ジョグジャカルタ・プランバナン寺院群|ロロ・ジョングラン寺院と周辺仏教寺院を巡る世界遺産

ジャワ島の観光
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ジョグジャカルタ観光では、巨大な尖塔が並ぶロロ・ジョングラン寺院が特に有名です。

ただ、実際にプランバナン周辺を歩いてみると、
この世界遺産の本当の魅力は中心寺院だけではありませんでした。

周囲には仏教寺院や小規模ヒンドゥー寺院が点在しており、
少し移動するだけで景色や空気感が大きく変わります。

巨大寺院の迫力だけでなく、9世紀ジャワ島でヒンドゥー教と仏教が共存していた宗教都市全体を歩けることこそ、
プランバナン寺院群最大の特徴だと感じました。

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プランバナン寺院群(Prambanan Temple Compounds)

1991年 ユネスコ世界文化遺産登録。

ジャワ島中部に位置する大規模宗教遺跡群で、
9世紀頃のヒンドゥー教・仏教文化を現在へ伝える世界遺産です。

中心となるのは、シヴァ神を祀る巨大ヒンドゥー寺院「ロロ・ジョングラン寺院」ですが、
周辺には仏教寺院群も数多く残されています。

巨大なヒンドゥー寺院と仏教寺院が数km圏内に共存しており、
古代ジャワ王朝時代の宗教文化の複雑さをかなり強く感じました。

現在修復・復元されているのは中心部のみですが、
それでも周辺には石造遺跡が点在しており、当時は巨大な宗教都市だったことが想像できます。

ロロ・ジョングラン寺院を中心に、セウ寺院、プラオサン寺院、カラサン寺院、ラトゥボコ遺跡などを含めて巡ることで、
この世界遺産の広がりがより見えやすくなります。

同時代には、仏教王朝シャイレンドラによって築かれたボロブドゥール寺院も造営されていました。

▶ボロブドゥール寺院
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/indonesia/jawa-sightseeing/borobudur/

プランバナンとボロブドゥールは、9世紀ジャワ文明黄金期を象徴する二大世界遺産として現在も並び称されています。

世界遺産に選ばれた背景

プランバナン寺院群が世界遺産に選ばれた理由は、
9世紀ジャワ島におけるヒンドゥー建築の最高峰のひとつと評価されていること、
そしてヒンドゥー教と仏教文化が近接して共存していた歴史を現在まで伝えているためです。

ロロ・ジョングラン寺院は、シヴァ神、ブラフマー神、ヴィシュヌ神を祀る巨大寺院群で、
ジャワ建築独特の高く伸びる尖塔構造が特徴となっています。

特に中央シヴァ堂は高さ約47mともいわれ、東南アジアでも有数の巨大ヒンドゥー建築として知られています。

さらに周辺には、セウ寺院、プラオサン寺院、カラサン寺院などの仏教寺院群も残されており、
単独寺院ではなく宗教都市全体として評価されています。

サンジャヤ王朝とシャイレンドラ王朝という異なる宗教背景を持つ王朝文化が、
建築や宗教空間にまで影響を与えている点も大きな特徴です。

巨大寺院だけではなく、周辺寺院を含めて歩くことで、古代ジャワ文明の奥深さが見えてくる世界遺産だと思います。

歴史背景

9世紀頃のジャワ島中部では、ヒンドゥー教系のサンジャヤ王朝と、
仏教系のシャイレンドラ王朝が勢力を持っていました。

現在のプランバナン周辺には、その両王朝が築いた寺院が混在しています。

数km圏内にヒンドゥー寺院と仏教寺院が並んでおり、宗教対立というより、
婚姻や政治関係を通じて文化が融合していた様子が感じられます。

その結果、この地域にはヒンドゥー寺院群と仏教寺院群が同時期に造営されるという、
東南アジアでも珍しい宗教景観が生まれました。

また、この地域はムラピ山の火山活動の影響を強く受けてきました。

火山灰に埋もれて発見された寺院も多く、長い年月の中で地中に消えていた遺跡も存在します。

現在見学できる寺院の中にも、比較的近年になって本格修復が進んだものがあり、
周辺を巡るほど「発掘され続けている宗教都市」という印象が強くなりました。

プランバナン寺院群の構成寺院

ロロ・ジョングラン寺院エリア

・ロロ・ジョングラン寺院・・ヒンドゥー教

プランバナン北側エリア

・ルンブン寺院・・仏教寺院
・ブーブラ寺院・・仏教寺院
・セウ寺院・・・仏教寺院
・プラオサン寺院・・仏教寺院複合体
・モランガン寺院・・ヒンドゥー教寺院

プランバナン寺院西側エリア

・カラサン寺院・・仏教寺院
・サリ寺院・・・仏教寺院
・クドゥラン寺院・・ヒンドゥー教寺院
・サンビサリ寺院・・ヒンドゥー教寺院
・ゲバン寺院・・ヒンドゥー教寺院
・キンプラン寺院・・ヒンドゥー教寺院

