世界遺産「エルサレム旧市街と城壁」の神殿の丘を散策してみた。

エルサレムの観光
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世界遺産「エルサレム旧市街と城壁」のメイン観光地である神殿の丘は、エルサレム旧市街にある、
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地であり、歴史的に大変難しい経験をしたエリアになります。
現在は、礼拝が許されているのはムスリム(イスラム教徒)だけで、他の宗教の信者は訪問のみが認められています。
観光の場合は、入場の日時の制限がかなりあるためあらかじめ準備をしていくことをお勧めします。

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エルサレム旧市街と城壁(Old City of Jerusalem and its Walls)

1981年 世界文化遺産に登録。(1981年の第1回臨時世界遺産委員会で世界遺産登録が決定)

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という3つの宗教の聖都であり
紀元前1000年頃、古代イスラエル王国の第二代王ダビデが、エルサレムを首都と定めました。
息子のソロモン王は、ここに宮殿や神殿を建設し、栄華を極めたが、ソロモン王の死後、王国は
弱体化し、様々な権力者の支配を受け、破壊、再生を繰り返してきた。
ほぼ1㎞四方の旧市街は、16世紀のオスマン帝国時代に築かれた城壁で囲まれており、現在は
キリスト教徒区、アルメニア人地区、ユダヤ教徒地区の4つに大きく分かれており、決して
広くない街の中に、歴史的な宗教的な220の建築物が世界遺産に登録されています。

下は、エルサレム旧市街の地図です。

神殿の丘(Temple Mount/Haram Sherif)

住所:

時間 夏季:8:30~11:30 13:30~14:30
冬期:7:30~10:30 12:30~13:30
定休日 金曜日・土曜日・日曜日 ラマダン期間の午後
料金 無料
注意点 ショートパンツ・ノースリーブ不可・大きな荷物持込不可。入場時にパスポートや身分証明書の提示の
可能性あり。ムスリム以外は、モロッコ門より入場不可。
ユダヤ教の聖地である理由

神殿の丘は、旧市街の南東にある嘆きの壁を越えた東側の高台にあります。
岩のドームがある場所をアブラハムがわが子のイサクを捧げたモリヤの丘だとしています。

また、内部の岩は、世界が創造された際の「基礎石」と言われ、エルサレム中心、ひいては、世界の中心であるとしています。
古くは、ソロモンの神殿があった場所とされ、ダビデが神の契約の箱を置いた場所とも言われています。

現在残っている神殿の部分は、ヘロデ王より紀元前20年に建てられたもので、2000年前のイエスも頻繁に訪れた場所です。

キリスト教の聖地である理由

新約聖書によれば、イエス・キリストが十字架で絶命した時に、神殿の至聖殿の幕が真っ二つに切り裂かれたとう伝承があります。
また、イエスが少年時代に神殿の学者たちと神について語った逸話や神殿の境内で売り買いをしている商人を追い出したなども
記されています。

イスラムの聖地である理由

691年、ウマイヤ朝のカリフ(イスラム最高指導者)アブドゥル・マリクによってイスラム寺院が建立されてから
この地が、メッカやメディナに続くイスラム三大聖地になりました。


モロッコ門(Moroccan’sGate)

12世紀にこのあたりに移住してきたモロッコ系住民にちなんでいます。
ムスリム以外の観光客は、ここから神殿の丘にはいります。
なお、場所は、嘆きの壁の南側にある保安検査場の横にあります。

嘆きの壁の上を通って入場します。

アル・アクサー寺院 (Al-Aqsa Mosque)

アル・マスジド・アル・アクサーとは、コーランでは、「遥かなる礼拝堂」という言葉で、ムハンマドが神とともに
夜空を旅行した地が、アル・アクサー=エルサレムだと、ムスリムには解釈されています。
岩のドームを建てたカリフ、アブドゥル・マリクの息子ワリード1世が715年に建立した建物で、その後の地震などによる
崩壊とともに修復を繰り返して今日に至ります。

創建当時のものは、ドームの東側にあるいくつかの柱のみで、現在の形になったのは1066年と言われています。
西のドームは、「白い寺院」と呼ばれて、十字軍時代の建物で、1099年から王宮となり、ソロモンの神殿と呼ばれた。
現在は、ムスリム以外立入禁止

水場(Al-Kas Founfain)

礼拝前にムスリムが体を清める沐浴場。

岩のドーム (Dome of the Rock)

エルサレムのシンボルともなっている岩のドームは、預言者ムハンマドが天使を従え、天馬に乗って昇天したと
いわれている聖岩を抱え込むように建っています。

内部の露出した岩の上部には、ムハンマドの足跡や大天使ガブリエルの手の跡といわれているものが残っています。
岩の下の洞窟は、ムハンマドなどの聖人が祈りをささげた場所と言われ、
ムスリムは、「魂の井戸」と呼び、最後の審判の日が訪れた時に、すべての魂がここに集まるとしています。

ドームの内部にある礼拝堂は、683年にアラブ軍がエルサレムを征服した記念に、691年に建てられました。
幾度かの改修により、1522年には、オスマン朝のスュレイマン大帝により、ペルシアで焼かれたブルーの
タイルが加えられ1964年には、ドームが金メッキのアルミ板になりました。

現在、ムスリム以外は、入場禁止。

平面は2つの正方形を45度ずらして形成された八角形で、中央円形の内陣を二重の歩廊が取り囲む形式となっており、
メッカのカアバを意識したことが指摘されています。

ちなみに、カアバでは、巡礼者は時計の針とは逆回りに、神殿を7回巡回するようになっており、
それにならって巡回できるように、岩のドームは聖なる岩を覆う円形のドームを中心とする造りで、
内部に聖なる岩の周りを巡回するための周歩廊をもつ二重構造になっています。

何度も修復されているもののイスラーム世界最古の建造物であり、8角形のプランを持ち一辺の長さは20m、
ドームの高さは35mもあります。

外壁面は、窓の下まで有色大理石の幾何学的文様で装飾されており、その上は青を基調としたタイルで装飾されています。
そのタイルはエルサレムが1516年にオスマン朝の支配下になり、スレイマン一世によって1561年から1562年の間に行われた
修理で張り付けられたトルコ製のタイルです。

中には入れません。残念。

オリーブ山から眺めた神殿の丘

前部で、丘の上には、5つの門があり、そこから黄金門・赦免門・暗闇門・鉄門・鎖門へ出ることができます。

3つの宗教が集まる聖なる場所・エルサレムの神殿の丘。
警備も厳重で入れる日時も限られており、ムスリム以外は、なかなか入りずらい場所です。
ただ、聖なる地なので、静かに厳かな気分で見学しましょう。



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