世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品 - 近代建築運動への顕著な貢献 」の日本にある国立西洋美術館本館を散策してみた。

東京の観光
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近代建築に多大な影響を及ぼしたモダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエ。
そんな彼の建築物が、日本で見ることができます。
今回、ご紹介する国立西洋美術館は、世界遺産にも登録されています。

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ル・コルビュジエの建築作品 - 近代建築運動への顕著な貢献

2016年 世界文化遺産に登録

20世紀の近代建築運動に多大な影響を及ぼした一人であるの作品群、ことにその中でも傑作とされる
住宅、工場、宗教建築などをまとめて世界遺産リストに登録した物件である。
世界各地に残るル・コルビュジエの建築作品のうち、フランスを中心とする7か国に残る建築群が対象となっており、
大陸を跨ぐ初の世界遺産登録となった。

  • 構成資産:7か国17物件
名称 所在地
ラ・ロッシュ-ジャンヌレ邸(Maisons La Roche et Jeanneret) フランス
レマン湖畔の小さな家(Petite villa au bord du lac Léman)  スイス
ペサックの集合住宅(Cité Frugès) フランス
ギエット邸(Maison Guiette)  ベルギー
ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅(Maisons de la Weissenhof-Siedlung)  ドイツ
サヴォア邸と庭師小屋(Villa Savoye et loge du jardiner)  フランス
イムーブル・クラルテ(Immeuble Clarté)  スイス
ポルト・モリトーの集合住宅(Immeuble locatif à la Porte Molitor)  フランス
マルセイユのユニテ・ダビタシオン(Unité d’habitation Marseille)  フランス
10 サン・ディエの工場(La Manufacture à Saint-Dié)  フランス
11 クルチェット邸(Maison du docteur Curutchet)  アルゼンチン
12 ロンシャンの礼拝堂(Chapelle Notre-Dame-du-Haut de Ronchamp)  フランス
13 カップ・マルタンの休暇小屋(Cabanon de Le Corbusier)  フランス
14 チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(Complexe du Capitole)  インド
15 ラ・トゥーレットの修道院(Couvent Sainte-Marie-de-la-Tourette)  フランス
16 国立西洋美術館(Musée National des Beaux-Arts de l’Occident)  日本
17 フィルミニの文化の家(Maison de la Culture de Firminy)  フランス

ル・コルビュジエとは?

モダニズム建築の巨匠といわれ、特にフランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に
近代建築の三大巨匠として位置づけられています。

彼の歴史上の功績は、今までの石やレンガを積み上げる建物が主流の中で、鉄筋コンクリートを利用し、
装飾のない平滑な壁面処理、伝統から切り離された合理性を信条とした「モダニズム建築」という
確信的な建築物を生み出したことです。

ル・コルビュジエはスラブ、柱、階段のみが建築の主要要素だとするドミノシステムを考案し、
彼は、建築の基準寸法システムである人体サイズを基準に置く「モデュロール」という独自の寸法体系を考案し、
現在では、当たり前の構造となっている「近代建築の五原則」である
ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面)を提案した人物です。

彼のもとには、日本から前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3名が師事し、帰国後、「日本の3大弟子」として
日本の近代建築に大きな功績を残しました。

メゾン・ドミノ 1914年~

鉄筋コンクリート製の柱と床板で建物の荷重を支え、階段で上下階をつなぐ単純な構造で作る考え方です。
石やレンガを積み上げて壁を建てることで、建物を支える旧来の建築とは違い、柱で床を支えることで外壁や間仕切り壁(内壁)を
取外しや移動が可能となり、自由な間取りをデザインすることができます。

近代建築の5原則 1926年~

ル・コルビュジェは、建築材料や建設方法などの技術的な側面と生活を豊かにする仕組みの両方を実現することを考え、
近代建築を成り立たせる要点を5つをまとめました。

  1. ピロティ
    柱で建物を持ち上げてできた空間で、人も風も自由に行き来できる空間です。
  2. 屋上庭園
    雪や雨を落とすために勾配屋根で覆われていた旧来の建物とは違い、鉄筋コンクリートによる水平の屋根に
    植物を植えることで、豊かな屋上空間を生み出しています。
  3. 自由な間取り(平面)
    柱で床を支えることで、間仕切り壁(内壁)は、取外しや移動が可能となり、自由な間取りやデザインすることができます。
  4. 横長の窓(水平に連続する窓)
    壁面の横幅いっぱいにあけられた窓からは、部屋の隅々まで均一な光を取り込むことができます。
  5. 自由な立面(ファサード)
    建物の荷重が柱で支えられたことで、外壁やパネルやガラスで自由にデザインすることができます。

