ハノイの文廟(孔子廟)観光ガイド|ベトナム最古の大学「国子監」と学問の聖地を歩く

ハノイの観光
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ハノイ旧市街の西側。
バイクとクラクションが絶えない街の中心部にありながら、空気が少しだけ静かになる場所があります。

それが、ベトナムを代表する歴史建築「文廟(Văn Miếu)」です。

1070年に建立された孔子廟であり、
さらに、ベトナム最古の大学「国子監(Quốc Tử Giám)」を併設する、
ベトナム教育史の象徴的存在でもあります。

観光地として有名ですが、実際に歩いてみると、単なる史跡ではなく、
今でも“学問の聖地”として信仰されている空気が強く残っていました。

受験シーズンには合格祈願に訪れる学生も多く、
私が訪問した際も、卒業証書を持った学生たちが記念撮影をしていました。

世界遺産ではありませんが、ハノイという都市を理解するうえでは外せない場所です。

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文廟(Temple of Literature)

住所:58 P. Quốc Tử Giám, Văn Miếu, Đống Đa, Hà Nội, ベトナム

時間 夏期:7:30~18:30 冬期:8:00~17:30
定休日 無休
料金 30,000ドン(約185円)
公式URL http://vanmieu.gov.vn/en

ハノイ中心部からも近く、旧市街やホアンキエム湖エリアからなら、Grabやタクシーで比較的簡単にアクセスできます。

チケットは、下記になります。

1070年、李朝の皇帝リー・タイン・トンによって孔子を祀るため建立された廟で、
中国文化の影響を受けながら発展していったベトナム儒教文化の中心地でもありました。

さらに1076年には、境内にベトナム初の大学「国子監」が設立され、
王族や高官の子弟だけではなく、優秀な人材を育成する教育機関として機能していきます。

1779年まで約700年にわたり、数多くの学者や官僚、政治指導者を輩出したとされています。

現在でも、「学問の神様」を祀る場所として、受験生や家族が参拝する姿を見ることができます。

入場チケット販売所

入口は、正門から入って左手にあります。

文廟門

正門をくぐった瞬間、外の喧騒が少し遠ざかる感覚があります。

ハノイは常にバイク音が鳴っている印象の街ですが、
文廟内部は木々も多く、空気がかなり落ち着いていました。

大中門

門の上に飾られている彫刻は、鯉です。

鯉は立身出世の象徴とされており、
中国の「登竜門」の故事に由来しています。

黄河には「竜門」と呼ばれる激流があり、
そこを登り切った魚は竜になれると信じられていました。

多くの魚が挑みましたが、唯一登り切ったのが鯉だったとされています。
そのため、現在でも受験や出世祈願の象徴として扱われています。

文廟が「学問の聖地」と呼ばれる理由とも重なる部分があり、
建物装飾にも儒教文化の思想が色濃く反映されていました。

この大成門まで続く赤い通路は、バッチャン焼で焼かれたタイルが敷かれているそうです。
ハノイ近郊の伝統陶器村「バッチャン村」は、ベトナム陶磁器文化を代表する存在として知られています。

奎文閣(Khue Van Cac)

ハノイ市のシンボルとしても有名な建築です。

現在ではハノイ市の公式マークにも使われており、ベトナム100,000ドン紙幣にも描かれています。
実際に現地で見ると、朱色と白壁の組み合わせが非常に美しく、文廟の中でも特に印象に残る建物でした。

これが、ベトナムの100,000ドン紙幣です。

石碑

池の両側に並ぶ石碑群は、文廟最大の見どころのひとつです。
82基の石碑は、すべて異なる表情をした亀の石像の上に設置されています。

1442年〜1779年までの科挙試験合格者1304人の名前が刻まれており、
ベトナム教育史そのものとも言える存在です。

この石碑群は、2011年にユネスコ世界記憶遺産へ登録されました。

以前は、「亀に触ると学業成就のご利益がある」とされ、多くの人が頭を撫でていたそうです。
しかし、世界記憶遺産登録後は保護のため接触禁止となり、現在では別の像を撫でる文化へ変化しているそうです。

拝堂と大聖殿

ここには孔子像が祀られています。

線香の香りが漂い、観光地というより、
今でも信仰施設として生きている空気を感じました。

「萬世師表」は「永遠に人々の模範を示す先生」という意味で、孔子を称える言葉です。
両脇にある鶴の像ですが、現在はこちらを撫でる人が多いそうで、お腹部分だけ不自然に光っていました。

下の写真でもわかりますが、ここに入る際には敷居が高く作られており、自然と頭を下げる姿勢になります。
これは、礼節を重視する儒教思想に基づいた構造とされているそうです。

単なる建築意匠ではなく、「敬意を持って入る」という思想が空間そのものに組み込まれている点が非常に興味深く感じました。

大聖殿の中にある孔子像。

孔子像に向いて座る4体の像は、孔子の高弟「四配」と呼ばれる弟子たちです。

ベトナムでは亀は縁起の良い存在として知られており、文廟でも非常に重要な象徴として扱われています。

大聖殿の裏手には、ベトナム最古の大学「国子監」があります。
現在の建物は、1946年のフランスとの戦争で破壊された後、2000年に再建されたものです。

内部には、国子監教師として有名なChu Van An(チュー・ヴァン・アン)の像や、
教育発展に貢献した皇帝たちの像も祀られているそうですが、私は完全に見逃して通り過ぎてしまいました。

また宿題が増えてしまいました。

ハノイ観光というと、旧市街やホアンキエム湖周辺に人が集中しがちですが、
文廟は、ベトナムという国の価値観をかなり深く感じられるスポットだと思います。



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