クスコからプーノへ向かう観光ルートの途中にあるラクチ遺跡(Raqchi)は、
インカ帝国時代の宗教都市として知られる人気観光地です。
ラクチ遺跡は、インカ神話に登場する創造神ヴィラコチャ(Viracocha)を
祀る神殿が残ることで知られています。
私もクスコからプーノへ向かう観光バスツアーの途中で訪れましたが、
インカ帝国の宗教的な重要性を感じられる興味深い遺跡でした。
巨大な神殿跡や整然と並ぶ住居跡、数多くの食料貯蔵庫などが残されており、
マチュピチュやサクサイワマンとはまた異なるインカ建築を見ることができます。
今回は、クスコとプーノを結ぶ街道沿いにあるラクチ遺跡を紹介します。
ラクチ遺跡(Complejo Arqueológico de Raqchi)
住所:Raqchi, Distrito de San Pedro, Provincia de Canchis, Cusco, Peru
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 8:00~17:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 入場料 | 20ソル前後 |
| 世界遺産 | 未登録 |
| 所在地 | クスコ県カナス郡サン・ペドロ地区 |
※料金は訪問時点のものです。
ラクチ遺跡とは
ラクチ遺跡は、クスコの南約120kmに位置するインカ帝国時代の宗教都市です。
標高は約3,500m。
クスコとチチカカ湖を結ぶインカ街道上にあり、
帝国内の重要な中継地として発展しました。
遺跡最大の特徴は、創造神ヴィラコチャを祀る神殿
ヴィラコチャ神殿(Templo de Wiracocha)」が残されていることです。
インカ神話によると、ヴィラコチャは世界と人類を創造した神とされており、
太陽神インティと並ぶ重要な存在でした。
そのため、この神殿は宗教的にも非常に重要な施設だったと考えられています。
インカ帝国とヴィラコチャ信仰
インカ帝国では太陽神インティへの信仰が有名ですが、
それ以前からアンデス地方では創造神ヴィラコチャが崇拝されていました。
伝説によれば、ヴィラコチャはチチカカ湖から現れ、
世界を創造した後に各地を巡りながら人々へ知識を授けたとされています。
ラクチ周辺にもヴィラコチャが訪れたという伝承が残っており、
その地を聖地として神殿が建設されたと考えられています。
現在残る巨大な神殿跡は、インカ皇帝パチャクテクの時代に建設されたとされ、
当時の宗教的重要性を物語っています。
ヴィラコチャ神殿(Templo de Wiracocha)
ラクチ遺跡最大の見どころがヴィラコチャ神殿です。
遠くからでも目を引く巨大な壁が現在まで残されています。
高さ約12mにも及ぶ中央壁は石組みの基礎の上に日干し煉瓦(アドベ)が積み上げられており、
インカ建築としては珍しい構造です。
神殿はこの中央壁を中心として左右対称に広がる巨大な建物でした。
かつては2階建てで、藁葺き屋根に覆われていたと考えられています。
現在は壁の一部だけが残っていますが、
その規模から当時の壮大さを想像することができます。
建物内部には円柱が並んでいましたが、
多くは崩壊しており、一部だけがその姿を残しています。
巨大な神殿跡を見上げると、インカ帝国の建築技術の高さを感じることができました。

食料貯蔵庫(Qollqa)
神殿の背後の丘には、数多くの円形の建物が並んでいます。
これらはコルカ(Qollqa)と呼ばれる食料貯蔵庫です。
トウモロコシやジャガイモ、乾燥肉などを保存していた施設で、
風通しの良い丘の斜面に建てられていました。
ラクチには150基以上のコルカが存在するとされ、
インカ帝国有数の大規模な備蓄施設だったと考えられています。
整然と並ぶ円形の建物は非常に印象的で、遺跡の象徴的な景観のひとつになっています。
住居エリア(Residential Area)
ラクチ遺跡には広大な居住区域も残されています。
石積みの建物跡が規則正しく並び、その数は200軒近くに及ぶといわれています。
この住居群は左右対称に配置されており、
計画的な都市設計が行われていたことが分かります。
一説には、特定の時期に住居群の中央付近から太陽が昇るよう設計されていたともいわれています。
宗教都市としてだけでなく、行政や物流の拠点としても機能していたことを感じさせるエリアです。

小さな教会と土産物市場
遺跡入口付近には可愛らしい小さな教会があります。
スペイン統治時代以降に建てられたもので、
インカ時代の遺跡との対比が印象的です。
周辺には地元住民による土産物店が並び、
アルパカ製品や織物、工芸品などを購入することができます。
観光バスの休憩地点として利用されることも多く、
ちょっとした買い物を楽しめる場所でもあります。



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