モデュロール

ル・コルビュジェは、人間の身体に沿った建築を目指して、世界中で使うことができる尺度である「モデュロール」を考案しました。
男性の身長183㎝と、へそまでの高さ113㎝の比が、黄金比1.618:1になることと、113㎝の2倍で、この男性が手を伸ばした高さである
226㎝を基準として、赤と青の2種類の尺度を作り出しました。
このモデュロールの寸法を足したり、隣合わせて使うことで建築に統一感やリズムが生まれます。

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7

時間(常設展示)
  • 9:30~17:30(日曜~木曜日)
  • 9:30~20:00(金曜・土曜日)※入室は閉室の30分前まで
料金(常設展示)
  • 一般:500円
  • 大学生:250円
  • 高校生以下及び18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方及び付添者1名は無料
定休日
  • 月曜日
  • 月曜日が祝日又は祝日の振替休日となる場合は開館し、翌平日が休館
  • ※年末年始(12月28日〜1月1日)

その他、臨時に開館・休館することがあります。

公式URL 国立西洋美術館 (nmwa.go.jp)

こちらが、チケットです。
この絵は、美術館で見ることができます。

日本で登録されているのは、東京の上野にある「国立西洋美術館」。これは2階建ての建造物で、ル・コルビュジエの
無限成長建築」というコンセプトのもと、来館者は中心から渦巻状に展示物を眺めるということだけでなく、
拡張が必要となったら外側に建築物を継ぎ足すことが可能であるというのが最大の特徴です。

下記が、無限成長建築のコンセプトです。

ピロティ

ル・コルビュジェが提唱した「近代建築の5原則」と「無限成長美術館」に含まれる重要な要素です。

19世紀ホール

ル・コルビュジェが名付けたホールは、美術館の核となるよう建物の中心にあります。
吹き抜けの空間や2階や中3階と様々なところでつながった、複雑な空間が形成されています。

ル・コルビュジェが多くの建築作品で用いた斜路は、登に連れ段々と景色が変わっていきます。
柱の奥に見え隠れる絵画作品や見え方が変わる三角形の天井など空間の変化を楽しみながら移動することができます。
建物を支える柱と梁は、姫小松という型枠に流し込んで作られたため、木目が美しく浮き出ています。

2階展示室

19世紀ホールを取り囲むように配された展示室は、天井の高低や所々で途切れた壁の配置によって、多様な空間の広がりや変化
を楽しみながら回遊することができます。

建物ばかりでなく、本来の美術館としても見ごたえ十分なので、作品群を少しまとめてみました。

作品群

代表的な作家と私が印象に残った作品を紹介します。

クロード・モネ
船遊び 1887年

印象派の巨匠モネは、生涯にわたって戸外の光の表現を追求し、近代風景画に革新をもたらしました。
本作は、後にモネの妻となるアリス・オシュデの娘たちが川で舟遊びを楽しむ風景が描かれており、モネが
繰り返し手掛けた同主題の中でも特に完成度が高いものです。
小舟を半分に断ち切った大胆な構図は、日本の浮世絵から学んだものと言われています。
しかし、なによりもモネの関心は、画像全体を見渡す水面に映った、揺らめく光と影の色彩表現に注がれています。

パブロ・ピカソ
小さな丸帽子を被って座る女性(1942年)

本作は、ピカソの当時の愛人ドラ・マールの肖像で、ナチス占領下のパリで、1942年4月21日に描かれたとされています。
帽子をかぶってひじ掛け椅子に座る女性の胸像は、画家が彼女をモデルに繰り返し取り組んだ構図ですが、本作は、
その中でも完成度が高い1品です。ピカソ特有のデフォルメは、最小限に留められ、比較的調和のとれた正面観の頭部と
大きく描かれた両手が目をひきます。寒色を基調とした色彩や、ドラ・マールがこちらに向けるまっすぐな視線を
相まって、厳粛で力強い印象を与える作品です。

ぺーテル・パウル・ルーベンス
眠る二人の子ども(1612-13年)

ルーベンスは、17世紀フランドル(現ベルギー)美術を代表する大芸術家です。
本作のモデルは、画家の兄の二人の子どもたちであると考えれています。
おそらく大型油彩画のための習作として描かれたため、画家の素早い筆の選びや子供のほほの肉付けなど
が鮮やかに残されています。
透明色と不透明色との使い分け、明暗の色調や絵の具の厚みなどによって対象を見事に描出するルーベンス
の実写法がよく発揮された作品です。

イスラエルに旅行に行ってからキリストのシーンが描かれた絵画になんとなく目がいってしまいます。

建物だけでも素晴らしいですが、中の美術品も見ごたえ十分です。
ぜひ、足を運んでみてください。



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