アンコール王朝最初の王都ロリュオス遺跡群 クメール建築の原点を歩く

シェムリアップの観光
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アンコール王朝最初の王都に残る、クメール建築の原点を歩く

シュムリアップ市街地から南東へ約13km。
現在は静かな農村地帯に囲まれたこの地こそ、アンコール王朝がアンコール地域へ遷都する以前、
最初の王都が置かれていた「ロリュオス(Roluos)」です。

時代は8世紀末。
西暦790年頃、アンコール王朝の始祖とされるジャヤヴァルマン2世によって王都が築かれました。

このロリュオス周辺には、
アンコール王朝最古級の寺院である

  • ロレイ
  • プリア・コー
  • バコン

を中心とした遺跡群が残されており、
後のアンコール・ワットやアンコール・トムへと発展していく
クメール建築の原点を見ることができます。

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アンコール遺跡 (Angkor)

1992年/2004年 ユネスコ文化遺産に登録

カンボジアの北西部、トンレサップ湖北岸のシェムリアップの北側に位置するクメール王朝時代の遺跡群である。
1992年にユネスコの世界危機遺産に登録されました。
その後、遺跡保護と修復が進められ、2004年には正式にユネスコ世界文化遺産として登録されています。

アンコール遺跡の対象となるものは下記になります。
※太字は、私が訪問した場所です。

【メインエリア】
  • アンコール・トム:仏教寺院
  • バイヨン:仏教寺院
  • 象のテラス:仏教寺院
  • ライ王のテラス:仏教寺院
  • ピミアナカス:ヒンドゥー教寺院
  • プラサット・スゥル・プラット:仏教寺院
  • クリアン:ヒンドゥー教寺院
  • バプーオン:ヒンドゥー教寺院(15世紀以降は仏教寺院)
  • プリア・パリライ:仏教寺院
  • プリア・ピトゥ:ヒンドゥー教寺院
  • アンコール・ワット:ヒンドゥー教寺院
  • プノン・バケン:ヒンドゥー教寺院
  • プラサット・バイ:ヒンドゥー教寺院
  • バクセイ・チャムクロン:ヒンドゥー教寺院
  • トマノン:ヒンドゥー教寺院
  • チャウ・サイ・テヴォーダ:ヒンドゥー教寺院

▶︎ アンコール・トム完全ガイド
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/angkor-thom/

▶︎ アンコール・ワット完全ガイド
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/angkor-wat/

▶︎ バプーオン寺院の詳細はこちら
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/baphuon/

【東部エリア】
  • プレ・ループ:ヒンドゥー教寺院
  • タ・ケウ:ヒンドゥー教寺院
  • バンテアイ・サムレ:ヒンドゥー教寺院
  • タ・プローム:仏教寺院
  • スラ・スラン:仏教寺院
  • バンテアイ・クデイ:仏教寺院
  • タ・ネイ:仏教寺院
  • 東バライ
  • 東メボン:ヒンドゥー教寺院
  • プラサット・クラヴァン:ヒンドゥー教寺院
【北東部エリア】
  • クオル・コー:仏教寺院
  • ニャック・ポアン:仏教寺院
  • タ・ソム:仏教寺院
【北東部郊外エリア】
  • バンテアイ・スレイ:ヒンドゥー教寺院
  • プノン・クーレン
  • クバール・スピアン:ヒンドゥー教寺院
  • ベンメリア:ヒンドゥー教寺院

▶︎ バンテアイ・スレイ寺院|東洋のモナリザ
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/banteay-srei/

▶︎ ベンメリア遺跡|ラピュタのモデルとされる密林遺跡
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/beng-melea/

【北部エリア】
  • プリヤ・カーン:仏教寺院

▶︎ プリヤ・カーン寺院|巨大僧院としての役割と見どころ
https://weekend-abroad-travelers.com/asia-oceania/cambodia/siem-reap-sightseening/preah-khan/

【西部エリア】
  • 西バライ
  • 西メボン:ヒンドゥー教寺院
  • アック・ヨム:ヒンドゥー教寺院
【南部郊外エリア】
  • ワット・アトヴィア:ヒンドゥー教寺院
  • プノン・クロム:ヒンドゥー教寺院
【南東部郊外エリア(ロリュオス遺跡群)】
  • プリア・コー:ヒンドゥー教寺院
  • バコン:ヒンドゥー教寺院
  • ロレイ:ヒンドゥー教寺院
  • スピアン・プラプトス

ロレイ (lolei)

住所:Angkor Archaeological Park, Krong Siem Reap 17000 カンボジア

基本情報

時間 7:00~17:30
定休日 無休

*遺跡観光には、アンコール・パス(共通チケット)の携帯が必須になります。
詳しくは、下記を参照してみてください。

【2025年最新】アンコールパスのオンライン購入方法|料金・種類・使い方を初心者向けに完全解説
カンボジア・シェムリアップ観光の最大の目的といえば、世界遺産 アンコール・ワット をはじめとする壮大なアンコール遺跡群。この遺跡群に入場するためには、「アンコールパス(Angkor Pass)」の購入が必須 となっています。かつて(2020...

