アンコール・ワットから北東へ約40km。
シェムリアップ郊外ののどかな農村地帯に、「アンコール遺跡群で最も美しいレリーフを持つ寺院」 と称される
ヒンドゥー教寺院 バンテアイ・スレイ(Banteay Srei) があります。
規模は小さいものの、その緻密さ・芸術性は群を抜き、
有名な女性像レリーフは 「東洋のモナリザ」 とも呼ばれています。
本記事では、
- バンテアイ・スレイの歴史的背景
- 見逃せないレリーフの見どころ
- 行き方(個人/ツアー比較)
- 世界遺産としての位置づけ
を、実際に歩いた視点で詳しく解説します。
アンコール遺跡 (Angkor)
1992年/2004年 ユネスコ文化遺産に登録
カンボジアの北西部、トンレサップ湖北岸のシェムリアップの北側に位置するクメール王朝時代の遺跡群である。
1992年ユネスコの世界危機遺産に登録され、遺跡を中心とし修復に努めてきたが、第二段階として
2004年世界文化遺産に登録されました。
アンコール遺跡の対象となるものは下記になります。
※太字は、私が訪問した場所です。
【メインエリア】
- アンコール・トム:仏教寺院
- バイヨン:仏教寺院
- 象のテラス:仏教寺院
- ライ王のテラス:仏教寺院
- ピミアナカス:ヒンドゥー教寺院
- プラサット・スゥル・プラット:仏教寺院
- クリアン:ヒンドゥー教寺院
- バプーオン:ヒンドゥー教寺院(15世紀以降は仏教寺院)
- プリア・パリライ:仏教寺院
- プリア・ピトゥ:ヒンドゥー教寺院
- アンコール・ワット:ヒンドゥー教寺院
- プノン・バケン:ヒンドゥー教寺院
- プラサット・バイ:ヒンドゥー教寺院
- バクセイ・チャムクロン:ヒンドゥー教寺院
- トマノン:ヒンドゥー教寺院
- チャウ・サイ・テヴォーダ:ヒンドゥー教寺院
▶︎ アンコール・トム完全ガイド
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/angkor-thom/
▶︎ アンコール・ワット完全ガイド
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/angkor-wat/
▶︎ バプーオン寺院の詳細はこちら
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/baphuon/
【東部エリア】
- プレ・ループ:ヒンドゥー教寺院
- タ・ケウ:ヒンドゥー教寺院
- バンテアイ・サムレ:ヒンドゥー教寺院
- タ・プローム:仏教寺院
- スラ・スラン:仏教寺院
- バンテアイ・クデイ:仏教寺院
- タ・ネイ:仏教寺院
- 東バライ
- 東メボン:ヒンドゥー教寺院
- プラサット・クラヴァン:ヒンドゥー教寺院
【北東部エリア】
- クオル・コー:仏教寺院
- ニャック・ポアン:仏教寺院
- タ・ソム:仏教寺院
【北東部郊外エリア】
- バンテアイ・スレイ:ヒンドゥー教寺院
- プノン・クーレン
- クバール・スピアン:ヒンドゥー教寺院
- ベンメリア:ヒンドゥー教寺院
▶︎ ベンメリア遺跡|ラピュタのモデルとされる密林遺跡
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/beng-melea/
【北部エリア】
-
プリヤ・カーン:仏教寺院
▶︎ プリヤ・カーン寺院|巨大僧院としての役割と見どころ
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/preah-khan/
【西部エリア】
- 西バライ
- 西メボン:ヒンドゥー教寺院
- アック・ヨム:ヒンドゥー教寺院
【南部郊外エリア】
- ワット・アトヴィア:ヒンドゥー教寺院
- プノン・クロム:ヒンドゥー教寺院
【南東部郊外エリア(ロリュオス遺跡群】
- プリア・コー:ヒンドゥー教寺院
- バコン:ヒンドゥー教寺院
- ロレイ:ヒンドゥー教寺院
- スピアン・プラプトス
▶︎ ロリュオス遺跡群ガイド|アンコール王朝最初期の都
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/lolei/
バンテアイ・スレイ (Banteay Srei)
住所:Angkor Archaeological Park, Siem Reap 17000 カンボジア
基本情報
| 時間 | 6:00~17:00 |
| 定休日 | 無休 |
*遺跡観光には、アンコール・パス(共通チケット)の携帯が必須になります。
詳しくは、下記を参照してみてください。

