超高層ビルや巨大ショッピングモールなど、
未来都市として知られるドバイ。
しかし実際に訪れてみると、
ドバイには近代化以前のアラブの街並みを残す歴史地区も存在しています。
その代表的な場所が、
ドバイクリーク西岸・バール・ドバイ地区にある
「アル・ファヒディ歴史地区(Al Fahidi Historical Neighbourhood)」です。
かつて「バスタキア地区」とも呼ばれていたエリアで、
19世紀後半〜20世紀初頭にかけて、
ペルシャ商人たちが築いた伝統家屋群が現在も保存されています。
実際に歩いてみると、
・風の塔(バラジール)
・迷路のような細い路地
・サンゴ石と石膏で作られた建物
・木製扉や中庭住宅
などが並び、高層ビル群とはまったく異なる、
昔の湾岸アラブ世界の空気を感じられる場所でした。
特に、静かな路地を歩いていると、
同じドバイとは思えないほど落ち着いた雰囲気が広がっています。
アル・ファヒディ歴史地区(Al Fahidi Historical Neighbourhood)
住所:Al Fahidi – Dubai – アラブ首長国連邦
アル・ファヒディ歴史地区とは
アル・ファヒディ地区は、
19世紀後半にイラン南部バスタク地方から移住してきた商人たちによって形成された歴史地区です。
当時のドバイは、現在のような巨大都市ではなく、
真珠貿易や中継貿易で発展していた小さな港町でした。
そのため、この地区には、
・商人住宅
・倉庫
・中庭付き邸宅
・伝統的イスラム建築
などが密集しています。
1970年代以降、急速な再開発によって歴史的建造物の多くが失われましたが、
アル・ファヒディ地区は保存活動によって修復され、
現在ではドバイを代表する文化遺産地区となっています。
古きアラブの街並みを歩く
地区内には、
ベージュ色の伝統建築が迷路のように並んでいます。
巨大モールや近未来建築ばかり見ていると忘れがちですが、
こうした街並みを見ると、
ドバイも元々は砂漠の交易都市だったことを実感できます。
石畳の細い路地には人影も比較的少なく、静かな雰囲気。
昼間は強烈な日差しが差し込みますが、
建物同士の距離が狭いため、路地には自然な日陰が生まれています。
実際に歩いてみると、現代都市というより、
中東の古い集落を散策している感覚に近い場所でした。


風の塔「バラジール(Barajeel)」
アル・ファヒディ地区を象徴する存在が、
建物の屋上に突き出た塔状構造「バラジール(風の塔)」です。
これはエアコンが存在しなかった時代の、
アラブ世界の伝統的な自然冷却システム。
塔の四方向に開いた窓から風を取り込み、
内部の通路を通して室内へ冷気を送る仕組みになっています。
さらに、
塔内部の対角線状の壁によって空気の流れを調整し、
熱気を逃がす工夫もされています。
現在のドバイでは超高層ビル群が目立ちますが、
こうした建築を見ると、
砂漠気候の中で発展してきたアラブ建築文化の知恵を感じられます。

地区内には、かつての湾岸交易を感じさせる木造船模型なども展示されていました。

コイン博物館(Coin Museum)
住所:777X+RWG – Bur Dubai – Dubai Heritage Village – Dubai – アラブ首長国連邦
| 時間 | 8:00~15:00 8:00~11:00(金曜日) |
| 定休日 | 土曜日・日曜日 |
| 料金 | 無料 |
館内では、7世紀頃の古代コインから、
湾岸地域・インド・旧大英帝国時代の貨幣まで、
470枚以上のコインが展示されています。
ドバイは古くから交易都市として発展してきたため、
様々な国の貨幣文化が混ざり合っていたことが分かります。
規模自体は大きくありませんが、歴史好きには意外と面白いスポットです。

建築遺産協会(Architectural Heritage Society)
住所:18 – 18 Al Fahidi St – Al Fahidi – Dubai – アラブ首長国連邦
| 時間 | 時間8:00~15:00 8:00~12:30(金曜日) |
| 定休日 | 土曜日・日曜日 |
| 料金 | 無料 |
館内では、ドバイの伝統建築技法や修復方法などが紹介されています。
特に、サンゴ石・石膏・ヤシ材など、
砂漠地域特有の建築素材に関する展示は興味深いポイントです。

Al Farooq Mosque
住所:2 Al Mussalla St – Al Fahidi – Dubai – アラブ首長国連邦
地区周辺には小規模モスクも点在しています。
大規模観光モスクとは異なり、
地域住民の日常に根付いたローカルな礼拝空間という雰囲気があります。
アザーン(礼拝呼びかけ)が流れると、
歴史地区全体がよりイスラム文化色を帯び、中東らしい空気感が一気に強まります。

Wall of Old Dubai
住所:63 Al Faheide – Al Fahidi – Dubai – アラブ首長国連邦
最初の城壁は1800年頃に建設され、
アル・ファヒディ要塞やグランドモスク周辺を防衛していました。
その後、19世紀半ばに再建され、
サンゴ石と石膏を使った厚さ約50cmの壁として拡張。
しかし20世紀以降、ドバイの都市開発によって大部分は取り壊され、
現在では一部のみが保存されています。
巨大都市ドバイにも、かつて城壁都市だった時代があったことを感じられる貴重な史跡です。



実際に歩いて感じたこと
アル・ファヒディ地区は、
ドバイ観光の中でもかなり静かな観光地です。
ブルジュ・ハリファやドバイモールのような派手さはありませんが、
その分、昔のアラブ文化や歴史をゆっくり感じながら散策できます。
また、ギャラリーやカフェも点在しており、
途中で休憩しながら歩けるのも魅力。
ただし、
夏場の日中は非常に危険レベルの暑さになります。
気温40℃超えになることも珍しくないため、
・帽子
・水分補給
・日陰休憩
・午前中〜夕方訪問
はかなり重要です。
個人的には、
夕方前後の柔らかい光の時間帯が最も雰囲気が良く感じました。
アクセス
ドバイメトロ利用
最寄駅:
グリーンライン「Al Fahidi駅」
3番出口から徒歩約10〜15分。
Al Mussallah Rdをドバイクリーク方面へ歩くと到着します。
タクシー利用
ダウンタウン・ドバイ周辺から約15〜20分程度。
「Al Fahidi Historical Neighbourhood」または「Al Bastakiya」で通じることが多いです。
旅の終わりに
アル・ファヒディ歴史地区は、
近未来都市ドバイのイメージとは対照的な、
古きアラブ文化を感じられる貴重な歴史地区です。
・風の塔(バラジール)
・伝統住宅
・城壁跡
・小規模博物館
・静かな路地空間
など見どころも多く、ドバイの歴史背景を知るには非常におすすめ。
ドバイモールやブルジュ・ハリファだけでは見えない、
もうひとつのドバイを感じたい人には特におすすめのエリアです。


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