1933年にアメリカ人飛行士ジェームズ・エンジェルによって
世界に広く知られるようになったエンジェルフォール。
スペイン語では「サルト・アンヘル(Salto Ángel)」と呼ばれています。
世界最高落差979mを誇るこの滝は、地上から眺めるだけでも圧巻ですが、
本当の迫力を味わうなら空からの遊覧飛行がおすすめです。
今回は実際にチャーター機とセスナ機から撮影したエンジェルフォールの景色を、
動画とともに紹介します。
なお、エンジェルフォールがあるカナイマ国立公園はユネスコ世界自然遺産に登録されています。
地上からエンジェルフォールを目指す展望台トレッキングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

カナイマ国立公園(Canaima National Park)
1994年 ユネスコ世界自然遺産登録
カナイマ国立公園はベネズエラ南東部のグラン・サバナ地域に広がる広大な国立公園です。
総面積は約3万㎢に及び、四国の約1.6倍という圧倒的な規模を誇ります。
公園内には約20億年前に形成された地層が長い年月をかけて浸食され、
100以上ものテーブルマウンテン(テプイ)が点在しています。
世界最高落差979mを誇るエンジェルフォールもこの世界遺産の一部であり、
多くの旅行者がこの壮大な景観を目指して訪れます。
カナイマ湖周辺は、その玄関口となるエリアです。
世界遺産に選ばれた背景
カナイマ国立公園が1994年に世界自然遺産へ登録された理由は、
地球上でも極めて独特な地形と生態系を残しているためです。
最大の特徴は、約20億年前に形成された地層から生まれたテーブルマウンテン(テプイ)の存在です。
切り立った断崖に囲まれたテプイの山頂部は、
長い間ほかの地域から隔離されてきました。
その結果、多くの固有植物や固有動物が進化し、
世界的にも貴重な生態系が形成されています。
また、エンジェルフォールをはじめとする数多くの滝、
熱帯雨林、サバンナが織りなす景観美も高く評価されました。
学術的価値と景観的価値の両方を兼ね備えた自然遺産として、ユネスコの登録基準を満たしています。
南北アメリカには数多くの魅力的な世界遺産があります。
興味のある方は以下の記事もあわせてご覧ください。

カナイマ国立公園の歴史背景
カナイマ国立公園は1962年に設立されました。
この地域には古くから先住民族ペモン族が暮らしており、
現在でもカナイマ村周辺では伝統文化が受け継がれています。
テプイはペモン族の伝承の中で神聖な存在とされ、多くの神話や伝説が残されています。
20世紀に入ると探検家や地理学者による調査が進み、
その壮大な景観が世界的に知られるようになりました。
現在はエンジェルフォール観光の拠点として発展していますが、
秘境らしい雰囲気は今も色濃く残っています。
湖畔を歩いていると、観光地でありながら大自然の中に暮らす人々の生活も感じられます。
エンジェル・フォール (Saltlo Angel)
住所:Parque Nacional Canaima, Canaima 8001, Bolívar, ベネズエラ
ジェームズ・エンジェルとエンジェルフォール
1933年頃、アメリカ人飛行士ジェームズ・エンジェルは金鉱を探すためギアナ高地上空を飛行していました。
その際、アウヤンテプイから流れ落ちる巨大な滝を目撃したことで世界に知られるようになります。
1937年には自ら操縦する飛行機でアウヤンテプイ山頂への着陸を試みました。
しかし湿地帯に足を取られて機体は動けなくなり、エンジェル夫妻と同乗者は徒歩で下山することになります。
数日間に及ぶ過酷な行程の末、先住民族ペモン族の助けを受けて無事帰還しました。
もし途中でペモン族に出会えなければ命を落としていた可能性も高く、
まさに「失われた世界」のようなエピソードとして語り継がれています。



チャーター機から見たエンジェルフォール
今回まず撮影したのは、シウダー・ボリバルからカナイマ空港へ向かうチャーター機からの景色です。
飛行中、広大な熱帯雨林の中に突然現れる巨大なテプイ群。
そしてその断崖から落下する白い一本の線がエンジェルフォールです。
地上からはなかなか全景を見ることができませんが、
上空からだとアウヤンテプイ全体と滝のスケールを一望できます。



①チャーター機によるカナイマ空港へ向かう途中のエンジェルフォール
セスナ機による遊覧飛行
続いて参加したのがエンジェルフォール遊覧飛行です。
使用した小型セスナ機は2人乗り。
窓越しではありますが、滝の正面付近まで接近して飛行してくれるため、迫力は想像以上でした。
滝だけでなく、
- アウヤンテプイ
- クケナンテプイ
- 広大なジャングル
- ギアナ高地の絶景
なども同時に楽しめます。
エンジェルフォール観光の中でも特に印象に残った体験でした。
②セスナ機によるエンジェルフォール遊覧飛行
空から見るエンジェルフォール
空から眺めるエンジェルフォールは、地上から見る姿とはまったく異なります。
巨大なテプイの断崖から流れ落ちる水は細い一本の糸のようにも見えますが、
その落差は東京タワー約3基分にも相当します。
周囲に道路や建物はなく、見渡す限りジャングルとテプイだけ。
当時この景色を発見したジェームズ・エンジェルがどれほど驚いたのか、
少しだけ理解できた気がしました。
まさに「失われた世界」という言葉がぴったりの景観です。
アクセス
エンジェルフォール遊覧飛行はカナイマ村発着のツアーで参加できます。
カナイマ村へは一般的に以下のルートでアクセスします。
- カラカス → シウダー・ボリバル(国内線)
- シウダー・ボリバル → カナイマ(小型機)
天候によって飛行可否が左右されるため、余裕を持った日程がおすすめです。
旅の終わりに
エンジェルフォールはボートツアーや展望台トレッキングでも十分感動できます。
しかし、その全貌を理解するなら空から眺める体験は格別です。
約20億年の歴史を持つギアナ高地と世界最高落差の滝が織りなす景色は、まさに地球規模の絶景でした。


コメント