ピサ|ドゥオモ広場と斜塔を歩く世界遺産観光ガイド

ピサの観光
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ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ、ナポリなど、
イタリアには見どころの多い都市が並びますが、
ピサはその中でも歩きやすさが際立つ町でした。

観光の中心がピサのドゥオモ広場にまとまっていて、
初めてでも動きやすく、ローマから電車で日帰りしやすいのも魅力です。

実際に訪れてみると、斜塔だけでは終わらない、
白い大理石の建築群がつくる静かな迫力が印象に残りました。

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ピサのドゥオモ広場(Piazza del Duomo, Pisa)

1987年にユネスコ世界文化遺産に登録。

ピサのドゥオモ広場には、イタリアのロマネスク及びゴシックの建築を代表する
洗礼堂、大聖堂、鐘楼、墓所回廊の4つが並び、海洋都市国家として繁栄したピサの威信を今に伝えています。

広場全体を歩いてみると、単体の建物を見るというより、
白い大理石の建築群が芝生の中にまとまって立つ景観そのものに価値がある場所だと感じます。

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世界遺産に選ばれた背景

ピサのドゥオモ広場が世界遺産に選ばれた背景には、
11世紀から14世紀にかけて築かれた宗教建築群が、
中世イタリア美術と建築の到達点のひとつとみなされていることがあります。

大聖堂、洗礼堂、鐘楼、墓所回廊は、それぞれ役割が異なりながら、
広場全体として統一感のある景観を形づくっています。

とくにピサ・ロマネスクと呼ばれる様式の成熟を示す点が高く評価されており、
海上交易で繁栄したピサ共和国の力を具体的に伝える場所でもあります。

歴史背景

中世のピサは、ジェノヴァやヴェネツィアと並ぶ海洋都市国家として、
地中海交易で大きく栄えました。
その繁栄の中で整えられたのが、現在のドゥオモ広場に並ぶ宗教建築群です。

大聖堂は1064年に起工され、洗礼堂は1152年、
鐘楼であるピサの斜塔は1173年に着工しました。

それぞれ完成まで長い年月を要していますが、
その分だけロマネスクからゴシックへと移る時代の美意識が折り重なって残っています。

実際に広場に立つと、
観光名所というより、かつての都市国家が信仰と富を形にした空間に入り込んだような感覚があります。

ピサの斜塔(Torre di Pisa)

住所:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI, Italy

項目 内容
時間 季節により変動。概ね9:00頃〜19:00〜22:00頃の範囲で運営されることが多いです。
定休日 基本的に無休のことが多いですが、宗教行事や保守で変動する場合があります。
料金 斜塔入場は事前予約制で、近年は20ユーロ前後が目安です。

ピサで一番有名な建物が、このピサの斜塔です。

高さは約55.86m、階段は296段あり、重量は14,453tとされています。
1173年に着工され、十数年後にはすでに傾き始めていたとされますが、
1990年から2001年の保存工事によって大きな危機は回避されました。

実際に広場で見上げると、写真で知っていた以上に傾きがはっきり分かり、
白い円柱が何層にも重なる姿に軽やかさと不安定さが同居しています。

ピサの斜塔が傾いているのはなぜ?

傾きの原因は、地盤の土や土質が極めて不均質だったことにあるとされています。
特に南側の地盤が相対的にやわらかく、年月を経るうちに沈下が進み、塔が傾き始めました。

最終的には5度を超える傾きになった時期もありましたが、
保存工事によって現在はそれより小さい角度に是正されています。

単に珍しい形の塔というだけではなく、地盤と建築の歴史をそのまま見せてくれるところも、
この建物の大きな見どころです。

ガリレオのエピソード①

ピサには、ガリレオにまつわる有名なエピソードがあります。
「落下の法則」の証明として、ガリレオがこの塔に登り、
上から大小2つの金属の玉を落としたという話です。

そして、2つの玉が同時に地面に着地したことで、
「物体の落下速度は、その物体の重さによらず一定である」と示したと語られています。

ただし、この話は現在ではあくまでも有名な伝説として紹介されることが多いです。
それでも、科学史の舞台としてこの塔を見る視点が加わると、
観光の印象も少し深まります。

ガリレオのエピソード②

当時主流だった地球中心説を覆し、天文学者コペルニクスが唱えた地動説を支持したことで、
ガリレオはカトリック教会の異端審問で有罪判決を受けました。

1633年の第2回異端審問で終身刑が言い渡されましたが、
20世紀後半に再検討が進み、
1992年に教皇ヨハネ・パウロ2世がガリレオ裁判に関する誤りを認める表明を行いました。

斜塔そのものと直接結びつく事実ではないものの、
ピサという町ではガリレオの存在が今も強く意識されています。

大聖堂(Cathedral)

