インド洋に浮かぶ島国スリランカは、古代王朝の遺跡や仏教文化、
植民地時代の街並み、そして豊かな自然が残る国です。
紀元前から続く長い歴史のなかで、アヌラーダプラやポロンナルワといった古代都市が築かれ、
その後もシーギリヤやキャンディなど、それぞれの時代を象徴する都市や寺院が発展してきました。
現在も各地には、巨大な岩山の上に宮殿跡が残るシーギリヤ、
仏歯寺を中心に発展した聖地キャンディ、約150体もの仏像が残るダンブッラの黄金寺院など、
スリランカの歴史と仏教文化を伝える世界遺産が残されています。
さらに、インド洋に面したゴールにはヨーロッパ統治時代の城塞都市が残り、
中央部にはホートン・プレインズ国立公園を含むスリランカ中央高地が広がるなど、
文化遺産だけではない多彩な世界遺産を見ることができるのもスリランカの魅力です。
その歴史や文化、自然環境の価値が評価され、2026年現在、
スリランカにはユネスコ世界遺産が8件登録されています。
内訳は文化遺産6件、自然遺産2件です。
私も実際にスリランカを訪れ、シーギリヤをはじめ、キャンディ、
ダンブッラ、ゴール旧市街、そしてスリランカ中央高地のホートン・プレインズ国立公園などの世界遺産を巡りました。
古代王朝が築いた天空の宮殿や仏教寺院から、インド洋に面した城塞都市、
高原地帯に広がる大自然まで、それぞれの場所にはまったく異なる歴史と景観が残されています。
この記事では、スリランカに登録されている世界遺産全8件を一覧で紹介するとともに、
実際に訪れた世界遺産や、これから訪れてみたい世界遺産についても紹介します。
▶︎ アジア・オセアニアの世界遺産一覧

スリランカの世界遺産一覧
| 世界遺産 | 登録年 | 種別 |
|---|---|---|
| 聖地アヌラーダプラ(Sacred City of Anuradhapura) | 1982 | 文化 |
| 古代都市ポロンナルワ(Ancient City of Polonnaruwa) | 1982 | 文化 |
| 古代都市シーギリヤ(Ancient City of Sigiriya) | 1982 | 文化 |
| シンハラジャ森林保護区(Sinharaja Forest Reserve) | 1988 | 自然 |
| 聖地キャンディ(Sacred City of Kandy) | 1988 | 文化 |
| ゴール旧市街とその要塞群(Old Town of Galle and its Fortifications) | 1988 | 文化 |
| ダンブッラの黄金寺院(Golden Temple of Dambulla) | 1991 | 文化 |
| スリランカ中央高地(Central Highlands of Sri Lanka) | 2010 | 自然 |
実際に訪れたスリランカの世界遺産
古代都市シーギリヤ(Ancient City of Sigiriya)
スリランカを代表する世界遺産で、高さ約200mの巨大な岩山の上に5世紀頃の王宮跡が残されています。
岩壁に描かれたシーギリヤ・レディや巨大なライオン像の前足が残るライオンの門など、
岩山そのものを利用した独特の遺跡を見ることができます。
頂上まで階段を登る必要がありますが、そこから眺めるスリランカの大地も含め、一度は訪れてみたい世界遺産です。

▶︎ 天空遺跡シーギリヤ・ロック|フレスコ画シーギリヤ・レディとライオンの門が残る世界遺産

聖地キャンディ(Sacred City of Kandy)
シンハラ王朝最後の都として栄えたキャンディは、現在もスリランカ仏教を代表する聖地です。
キャンディ湖のほとりには仏陀の歯とされる聖遺物を祀る仏歯寺があり、
多くの仏教徒が巡礼に訪れています。
毎年開催されるエサラ・ペラヘラでも知られ、
スリランカの歴史と現在まで続く信仰文化を感じられる世界遺産です。

▶︎ スリランカ世界遺産キャンディ|仏歯寺とエサラ・ペラヘラ祭りを歩くシンハラ王朝最後の都

ゴール旧市街とその要塞群(Old Town of Galle and its Fortifications)
インド洋に面するゴールに残る、ヨーロッパ統治時代の歴史を伝える城塞都市です。
ポルトガルによる進出後、17世紀にはオランダによって大規模な要塞が整備され、
現在も城壁や教会、歴史的建築物が残されています。
古代都市や仏教寺院とは異なるスリランカの歴史を感じながら、
インド洋沿いの城壁を歩くことができる世界遺産です。

