地図で見ると、ベトナムは日本から遠い国に見えます。
しかし実際に訪れてみると、この国には東南アジアの歴史を象徴する古代都市が今も残っています。
そのひとつが、ハノイから南へ約100kmの位置にあるニンビン省です。
10~11世紀にかけて、この地にベトナム最初期の王朝の都が置かれました。
周辺には石灰岩の奇岩が連なるカルスト地形が広がり、
現在は世界遺産チャンアンの景観として保護されています。
自然景観と歴史遺跡が共存するこの地域は、ベトナムでも特に印象的な場所のひとつです。
▶アジア・オセアニアの世界遺産一覧

ニンビンでは、陸のハロン湾と呼ばれるタムコックやチャンアンが有名ですが、歴史的な中心地が古都ホアルーです。
10世紀、ベトナム最初の独立王朝が築かれた場所として知られています。
静かな山々に囲まれた谷の中に、王朝の歴史を伝える寺院や祠が残されています。
- チャンアンの景観関連遺産
- 古都ホアルー(Hoa Lu Ancient Capital)
- 東門(East Gate)
- ディン・ティエン・ホアン祠(Dinh Tien Hoang)
- 午門(Meridian Gate)
- 龍床(Dragon Bed)
- 外後幕(Outer Altar Curtain)
- 内後幕(Inner Altar Curtain)
- 龍床(Dragon Bed)
- ディン・ティエン・ホアン王の寺院(Temple of the Dinh Tien Hoang King)
- 展示室(Exhibition House)
- 聖なる家(The Dinh King’s Parents Worshiping Place)
- 石碑堂(Stela House)
- レ・ダイ・ハン祠(Le Dai Hanh)
チャンアンの景観関連遺産
チャンアンの景観関連遺産(Trang An Landscape Complex)は、
ベトナム北部ニンビン省に広がる自然と歴史遺産を含む世界遺産です。
2014年、ユネスコ世界複合遺産に登録されました。
東南アジアで初めて登録された複合遺産としても知られています。
チャンアンやタムコックの景勝地のほか、古都ホアルーなどを含む広い地域が登録範囲となっています。
エリア一帯は石灰岩のカルスト地形で、水田が広がる湿地帯に奇岩が林立する独特の景観が広がっています。
川と洞窟、岩山が連なる風景は、水墨画のような美しさと表現されることも多い場所です。
▶チャンアン観光の詳細

古都ホアルー(Hoa Lu Ancient Capital)
| 時間 | 夏季:6:00~18:30 冬季:6:30~18:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 料金 | 20,000ドン(約120円) |
古都ホアルーは、968年にディン朝が建都してから1010年にタンロンへ遷都されるまで、
およそ40年間にわたり都が置かれていた場所です。
10世紀半ば、天下統一を巡って各地の豪族が争うなか、
地元出身のディン・ボー・リンが北部ベトナムを統一しました。
彼は国号をダイコーヴィエットと定め、ベトナム最初の独立王朝を築きます。
古都ホアルーの中心地は、市街地から北西へ約2kmの場所にあり、
現在はディン・ティエン・ホアン祠とレ・ダイ・ハン祠が建てられています。
いずれも17世紀に再建された建物で、現在は国家文化財として保護されています。
東門(East Gate)
東門は古都ホアルーのメインとなる門です。
この門をくぐると、遺跡の中心エリアへ入っていきます。

門の近くにはホアルーの歴史を紹介する看板が設置されており、遺跡の概要を知ることができます。
ツアーで訪れる場合、この場所でガイドが全体の歴史や遺跡の構造について説明することが多い場所でもあります。

周辺には遺跡の全体配置図も設置されています。
地図を見ると、川を挟んで遺跡群が分かれていることが分かります。
古都ホアルーは広大な城郭都市だったと考えられており、周囲を山に囲まれた天然の要塞のような地形が特徴です。

ディン・ティエン・ホアン祠(Dinh Tien Hoang)
住所:7WM5+P8H, Trường Yên, Hoa Lư, Ninh Bình, ベトナム
ディン・ティエン・ホアン祠は、ベトナム最初の王朝を築いたディン・ティエン・ホアン王を祀る寺院です。
現在の建物は17世紀に再建されたもので、木造建築と石造装飾が特徴的です。
屋根の装飾や彫刻には、王朝文化を象徴する龍のモチーフが多く見られます。
境内には複数の建物が配置されています。
ディン・ティエン・ホアン祠の地図は、下記になります。