バンテアイ・スレイは、
10世紀後半(967年)に建立されたヒンドゥー教寺院で、
アンコール王朝の王師(ブラフマン)ヤジャニヴァラーハ(Yajnavaraha) によって建立されました。
王自身ではなく、王師が建てた寺院という点も非常に珍しい存在です。
名称の意味
バンテアイ・スレイ=「女の砦」
繊細で優美なレリーフが、「女性的な美しさ」を連想させることからこの名が付いたとされています。

寺院構造 小さいからこそ美が凝縮される
寺院規模は東西:約115m・南北:約95m・周囲:約400mで、アンコール遺跡群の中では非常にコンパクトです。
正面参道を進むと、
池に映るバンテアイ・スレイの姿が美しく、写真映えスポットとしても知られています。

中央への道も綺麗です。

柱の一部には、サンスクリット語が彫られています。

第二の周壁の塔門のレリーフには、「マハーバーラタ」が描かれているそうです。

圧巻のレリーフ群 神々が躍動する赤砂岩の芸術
バンテアイ・スレイ最大の魅力は、
赤色砂岩に彫られた驚異的なレリーフです。
主なモチーフ
- シヴァ神
- ヴィシュヌ神
- ラクシュミー女神
- ウマ(パールヴァティ)
- マハーバーラタ叙事詩
特に見逃せないレリーフ
- ヴィシュヌ神の妃ラクシュミーが聖水で清められる場面
- 瞑想するシヴァ神と妻ウマ
- 踊るシヴァ神(ナタラージャ)
- 壁一面に並ぶデバター(女神像)

ヴィシュヌ神の妻(ラクシュミー)がゾウの聖水で身を清めてもらっているレリーフ

瞑想をするシヴァ神と妻のウマのレリーフ

踊るシヴァ神のレリーフ

デバター(女性像)
この寺院を世界的に有名にしたのが、デバター(女性像) のレリーフです。
その微笑みから
「東洋のモナリザ」 と称されるようになりました。
作家アンドレ・マルロー事件
フランスの作家 アンドレ・マルロー が、このデバター像に魅了され、
国外へ持ち出そうとして逮捕された事件は有名です。
この体験をもとに執筆された小説が『王道(La Voie Royale)』。
現在は遺跡保護のため立入禁止区域となっており、
望遠レンズや双眼鏡があるとベストです。

他のレリーフにも、非常に美しい女性像が描かれています。



いかにもヒンドゥー教寺院という感じですね。
この遺跡だけに見られるスリット状の窓が特徴的です。

下の写真は、中央の祠堂です。

バンテアイ・スレイへの行き方 個人手配とツアー比較
バンテアイ・スレイは、アンコール・ワットから約40km離れており、
市内中心部からはやや距離があります。
個人で行く場合
- トゥクトゥク/タクシーチャーター
- 所要時間:約1時間~1時間30分(片道)
- 料金目安:往復 30~40USD前後(交渉制)
途中はのどかな農村風景が広がり、
アンコール中心部とは違ったカンボジアの素顔を感じられます。
ツアーを利用する場合
- 半日または1日ツアーが主流
- バンテアイ・スレイ+クバール・スピアンやベンメリアとの組み合わせが多い
- 移動・時間管理が楽で、初訪問者には安心
初めて訪れる方や時間を有効に使いたい方には、ツアー利用がおすすめです。
※乾季(11〜4月)は道路状況が良好ですが、雨季は所要時間が延びることがあります。
巨大寺院が並ぶアンコール遺跡群の中で、
「芸術の完成度」 という点で突出しているのが
バンテアイ・スレイです。
派手さはありませんが、
一つ一つのレリーフに目を向けるほど、
その美しさと物語性に引き込まれます。
アンコール観光に少し余裕があるなら、
ぜひ足を延ばして、
優美な神々の世界 を体感してみてください。



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