北京観光の中でも、ひと目でスケールの大きさを実感できる場所が万里の長城です。
東は河北省山海関から、西は甘粛省嘉峪関に至る大城壁で、総延長は約21,000kmにも及ぶとされています。
世界一長い建造物として知られ、中国観光を代表する歴史遺産のひとつです。
実際に現地へ行くと、山の稜線に沿って続く城壁の迫力に圧倒されます。
北京周辺には、天壇、故宮、明・清朝の皇家陵墓、頤和園、周口店の北京原人遺跡、京杭大運河など、
多くの世界遺産があります。
その中でも万里の長城は、やはり特別な存在です。
歴史の長さも、建造物としての規模も、実際に歩いたときの印象も、どれを取っても中国を代表する遺産だと感じます。
北京へ行ったら一度は見ておきたい、そんな場所です。
ちなみに、万里の長城は「宇宙から唯一肉眼で見える建造物」と言われたことがありました。
ただ、現在ではこの説は支持されておらず、
2004年に宇宙飛行士リロイ・チャオが国際宇宙ステーションから撮影に成功した一方で、肉眼では見えなかったと証言しています。
それでも世界的な知名度は非常に高く、中国の歴史とスケールを体感できる特別な場所であることに変わりはありません。
北京旅行の中でも、特に印象に残りやすい世界遺産です。
▶アジア・オセアニアの世界遺産一覧

世界遺産としての万里の長城
その価値は、長大な城壁そのものだけでなく、
関所、烽火台、敵台などを含む巨大な防衛システムにあります。
広大な地形と一体化した軍事建築として、中国の統治と防衛の歴史を今に伝えています。
長城の歴史は古く、春秋戦国時代にはすでに各地で防御壁が築かれていました。
その後、紀元前221年に中国を統一した秦の始皇帝が、
秦や趙などが築いた北部の長城を修築・連結したことが原型になったとされています。
さらに漢代以降も拡張や修復が重ねられ、現在よく見られる長城の多くは明代に築かれたものです。
北京周辺の八達嶺、慕田峪、司馬台、金山嶺も、その代表的な区間として知られています。
また、万里の長城は新世界の7不思議のひとつとしても知られています。
世界遺産とは別の枠組みですが、世界的な象徴性の大きさを示す話題として紹介されることが多いです。
中国の世界遺産のシンボルとも言える存在で、北京観光でも特に人気があります。
詳細は下記の記事でもまとめられています。
▶世界の7不思議についてはこちら

万里の長城(Great wall of china)
住所:中国 北京市 懐柔区
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間 | 区間により異なりますが、八達嶺はおおむね 7:30~16:30~17:00 前後で運営されることが多いです。季節により変動があります。 |
| 定休日 | 無休が基本ですが、天候や保守点検により一時的に変更される場合があります。 |
| 料金 | 八達嶺は大人40元前後が目安です。ロープウェイ、ケーブルカー、スライダーは別料金です。 |
万里の長城の歴史は、大変古く、北方の異民族など外敵の侵入に備えて、
烽火台や防御壁が各地に築かれたことに始まります。
その後、紀元前221年に中国を統一した秦の始皇帝は、北方の遊牧民族匈奴に対する防衛を強固にするために、
秦や趙などが築いた北部の長城を修築連結し、西は現在の甘粛省東部に至る長城を完成させたとされています。
ちなみにこの時は、約30万の軍兵と数百万の農民を動員して大がかりな補修や増築工事が行われ、
1本の長城につなぎ合わせたとも伝えられています。
これが長城の原型となり、中国統一国家の成立を象徴する巨大事業として語られるようになりました。
その後は漢の武帝によってさらに西方へ拡張され、北魏、北斉、北周など歴代の王朝によって修復が行われました。
そして、現存する長城のほとんどは明の時代に築かれたもので、秦の時代の遺構は現在の観光区間にはほとんど残っていません。
明代長城の特徴は、石材とレンガを組み合わせた堅牢な構造にあり、山の尾根や急斜面に沿って築かれている点にあります。
実際に歩くと、軍事建築としての機能性と、山岳景観に溶け込む美しさの両方を同時に感じられます。

北京からは八達嶺、慕田峪、司馬台、金山嶺などの長城へ日帰りで行くことが可能です。
その中でも最も行きやすいのが八達嶺で、日本の旅行雑誌などでは全長約3.7kmの男坂、女坂と呼ばれるコースが人気です。
男坂は険しく急で、南側に向かって登ると傾斜の強さを実感しやすく、女坂は比較的なだらかで歩きやすいとされています。
中国では必ずしもこの呼び方が一般的ではありませんが、日本人旅行者には分かりやすい目安としてよく使われています。
- 八達嶺男坂・・傾斜が急で、南四楼を目指します。
- 八達嶺女坂・・初心者向きで、北六楼を目指します。
最大傾斜はかなり急に感じる場所もあり、徒歩で登ると体力を使う箇所が少なくありません。
往復すると所要時間は約2時間が目安で、しっかり散策するなら余裕を持ったスケジュールにしておくと安心です。
八達嶺では、北側の楼台群へ向かうルートにロープウェイやケーブルカーを利用できる場合もあり、
体力に応じて観光方法を選べます。
このエリアの長城はすべて明代のもので、保存状態が比較的よく、初めて長城を見る方にも魅力が伝わりやすい区間です。


道幅は五頭の馬が並んで進める広さとも言われ、城壁の高さは平均7.8m前後、頂部の幅は約4.5mとされます。
要所要所には2層から3層の望楼を持つ関城や、武器や弾薬の保管も兼ねた見張り所である敵台、
さらに狼煙を上げて情報を伝える狼煙台も設置されていたそうです。
こうした構造を見ると、長城が単なる境界線ではなく、
監視、通信、防衛を一体化した高度な軍事システムだったことが分かります。
現地では石段の角度、楼台の配置、壁面の厚みなどを見ながら歩くと、より立体的にその価値を感じられます。



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