住所:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI, Italy

項目 内容
時間 季節により変動します。春〜夏は8:00〜20:00頃、秋〜冬は18:00〜19:00頃までが目安です。
定休日 無休が基本ですが、宗教行事などで変更されることがあります。
料金 大聖堂・洗礼堂・博物館の共通チケット制で、見学施設数によって変わることが多いです。1施設5ユーロ前後からが目安です。

大聖堂は1064年、都市国家ピサが海上での成功を背景に、
聖母マリアに捧げるために起工された建物です。
完成したのは1118年です。

内部は長さ約100m、幅約30mの五廊式で、
建築形式はバシリカ式の十字架平面型になっています。

上から見るとラテン十字架の形をしており、
ピサ・ロマネスク建築の傑作として知られています。

外観の列柱やアーチの重なりはとても美しく、
広場の中でも正面に立ったときの存在感は圧倒的です。

斜塔に目が向きがちですが、実際に歩くとこの大聖堂こそが広場の中心だと感じます。
建物内部には、ピサの人々に愛された聖ラニエリと、
神聖ローマ皇帝ハインリヒ7世の墓があります。

大聖堂の見どころ

内部に入ると、外の明るい広場とは空気が変わり、
落ち着いた薄暗さの中に豪華な装飾が浮かび上がります。
列柱の並びや金色のモザイク、祭壇まわりの意匠も見どころで、
海洋都市として外の文化と接してきたピサらしい華やかさも感じられます。

派手すぎる豪華さではなく、
信仰の中心として長く大切にされてきた建物らしい重みがありました。
斜塔を見に来たつもりでも、
実際にはこの大聖堂の印象が強く残る人も多いと思います。

ガリレオのエピソード③

ピサの大聖堂の中に入ると、天井から大きなランプがぶら下がっています。
ガリレオはこのランプが揺れるのを見て、
「振り子の等時性」を発見したと言われています。

ちなみに、このランプは「ガリレオのランプ」と呼ばれることがあります。
こちらも伝承として語られる面がありますが、
ピサでは科学と宗教、学問と信仰が同じ町の歴史の中に重なっていることを感じさせる話です。


Julie ClarkeによるPixabayからの画像

洗礼堂(Baptistery)

項目 内容
時間 季節により変動します。春〜夏は8:00〜20:00頃、秋〜冬は18:00〜19:00頃までが目安です。
定休日 無休が基本ですが、特別行事や保守で変更されることがあります。
料金 大聖堂・洗礼堂・博物館の共通チケット制で、見学施設数によって変わることが多いです。1施設5ユーロ前後からが目安です。

ピサの洗礼堂は1152年に着工し、
完成は1363年と、200年以上を費やした建造物です。
全体は白い大理石で造られており、
建物の下側はロマネスク様式の列柱とアーチで装飾され、
上側はゴシック様式を示す尖塔群で装飾されている珍しい建物です。

長い建設期間が、そのまま建築様式の重なりとして見えるのが、
この建物のおもしろいところです。
外観だけでも十分に美しいですが、
実際に近くまで行くと細部の彫刻や装飾がかなり繊細で、
思っていた以上に見応えがあります。

洗礼堂の見どころ

内部には中央に洗礼盤があり、奥には説教壇があります。
説教壇にはキリストの生涯が彫られており、
宗教儀礼の場であると同時に、
視覚を通して信仰を伝える空間だったことが分かります。

また、洗礼堂は音の響きのよさでも知られています。
内部に入ると外のにぎわいが少し遠のき、
ひんやりとした空気の中で円形建築ならではの静けさが感じられました。

ピサの斜塔が見たくて訪れる人が多い場所ですが、
大聖堂や洗礼堂も見どころ十分なので、
じっくり散策してみてください。

Hans HansenによるPixabayからの画像

アクセス

最寄り空港はピサ国際空港です。
空港から市内へはPisaMoverでピサ中央駅まで約5分ほどです。
その後、ピサ中央駅からドゥオモ広場周辺へは徒歩約20〜25分、
または路線バスで10分前後が目安です。

ローマから行く場合は、ローマ・テルミニ駅から鉄道でおおむね2時間半〜3時間前後です。
日帰りも可能ですが、朝早めに出発すると動きやすいです。
個人で回りやすい場所ですが、
時間を効率よく使いたい場合は現地ツアーを組み合わせる方法もあります。

ピサを歩いて感じたこと

ピサのドゥオモ広場周辺は、
ピサの斜塔が見たくて訪れる人が多いかと思います。
ですが実際に歩いてみると、大聖堂や洗礼堂も見どころ十分で、
広場全体をゆっくり歩くことで、この世界遺産の魅力がよく伝わってきます。

斜塔だけを見て終わるにはもったいなく、
ピサが海洋都市国家として栄えた時代の誇りや、
宗教都市としての重みも、この場所にはしっかり残っていました。

ローマやフィレンツェから足を延ばしやすく、
初めてのイタリア旅行でも組み込みやすい、
とても観光しやすい世界遺産だと思います。

カタール航空で人気の世界都市へお出かけください。

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