中東に位置するヨルダンは、古代文明の遺跡や聖書ゆかりの地、
そして壮大な砂漠景観が残る歴史豊かな国です。
ナバテア王国が築いた岩窟都市ペトラをはじめ、初期イスラム建築や壮大な砂漠景観、
聖書ゆかりの聖地など、時代も文化も異なる世界遺産が点在しています。
世界遺産の数は決して多くありませんが、一つひとつの価値が非常に高く、
短期間の旅行でも中東の歴史や文化を深く感じられるのがヨルダン旅行の魅力です。
私も実際にペトラ遺跡やワディ・ラムを訪れましたが、
写真で見る以上のスケールと歴史の重みを体感できました。
この記事では、ヨルダンに登録されているユネスコ世界遺産全6件を、
訪問した場所・これから訪れたい場所に分けて紹介します。
ヨルダンの世界遺産一覧
| 世界遺産 | 登録年 | 種類 |
|---|---|---|
| ペトラ(Petra) | 1985 | 文化 |
| クセイル・アムラ(Quseir Amra) | 1985 | 文化 |
| ワディ・ラム保護地域(Wadi Rum Protected Area) | 2011 | 複合 |
| ウム・アル=ラサス(Kastrom Mefa’a) | 2004 | 文化 |
| 洗礼地「ベタニア・ヨルダン川対岸」(Baptism Site “Bethany Beyond the Jordan”) | 2015 | 文化 |
| サルト―寛容と都市のもてなしの地(As-Salt – The Place of Tolerance and Urban Hospitality) | 2021 | 文化 |
実際に訪れたヨルダンの世界遺産
ペトラ(Petra)
ヨルダンを代表する世界遺産であり、「バラ色の古代都市」とも呼ばれる岩窟都市です。
高さ80m近い岩壁に囲まれたシークを歩いた先に現れるエル・カズネは、
世界でも屈指の絶景として知られています。
さらに王家の墓、列柱通り、大神殿、そして約800段の階段を登った先にあるエド・ディルなど見どころが多く、
一日では回りきれないほど広大です。
私は前半・後半に分けて歩きましたが、時間帯によって表情が変わる岩山の景色も印象的でした。

▶ヨルダン・ペトラ遺跡|シークとエル・カズネを歩く岩の都の前半ガイド

▶ヨルダン・ペトラ遺跡|エル・カズネからエド・ディルへ歩く後半観光ガイド

クセイル・アムラ(Quseir Amra)
8世紀初頭、ウマイヤ朝時代に建てられた砂漠の離宮です。
外観は小規模な建物ですが、内部には王侯や狩猟、星座などを描いた美しいフレスコ画が残されており、
初期イスラム美術を代表する作品として高く評価されています。
アンマンから日帰りで訪れることができ、ヨルダン東部のデザートキャッスル巡りでも人気のスポットです。

▶ ヨルダン・アムラ城|砂漠に残るウマイヤ朝の離宮とフレスコ画観光ガイド

ワディ・ラム保護地域(Wadi Rum Protected Area)
「月の谷」とも呼ばれるヨルダン南部の壮大な砂漠です。
高さ数百メートルの砂岩や花崗岩の山々、赤い砂丘が広がる景観は世界でも類を見ない美しさで、
文化遺産と自然遺産の両方の価値を持つ複合遺産として登録されています。
4WDツアーでは巨大な岩橋や渓谷、古代の岩絵などを巡ることができ、
『アラビアのロレンス』や『オデッセイ』『DUNE』など数多くの映画のロケ地にもなっています。
私もジープで砂漠を走りましたが、果てしなく続く赤い砂漠と奇岩の景色は、
ヨルダン旅行でも特に印象に残る体験でした。

