)です。
クエッカはチリを代表する民族舞踊で、1979年には国の公式舞踊にも指定されました。
男女がペアとなり、6/8拍子の軽快なリズムに合わせて踊ります。
女性は華やかなスカートを身にまとい、男性は帽子やポンチョを着用します。
そして最大の特徴が、男女ともに白いハンカチを手に持ちながら踊ることです。
ハンカチを振りながら互いの周りを回り、求愛を表現する踊りとされています。
以前サンティアゴの中央市場でもクエッカを見る機会がありましたが、
本来はこのような祝祭の場で踊られる伝統文化なのだと改めて感じました。
イースター島の子どもたちも見事な踊りを披露しており、地元の人々から大きな拍手が送られていました。



軍隊によるパレード
式典の最後を飾ったのは軍隊や制服組織による行進です。
整然とした隊列で進む姿は非常に見応えがあります。
チリ本土で行われる大規模な軍事パレードと比べれば規模は小さいものの、
太平洋の孤島であるイースター島でも国家行事がしっかりと行われていることに驚かされました。
島民たちも沿道から声援を送り、祝祭ムードは最高潮に達します。
観光客にとっても、普段は見ることのできない貴重な体験となるでしょう。


独立記念日の様子を動画で紹介
今回の独立記念日の様子を動画にまとめてみました。
軍隊の行進やクエッカのダンスなど、現地の雰囲気が伝わると思いますので、よろしければご覧ください。

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