オリーブ山は、海抜800mほどで、観光名所までの道のりは、かなりの急坂で、
エルサレム旧市街より数十メートル高くなっています。
オリーブ山の名称は、古くからオリーブ畑になっていたため、この名で呼ばれています。
またこのエリアは、旧約聖書で、最後の審判の日に神が立ち、死者がよみがえる場所とされているため、
墓地が作られるようになり新約聖書にも数回言及されています。
イエスが最後のエルサレム滞在中に夜を過ごし弟子たちに説教を行った場所とされ、またルカ福音書では
捕えられる前に最後の祈りを捧げた場所とされています。
聖母マリア墳墓教会(The Church of the Sepuluchre of Mary)
住所:
時間 | 夏期:5:00~12:00 14:30~17:30 冬期:6:00~12:00 14:30~17:30 |
定休日 | 無休 |
料金 | 無料 |
4世紀にデオドシウス1世により建てられ、十字軍時代に改築された教会。
マリアの墓は、地下の礼拝堂にあり、周囲は、イコンやランプなど飾られ、墓石に開いた3個の穴から墓の
内側に触れることができます。
地下におりていく途中には、マリアの両親ヨアヒムとアンナ、夫のヨセフの墓もあります。
入口から墓のある霊廟まで47段の階段があります。
こちらが、岩を削り作られた聖母マリアの墓です。(地下聖堂の東部後陣)
聖母マリアの遺体の上にある石のベンチは展示されており、現在はガラス越しに見ることが可能です。
万国民の教会(Church of All Nations)
住所:גת שמנים, Jerusalem
時間 | 夏期:8:00~18:00 冬期:8:00~17:00 |
定休日 | 無休 |
料金 | 無料 |
イエスが最後の夜を、苦悶しつつ祈って過ごしたゲッセマネにある教会。
4世紀に建てられた当時のバジリカの形を残し、1919年、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、イングランド、
フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、スペイン、アメリカ合衆国の12か国からの献金により再建されました。
祭壇の前に、イエスがそこで祈ったという岩の一部が置かれています。
内部の「苦悶のキリスト」「ユダの接吻」「イエスの逮捕」などのモザイクは、ビザンツ様式で描かれています。
12人の寄付国のシンボルが教会の屋根に描かれています
「ユダの接吻」の壁画です。
「イエスの逮捕」の壁画です。
ゲッセマネの園(Garden of Gethsemane)
住所:
時間 | 夏期:8:00~18:00 冬期:8:00~17:00 |
定休日 | 無休 |
料金 | 無料 |
オリーブ山の麓にあるイエスゆかりの庭園で、ゲッセマネとは、ヘブライ語で油搾りを意味しています。
かつて、このあたりは、一面オリーブ畑で、オリーブの精製が盛んに行われていた。
ここは、イエスが、祈りのために、頻繁に訪れていた場所で、ルカの福音書第22章では、弟子たちとの最後の晩餐を終えたイエスが
このゲッセマネの園に入る描写が描かれています。
ルカの福音第22章
- さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。
- 祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えていた。彼らは民衆を恐れていたのである。
- しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。
- ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。
- 彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。
- ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。
- 過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。
- イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。
- 二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、
- イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、
- 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』
- すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」
- 二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。
- 時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。
- イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。
- 言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」
- そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。
- 言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」
- それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」
- 食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。
- しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。
- 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」
- そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。
- また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。
- そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。
- しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。
- 食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。
- あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。
- だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。
- あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」
「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。 しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。 イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」財布と袋と剣 それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、 イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。 言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」 そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。 イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。 いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさい」と言われた。 そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。 「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」 すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。 イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。〕 イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに戻って御覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。 イエスは言われた。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」裏切られる イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。 イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。 イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。 そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。 そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。 それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。
「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。 わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」イエス、逮捕されるペトロ、イエスを知らないと言う 人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。 人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした。 するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。 しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。- 少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。
- 一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。
- だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。
- 主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。
- そして外に出て、激しく泣いた。暴行を受ける
- さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。
- そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。
- そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。最高法院で裁判を受ける
- 夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、
- 「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。
- わたしが尋ねても、決して答えないだろう。
- しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」
- そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。
「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」- 人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々は本人の口から聞いたのだ」と言った。
福音書ではイエスと弟子たちが最後の晩餐のあとに祈りを捧げ、またイエスがイスカリオテのユダに裏切られ捕えられた場所とされ、
正教会では、生神女マリヤ(聖母マリア)が埋葬された場所とされています。
現在の庭園に残る8本のオリーブの木は、はるか昔から受け継がれたものです。
オリーブ山は、エリア的にはそこまで広くはないのですが、とにかく坂道が急で、炎天下の中、私は、歩いたので
非常に大変でした。
たた、上からは、神殿の丘を見下ろすことができるなど眺めは素晴らしいです。
歩いていくことはあまりお勧めできませんので、出来ればタクシーなどを利用して観光することをお勧めします。
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