▶ ヨルダン・ワディ・ラム|アラビアのロレンスの世界を走る砂漠の世界遺産

これから訪れたいヨルダンの世界遺産
まだ訪れることができていませんが、ヨルダンには歴史や宗教、
文化的価値の高い世界遺産がほかにも3件登録されています。
未訪問の世界遺産を見る
ウム・アル=ラサス(Kastrom Mefa’a)
アンマン南東部に位置する古代都市遺跡です。
ローマ帝国時代からビザンツ時代にかけて発展し、
多くの教会跡や修道院跡が残されています。
特に聖ステファノ教会のモザイク床は保存状態が非常に良く、
中東を代表するモザイク芸術として高く評価されています。
洗礼地「ベタニア・ヨルダン川対岸」 (Baptism Site “Bethany Beyond the Jordan”)
キリスト教では、イエス・キリストが洗礼者ヨハネから洗礼を受けた場所と伝えられています。
ヨルダン川東岸には教会跡や巡礼施設が残され、
現在も世界中から多くの巡礼者が訪れる重要な聖地です。
宗教史において極めて重要な場所として、2015年に世界文化遺産へ登録されました。
サルト―寛容と都市のもてなしの地 (As-Salt – The Place of Tolerance and Urban Hospitality)
2021年に登録されたヨルダンで最も新しい世界遺産です。
オスマン帝国時代に商業都市として発展し、
イスラム教徒とキリスト教徒が共存してきた歴史が評価されました。
黄色い石灰岩で造られた美しい街並みは、近年注目を集めるヨルダンの観光地となっています。
ヨルダンの世界遺産を巡るモデルコース
主要な世界遺産は5〜6日あれば効率よく巡ることができます。
アンマンを起点に南下していくルートにすると移動効率が良く、レンタカーでもツアーでも巡りやすいモデルコースです。
1日目:アンマン市内・クセイル・アムラ
2日目:洗礼地ベタニア・ヨルダン川対岸
3日目:ペトラ遺跡
4日目:ワディ・ラム
5日目:アンマンへ戻る
時間に余裕があれば、サルトやウム・アル=ラサスを組み合わせるのもおすすめです。
ヨルダン旅行のベストシーズン
ヨルダン観光に最もおすすめなのは3〜5月(春)と9〜11月(秋)です。
春は気候が穏やかで砂漠にも花が咲き、ペトラやワディ・ラムの観光にも最適です。
夏は砂漠地帯で40℃を超える日も多く、冬はアンマンやペトラで雪が降ることもあります。
ヨルダンの世界遺産へのアクセス
ヨルダンの玄関口は首都アンマンにあるクィーン・アリア国際空港(Queen Alia International Airport)です。
主要な世界遺産はアンマンを起点に、レンタカーや現地ツアー、
長距離バスを利用して巡ることができます。
| 世界遺産 | アンマンからのアクセス |
|---|---|
| ペトラ | 車・高速バスで約3.5〜4時間 |
| クセイル・アムラ | 車・ツアーで約1時間 |
| ワディ・ラム保護地域 | 車で約4時間/ペトラから約2時間 |
| ウム・アル=ラサス | 車で約1時間 |
| 洗礼地「ベタニア・ヨルダン川対岸」 | 車で約1時間 |
| サルト | 車で約40分 |
世界遺産同士を巡る場合は、アンマン → クセイル・アムラ → 洗礼地 → ペトラ → ワディ・ラムの順に南下すると効率よく観光できます。
旅の終わりに
ヨルダンは世界遺産の数こそ多くありませんが、
一つひとつが世界史に大きな足跡を残した場所ばかりです。
ナバテア王国が築いた壮大なペトラ、果てしなく広がるワディ・ラムの砂漠、
初期イスラム建築を代表するクセイル・アムラなど、それぞれが異なる時代や文化を今に伝えています。
実際に歩いてみると、教科書で見た歴史が目の前に広がるような感覚になり、
中東の奥深さを改めて実感しました。
ヨルダンを訪れる際は、ぜひ世界遺産を巡りながら、
この国ならではの歴史と壮大な自然を体感してみてください。
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