▶︎ ゴール旧市街と要塞|インド洋に残る城塞都市を歩く【スリランカ世界遺産】

ダンブッラの黄金寺院(Golden Temple of Dambulla)
スリランカ中央部の岩山に築かれた石窟寺院で、
2000年以上にわたる仏教信仰の歴史を伝えています。
石窟内部には約150体の仏像が安置され、
壁や天井を埋め尽くすように描かれた巨大な仏教壁画を見ることができます。
シーギリヤからも比較的近く、文化三角地帯を巡るならあわせて訪れてみたい世界遺産です。

▶︎ ダンブッラ石窟寺院|150体の仏像と巨大壁画が残るスリランカ世界遺産

スリランカ中央高地(Central Highlands of Sri Lanka)
スリランカ中央部の山岳地帯に広がる自然遺産で、
ピーク・ウィルダネス保護区、ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ保全森林から構成されています。
なかでもホートン・プレインズ国立公園では、
高原の草原や雲霧林の中を歩きながら、巨大な断崖ワールズ・エンドなどを巡るトレッキングを楽しむことができます。
古代遺跡や仏教寺院とはまったく異なる、スリランカの豊かな自然を体感できる世界遺産です。

▶︎ 世界遺産スリランカ中央高地|ホートン・プレインズ国立公園トレッキング

まだ訪れていないスリランカの世界遺産
今回紹介した世界遺産以外にも、スリランカには魅力的な世界遺産が登録されています。
古代シンハラ王朝の都として栄えたアヌラーダプラやポロンナルワ、
そしてスリランカ固有の動植物が生息するシンハラジャ森林保護区など、その内容は実に多彩です。
ここでは、私がまだ訪れていないスリランカの世界遺産を、折りたたみでまとめて紹介します。
まだ訪れていないスリランカの世界遺産を見る(3件)
聖地アヌラーダプラ(Sacred City of Anuradhapura)
スリランカ最古の王都のひとつで、
紀元前4世紀頃から長期間にわたりシンハラ王朝の中心として栄えました。
広大な遺跡地区には巨大な仏塔や寺院、僧院跡などが残り、
スリランカにおける仏教文化の発展を現在に伝えています。
ブッダガヤの菩提樹につながると伝えられるスリー・マハー菩提樹もあり、
いつか訪れてみたいスリランカを代表する聖地です。
古代都市ポロンナルワ(Ancient City of Polonnaruwa)
アヌラーダプラに続いてシンハラ王朝の都として発展した、スリランカを代表する古代都市です。
宮殿跡や寺院、仏塔などが広範囲に残り、
巨大な岩から直接彫り出された仏像群「ガル・ヴィハーラ」でも知られています。
シーギリヤやダンブッラとともに文化三角地帯を形成する世界遺産として、
次にスリランカを訪れるなら歩いてみたい場所です。
シンハラジャ森林保護区(Sinharaja Forest Reserve)
スリランカ南西部に残る貴重な熱帯雨林で、スリランカを代表する世界自然遺産です。
森林には多くの固有種が生息し、
この島ならではの高い生物多様性を現在まで残しています。
遺跡や寺院だけではないスリランカの自然の魅力を感じるためにも、
一度は歩いてみたい世界遺産です。
スリランカの世界遺産へのアクセス
スリランカの世界遺産は、首都コロンボを起点に文化三角地帯、中央高地、南西海岸へと広がっています。
鉄道や長距離バスで主要都市へ移動し、現地ではトゥクトゥクやタクシーを組み合わせるのが一般的です。
特にシーギリヤやダンブッラなど文化三角地帯の世界遺産は比較的近い距離にあるため、
まとめて巡ることができます。
| エリア | 主な世界遺産 | 主なアクセス |
|---|---|---|
| 文化三角地帯 | シーギリヤ・ダンブッラ ポロンナルワ・アヌラーダプラ |
コロンボ・キャンディから長距離バス、または鉄道+バス・トゥクトゥク |
| キャンディ | 聖地キャンディ | コロンボから鉄道または長距離バス |
| 中央高地 | スリランカ中央高地 | キャンディ・ヌワラエリヤ・オヒヤから車またはトゥクトゥク |
| 南西海岸 | ゴール旧市街 | コロンボから鉄道または長距離バス |
文化三角地帯
シーギリヤ、ダンブッラ、ポロンナルワ、アヌラーダプラは、
スリランカ中部から北中部に位置する「文化三角地帯」にあります。
コロンボやキャンディから長距離バスでダンブッラへ向かい、
そこからシーギリヤへ移動するルートが一般的です。