プランバナン寺院南側エリア

・サジワン寺院・・仏教寺院
・ラトゥボコ
・バニュニボ寺院・・仏教寺院
・バロン寺院・・ヒンドゥー教寺院
・イジョ寺院・・ヒンドゥー教寺院
・アバン寺院・・ヒンドゥー教寺院

ロロ・ジョングラン寺院 (Candi Loro Jonggrang)

住所:Jl. Raya Solo – Yogyakarta No.16, Kranggan, Bokoharjo, Kec. Prambanan, Kabupaten Sleman, Daerah Istimewa Yogyakarta 55571

時間 6:30–17:00
定休日 無休
時間 大人:25$ 子供:15$
共通チケット(推奨)

ボロブドゥール+プランバナン
外国人大人:USD 45

▶ ボロブドゥール詳細

https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/indonesia/jawa-sightseeing/borobudur/

下記がチケットです。

三大神殿と乗り物堂

三大神殿と乗り物堂が対配置される典型的ヒンドゥー宇宙観配置です。

役割 乗り物
シヴァ 破壊と再生 ナンディ(聖牛)
ブラフマ 創造 ハンサ
ヴィシュヌ 世界維持 ガルーダ

シヴァ堂(Candi Shiva)

寺院中央に位置する主堂で、内部にはシヴァ像やガネーシャ像が安置されています。
高さ約47mともいわれる巨大主塔で、プランバナン全体の象徴的存在です。

急階段を登って内部へ入る構造になっており、内部は外より少し薄暗く、静かな空気が流れていました。
実際に内部へ入ると、巨大な石造空間に包まれる感覚があり、外観以上に宗教施設としての重厚感を感じます。

ナンディ像(Candi Nandi)

シヴァ堂正面に配置される堂で、シヴァ神の乗り物である聖牛ナンディ像が安置されています。
巨大な牛像が静かに置かれており、ヒンドゥー寺院独特の宗教空間をかなり強く感じました。
シヴァ堂と向かい合う配置になっているため、寺院全体が明確な宗教思想のもと設計されていることもよく分かります。

ブラフマ堂(Candi Brahma)

シヴァ堂南側に位置する創造神ブラフマの祠です。
回廊にはラーマーヤナ物語のレリーフ続編が刻まれています。
巨大主堂群に比べるとやや小規模ですが、細かな彫刻装飾が非常に美しく、近距離で見るほど見応えがあります。

宇宙創造の神 ブラフマ

ラーマーヤナのレリーフ

シヴァ堂外壁には42面にわたるラーマーヤナ物語のレリーフが刻まれています。
さらにブラフマ堂へ続編が続いており、寺院全体でひとつの叙事詩を表現する構成になっています。

ヴィシュヌ神の化身ラーマ王子が、魔王ラーヴァナに誘拐された王妃シータを救う物語で、
インド文化がジャワへ強く影響していたことも感じられます。

ヴィシュヌ堂(Candi Vishnu)

シヴァ堂北側に位置する維持神ヴィシュヌの祠です。
現在は前房崩壊により一部傾斜も見られますが、それでも巨大石造建築としての存在感は十分残っています。

シヴァ堂・ブラフマ堂と並ぶことで、ヒンドゥー三大神の構成が非常に分かりやすくなっています。

ガルーダ堂(Candi Garuda)

ヴィシュヌ堂正面に位置する堂で、聖なる鳥ガルーダを祀っています。
ガルーダは現在のインドネシア国章にも使われており、現代インドネシア文化とも繋がる存在です。

巨大寺院群の中では比較的小規模ですが、ヒンドゥー宇宙観を完成させる重要な構成要素になっています。

プランバナン寺院群の動画

プランバナン寺院群の風景を動画でまとめてみました。
よろしければご覧ください。

プランバナンの全体景観は動画でも確認できます。

北部仏教寺院

ルンブン寺院 (Candi Lumbung)

住所:Candi, Nngangrukbaru, Tlogo, Kec. Prambanan, Kabupaten Sleman, Daerah Istimewa Yogyakarta 57454 インドネシア

