ヨルダンの首都アンマンから北へ約50km。
中東最大級のローマ遺跡として知られるのが「ジュラシュ遺跡(Jerash)」です。
ペトラ遺跡ほど知名度は高くありませんが、
その保存状態の良さから「中東のポンペイ」とも呼ばれています。
広大な遺跡内には、
- ハドリアヌスの凱旋門
- 円形広場フォルム
- 列柱通り(カルド)
- ゼウス神殿
- アルテミス神殿
- 南劇場
- ニンファエウム
などが残されており、古代ローマ都市の姿を現在でも鮮明に見ることができます。
私もヨルダン周遊ツアーで訪れましたが、
ペトラ遺跡とはまったく異なる魅力を持つ遺跡であり、ヨルダン旅行では外せない観光地だと感じました。
なお、アンマンからは以下のような日帰りツアーも催行されています。
ヨルダン北部のハイライトツアー☆アンマン市内&アジュルン&ジャラシュ1日観光<車+ガイド貸切/アンマン発>
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ジュラシュ遺跡 (Jerash)
住所:Wasfi-At-Tai,Jarash,Jordan
| 入場時間 | 夏期:8:00~18:00 冬期:9:00~16:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 入場料金 | 10JD |
ジュラシュ遺跡の歴史
ジュラシュの歴史は非常に古く、ヘレニズム時代までさかのぼります。
紀元前64年、ローマの将軍ポンペイウスによってローマ帝国の勢力圏へ組み込まれ、
その後はデカポリス(ローマ支配下の10都市連合)の一都市として発展しました。
交易の要衝として繁栄したことで莫大な富を蓄え、
- 神殿
- 劇場
- 公共浴場
- 列柱通り
などの壮大な建造物が次々と建設されます。
最盛期には約2万~2万5千人が暮らしていたとされ、
現在残る遺跡の多くもこの時代に築かれました。
しかし3世紀以降は海上交易の発達によって徐々に衰退。
さらに749年の大地震によって街は大きな被害を受け、
その後は長い間忘れられた存在となります。
19世紀になって再発見され、本格的な発掘調査が始まりました。

通路に沿って進むと凱旋門が見えてきます。

ハドリアヌスの凱旋門(Hadrian’s Gate)
遺跡入口近くに建つ巨大な凱旋門。
129年にローマ皇帝ハドリアヌスがジュラシュを訪問したことを記念して建設されました。
高さ約13mにも及ぶ堂々たる姿は、当時の都市の繁栄を物語っています。

ヒッポドローム(Hippodrome)
長さ約245m、幅約52mの巨大競技場です。
最大15,000人を収容できたといわれ、
- 戦車競走
- 馬術競技
- 公共イベント
などが開催されていました。


南門(South Gate)
南門は遺跡の主要入口のひとつ。
コリント式の美しい装飾が特徴で、アカンサスの葉をモチーフにした彫刻を見ることができます。
当時は周辺に市場も広がっていたと考えられています。

ゼウス神殿(Temple of Zeus)
丘の上に建つジュラシュを代表する神殿。
現在残る列柱の多くは2世紀頃のものです。
神殿前からはフォルムや遺跡全体を見渡すことができ、絶好の撮影スポットになっています。

南劇場(South Theater)
約3,000人を収容できる大劇場です。
ローマ時代の優れた音響設計が残されており、舞台中央で声を出すと客席上部まで響くことで知られています。
現在でもイベントや演奏会が開催されることがあります。

舞台の前景です。

フォルム(Oval Plaza)
ジュラシュ遺跡最大の見どころのひとつ。
楕円形をした広場で、周囲を56本のイオニア式列柱が取り囲んでいます。
ローマ遺跡の中でも珍しい形状をしており、ジュラシュを象徴する景観となっています。


列柱通り(Cardo Maximus)
フォルムから北へ続く約600mのメインストリート。
両側に列柱が並び、ローマ都市特有の壮大な景観を見ることができます。
石畳には当時の馬車による轍の跡も残されています。

ニンファエウム(Nymphaeum)
191年頃に建設された公共噴水施設。
水の精霊ニンフへ捧げられた建造物で、かつては豊富な水が流れていたと考えられています。

大聖堂(Cathedral)
4世紀頃に建設されたキリスト教会。
ローマ帝国のキリスト教化を象徴する建築のひとつで、かつての異教神殿跡を利用して建設されたとされています。

アルテミス神殿(Temple of Artemis)
ジュラシュ遺跡最大級の神殿。
都市の守護神アルテミスへ捧げられました。
現在でも高さ10mを超える巨大な柱が残っており、その迫力は圧巻です。
ジュラシュ観光のハイライトといえる場所でしょう。

なぜ世界遺産ではないのか?
これほど壮大なローマ遺跡でありながら、
ジュラシュ遺跡は現在ユネスコ世界遺産には登録されていません。
修復時の保存方法や周辺開発との関係などが課題として指摘されることがあります。
現在もユネスコ世界遺産暫定リストに掲載されています。
アクセス
アンマンからバスで行く場合
アンマン北バスターミナル(Tabarbour Bus Station)からミニバスが運行しています。
- 所要時間:約1時間
- 料金:約1JD前後
ジュラシュ到着後はバスターミナルから遺跡まで徒歩約10分です。
ツアー利用
ヨルダンでは
- ジュラシュ遺跡
- アジュルン城
- アンマン市内
を組み合わせた日帰りツアーが人気です。
効率よく観光したい場合はツアー利用がおすすめです。
旅の終わりに
ジュラシュ遺跡は、ペトラ遺跡に次ぐヨルダン屈指の見どころです。
保存状態の良い神殿や劇場、列柱通りが残り、古代ローマ都市の姿を体感できます。
世界遺産ではありませんが、その価値は十分世界遺産級。
ヨルダンを訪れるなら、ぜひペトラ遺跡とあわせて訪れてみてください。
実際に歩いてみると、フォルムから列柱通りへ続く景観は想像以上に壮大で、
古代ローマ都市のスケールを肌で感じることができました。
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