ポロンナルワやアヌラーダプラへも路線バスが運行しており、数日かけて周遊すると効率よく巡ることができます。
キャンディ
キャンディへは、コロンボ・フォート駅から鉄道を利用する方法が人気です。
山岳地帯へ向かう車窓風景を楽しめるため、
移動そのものも旅の見どころになります。
長距離バスも本数が多く、時間帯によって使い分けることができます。
スリランカ中央高地
ホートン・プレインズ国立公園を訪れる場合は、
ヌワラエリヤやオヒヤを拠点にするのがおすすめです。
公園入口までは公共交通機関だけでは行きにくいため、ホテルで車を手配するか、
トゥクトゥクやタクシーを利用するのが一般的です。
ワールズ・エンドを目指す場合は、霧が出る前の早朝に出発すると景色を楽しみやすくなります。
ゴール旧市街
ゴールへは、コロンボから海岸線を走る鉄道または長距離バスでアクセスできます。
鉄道はインド洋を眺めながら移動できる人気路線で、旅行者にも人気があります。
ゴール駅から旧市街までは徒歩約15分、トゥクトゥクなら数分です。
効率よく巡るなら
初めてスリランカを訪れるなら、
コロンボ → ダンブッラ → シーギリヤ → キャンディ → スリランカ中央高地 → ゴール → コロンボ
というルートがおすすめです。
スリランカの世界遺産を巡るベストシーズン
スリランカは熱帯に位置しているため、年間を通して比較的温暖な気候が続きます。
ただし、島の南西部と北東部では異なるモンスーンの影響を受けるため、
訪れる世界遺産によって旅行しやすい時期が異なります。
シーギリヤ・ダンブッラ・文化三角地帯
シーギリヤやダンブッラ、アヌラーダプラ、ポロンナルワなどがある文化三角地帯は、
年間を通して観光できますが、雨の少ない時期を選ぶと遺跡を歩きやすくなります。
一方、キャンディやゴール、中央高地までまとめて巡る場合は、
12月〜3月頃の方が旅程を組みやすくなります。
特にシーギリヤは巨大な岩山を階段で登るため、雨の日は足元が滑りやすく、
晴れている日でも日中はかなり暑くなります。
できるだけ朝の涼しい時間帯から観光を始めるのがおすすめです。
キャンディ・スリランカ中央高地
キャンディやホートン・プレインズ国立公園などの中央高地を訪れる場合は、
比較的乾燥した**12月〜3月頃**が旅行しやすい時期です。
特にホートン・プレインズ国立公園では、午前中の早い時間ほど視界が良いことが多く、
ワールズ・エンドからの景色を楽しみやすくなります。
標高が高いため、スリランカの低地とは気温が大きく異なり、
早朝はかなり冷え込むこともあるので上着を用意しておくと安心です。
ゴール・スリランカ南西部
ゴール旧市街などスリランカ南西部を中心に巡るなら、
一般的には12月〜3月頃が旅行しやすいシーズンです。
この時期は南西モンスーンの影響が比較的小さく、
ゴール旧市街の散策や南西海岸の観光にも向いています。
城壁の上を歩くなら日中は日差しが強くなるため、
朝や夕方に訪れると比較的歩きやすく、インド洋へ沈む夕日も楽しめます。
スリランカの世界遺産をまとめて巡るなら
シーギリヤやダンブッラ、キャンディ、中央高地、ゴールなどを一度の旅行で巡るなら、
12月〜3月頃は比較的ルートを組みやすい時期です。
ただし、スリランカは地域によって気候が大きく異なり、
乾季であっても突然雨が降ることがあります。
世界遺産を巡る際は雨具を用意しながら、
シーギリヤなど屋外観光が中心となる場所では朝の時間を有効に使うと、
より快適に観光できます。
旅の終わりに
スリランカの世界遺産を巡ってみると、この小さな島に多彩な歴史と文化、
自然が残されていることに気づきます。
巨大な岩山の上に王宮が築かれたシーギリヤ。
今も多くの人々の信仰を集めるキャンディ。
石窟内に仏像と壁画が残るダンブッラ。
インド洋に面した城塞都市ゴール。
そして、草原と雲霧林が広がるホートン・プレインズ国立公園。
同じスリランカの世界遺産でありながら、それぞれの場所で目にする景色はまったく異なります。
今回訪れたのは、スリランカに登録されている8件の世界遺産のうち5件でした。
次に訪れる機会があれば、アヌラーダプラやポロンナルワ、
シンハラジャ森林保護区にも足を運び、この国の歴史と自然をさらに深くたどってみたいと思います。
スリランカは、世界遺産を巡ることで、この島が歩んできた長い歴史と多彩な魅力を感じられる国でした。
関連記事
スリランカ以外のアジア・オセアニアの世界遺産は、こちらの記事で紹介しています。



コメント