ロレイ寺院は、もともと大貯水池(バライ)の中央に浮かぶ小島の上に建てられていました。
現在は貯水池が干上がり、陸続きとなっています。

この貯水池は、灌漑事業に力を注いだ
インドラヴァルマン1世によって建設され、
農業生産を大きく向上させた国家プロジェクトでした。

ロレイ寺院は、その息子である
ヤショーヴァルマン1世が893年に建立し、
父王や祖先を祀るための寺院とされています。

このロレイ建立をもって、
王都はロリュオスからアンコールへと遷都しました。

祠堂前に立つ金剛力士像は非常に迫力があり、
また、柔らかな表情を浮かべるデバター(女神像)の彫刻も見どころです。

そして、ほほ笑みを浮かべるデバター。

一方で、境内の一角には
近代に建てられた上座部仏教寺院もあり、
鮮やかな彩色が古代遺跡との強烈なコントラストを生んでいます。

この鮮やかな彩りは、かなりミスマッチ感が否めないです。(笑)

プリア・コー (Preah Ko)

住所:Angkor Archaeological Park, Krong Siem Reap 17000 カンボジア

入場時間 7:30~17:30
定休日 無休

プリア・コーは、アンコール遺跡群の中で最古の寺院とされています。

「プリア・コー」とはクメール語で
「聖なる牛」を意味し、寺院に祀られていた聖牛ナンディンに由来します。

中央の伽藍にはジャヤヴァルマン2世、
両脇の伽藍にはその祖先が祀られていました。

正面からは3基の祠堂に見えますが、
実際には6基の祠堂が並ぶ構成となっています。

その前に鎮座する3体のナンディン像は、
シヴァ神の乗り物であり、この寺院の本来の名称が
バラメシュヴァラ(=シヴァ神)であったことを物語っています。

壁面のレリーフからは、
かつてレンガの上に白い漆喰が塗られていたことが分かり、
時間の神カーラの漆喰装飾が今も美しく残っています。

彫刻がとても綺麗な祠堂。

バコン (Bakong)

住所:Angkor Archaeological Park, Krong Siem Reap 17000 カンボジア

入場時間 7:30~17:30
定休日 無休

バコンは、インドラヴァルマン1世が
881年にヒンドゥー教の神々へ奉献した寺院です。

カンボジア初のピラミッド型寺院として知られ、
5層の基壇はヒンドゥー教世界観における宇宙の中心「須弥山」を象徴しています。

参道の両脇にはナーガ像が並び、楼門越しに中央祠堂を眺める構図は、
まるで額縁に収められた絵画のようです。

ピラミッド型の基壇には、各層に意味があります。

  • 第五層・・神の世界
  • 第四層・・羅刹(鬼)の世界
  • 第三層・・夜叉(悪神)の世界
  • 第二層・・ガルーダの世界
  • 第一層(最下層)・・ナーガの世界

第一基壇に接続する楼門が建っており、そこから中央祠堂を眺めると額縁にはめ込まれた絵のように見えます。

中央のピラミッド型の祠堂の周りには、レンガでできた8つの祠堂が配置されています。

中央祠堂から眺めた風景。

最上層の壁面には、
かつて精緻なレリーフが彫られていましたが、現在は神と阿修羅の戦いを描いた一部のみが残されています。

中央祠堂の各層にナンディン像が並んでいます。

ロリュオス遺跡群は、
壮麗なアンコール・ワットの陰に隠れがちですが、
ここにはアンコール王朝が生まれ、育ち、次の時代へ踏み出していく原点が静かに残されています。

レンガ造りの素朴な祠堂、
須弥山を象徴するバコンのピラミッド、
祖先や神々への信仰が色濃く反映されたプリア・コーやロレイ。
それら一つひとつが、後の巨大石造寺院へとつながる
クメール建築の「はじまり」を語りかけてきます。

アンコール・ワットやアンコール・トムを訪れる前、
あるいは訪れた後にロリュオスを歩いてみると、
アンコール遺跡群の壮大さが、より立体的に、より深く感じられるはずです。

静かな時間が流れるこの地で、
アンコール王朝の黎明期に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。



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