「米蔵」を意味する仏教寺院です。
中央主堂と16基の小祠堂で構成されており、セウ寺院より小規模ながら整然とした配置が特徴となっています。

巨大なロロ・ジョングラン寺院とは異なり、比較的落ち着いた空気が流れており、
石造遺跡を近い距離で見学しやすい場所でした。

観光客も比較的少なく、巨大宗教都市の一角に静かに残る仏教寺院という印象が強く残りました。

華やかな巨大寺院群だけではなく、こうした中規模寺院を歩くことで、
9世紀ジャワ宗教都市の日常的景観も少し想像しやすくなります。

ブーブラ寺院 (Candi Bubrah)

住所:Taman Martani , Kalasan , Sleman , Daerah Istimewa Yogyakart, Klurakbaru, Tlogo, Prambanan, Klaten Regency, Central Java 57454 インドネシア

名称の「Bubrah」は「崩れた」を意味するとされる仏教寺院です。
現在も修復作業が続いている遺跡で、整備途中の石材なども見られます。

完成状態の巨大寺院とは異なり、「遺跡を保存し続けている現場感」がかなり残っていました。

華やかな主遺跡とは違う雰囲気ですが、こうした場所を歩くことで、
プランバナン寺院群が現在も修復され続ける巨大遺産群であることを実感できます。

セウ寺院 (Candi Sewu)

住所:Jl. Raya Solo – Yogyakarta No.KM.16, Bugisan, Kec. Prambanan, Kabupaten Sleman, Daerah Istimewa Yogyakarta, インドネシア

史跡公園北端に位置する巨大仏教寺院群です。
名称は「千の寺院」を意味します。

かつては約240基の小祠堂を伴う大伽藍だったと考えられており、
広い敷地に石造祠堂が並ぶ景観はかなり壮観でした。

プランバナン主遺跡とは対照的に仏教色が非常に濃く、
巨大ヒンドゥー寺院とは空気感が大きく異なります。

主堂入口には守護神クベラ像が並んでおり、
歩いているとどこかアンコールワットやアユタヤ遺跡を彷彿させる空気感もありました。

巨大ヒンドゥー寺院ロロ・ジョングランと、巨大仏教寺院セウを同じエリア内で比較して歩けることは、
プランバナン寺院群最大の魅力のひとつだと思います。

見学所要時間

プランバナン見学に必要な目安時間は次の通りです。

ロロ・ジョングラン中心:60–90分
セウ寺院含む北部:2–3時間

広大で日陰が少ないため水分携帯必須です。

アクセス

最寄り空港はジョグジャカルタ国際空港(YIA)です。

空港からプランバナン周辺までは車で約1時間30分前後。

ジョグジャカルタ中心部からは約40〜60分ほどで到着します。

主な移動手段はGrab、GoJek、チャーターカーになります。

寺院群は広範囲に点在しているため、
ロロ・ジョングラン寺院だけでなく周辺寺院も巡る場合は、
半日〜1日単位で車を利用した方が効率的でした。

ボロブドゥール寺院とセットになった現地ツアーも多く、
初めてのジャワ島旅行ではかなり利用しやすいと思います。

また、ロロ・ジョングラン寺院だけでなく、
周辺に残る仏教寺院やヒンドゥー教寺院まで巡ることで、
プランバナン寺院群の魅力はさらに深く感じられます。

巨大寺院だけでは見えてこない古代ジャワ王朝時代の宗教文化や、
ヒンドゥー教と仏教が共存していた歴史的背景もかなり伝わってきました。

プラオサン寺院、カラサン寺院、セウ寺院など、
プランバナン周辺寺院群の見どころについては、こちらで詳しく紹介しています。

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ジャワ島以外にも東南アジアには魅力的な宗教遺跡が数多く残されています。
こちらの一覧ページも参考になると思います。

▶ アジア・オセアニア世界遺産一覧
https://weekend-abroad-travelers.com/world-heritage/world-heritage-sites-in-asia-and-oceania/asia-oceania/

周辺寺院を含めて効率よく訪問したい場合はツアー利用が便利です。

▶日帰りツアー : ジョグジャカルタ発ボロブドゥール寺院とプランバナン寺院ツアー
▶多言語ガイド付きジョグジャカルタ隠れた寺院1日ツアー | インドネシア

プランバナン寺院群は、
ヒンドゥーと仏教が共存した9世紀ジャワ宗教都市の象徴です。

巨大なシヴァ神殿群と仏教寺院セウ。
そして周囲に広がる多数の寺院遺構。

ここには宗教対立ではなく共存が生んだ文明景観が残されています。

石の塔の間を歩くと、9世紀のジャワに触れている感覚が生まれます。



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