午門(Meridian Gate)
午門はディン・ティエン・ホアン祠の正門にあたる建物で、参拝者が最初に通る入口です。
古代ベトナムの宮殿や寺院では、このような門を通って内部の神聖な空間へ入っていく構造が一般的でした。
門の先には参道が伸びており、奥に進むにつれて祠の中心へと近づいていきます。
この参道は王を祀る神聖な軸線として設計されており、王朝の宗教建築の特徴を見ることができます。
周囲には山に囲まれた静かな景色が広がり、かつてここが王朝の都であったことを感じさせる空気があります。
遺跡の入口として、古都ホアルー観光の最初の見どころともいえる場所です。

龍床(Dragon Bed)
龍床は石で作られた台座で、龍の彫刻が施された装飾的な構造物です。
ベトナムでは龍は王権を象徴する存在とされており、王朝建築では重要な装飾として使われてきました。
この龍床は参道の途中に設置されており、参拝者が本殿へ向かう途中で目にすることになります。
石の表面には細かな彫刻が施されており、当時の工芸技術の高さを感じることができます。
ベトナムの王朝文化では龍は皇帝の象徴でもあり、このような装飾は王を祀る施設であることを示しています。
静かな境内の中で、歴史の重みを感じることができる場所です。

外後幕(Outer Altar Curtain)
外後幕は参道の途中に設けられた空間で、本殿に向かう前の祭祀空間として使われていました。
この場所は祈りや儀式が行われる区域の入口ともいえる場所です。
ベトナムの祠堂建築では、外後幕と内後幕という二重構造が設けられることが多く、
神聖な空間へ段階的に進む構造になっています。
このような構造は中国文化の影響も受けています。
建物は木造建築で作られており、屋根や柱には伝統的な装飾が見られます。
祠の中心へ近づくにつれて空間の雰囲気が変わっていくことを感じる場所でもあります。
内後幕(Inner Altar Curtain)
内後幕は外後幕の奥に位置する建物で、本殿に最も近い祭祀空間です。
この場所は神聖な区域にあたり、王を祀る儀式などが行われていた場所とされています。
建物は伝統的な木造建築で構成されており、梁や柱には細かな装飾が施されています。
祠堂建築の特徴がよく表れた構造を見ることができます。
静かな空間の中で参拝者が祈りを捧げる場所でもあり、境内でも特に落ち着いた雰囲気があります。
この場所を通ると、その奥にディン・ティエン・ホアン王を祀る本殿があります。

龍床(Dragon Bed)
内後幕の近くにも龍床が設置されています。
石に彫られた龍は王権の象徴であり、王を祀る寺院に見られる重要な装飾です。
細かな彫刻からは、当時の工芸技術の高さを感じることができます。
境内の龍床を見ることで、王朝文化や宗教建築の特徴を理解することができます。
歴史遺跡としての魅力を感じられる見どころのひとつです。

ディン・ティエン・ホアン王の寺院(Temple of the Dinh Tien Hoang King)
境内の中心に位置する建物がディン・ティエン・ホアン王の寺院です。
ここにはベトナム最初の独立王朝を築いたディン・ティエン・ホアン王が祀られています。
現在の建物は17世紀に再建されたものですが、古都ホアルーの歴史を象徴する重要な場所となっています。
木造建築の屋根や柱には伝統的な彫刻が施され、ベトナム建築の特徴を見ることができます。
内部には王の像が安置されており、多くの参拝者が訪れます。
古代ベトナムの王朝史を感じることができる場所です。




展示室(Exhibition House)
境内にはディン朝の歴史を紹介する展示室があります。
ここでは古都ホアルーの歴史やディン朝の成立について説明されています。
展示内容には歴史資料や説明パネルがあり、遺跡の背景を理解するのに役立ちます。
観光で訪れた際に立ち寄ると、ホアルーの歴史をより深く知ることができます。
遺跡の見学と合わせて展示を見ておくことで、
この場所がベトナム史の中でどのような意味を持つのか理解しやすくなります。

聖なる家(The Dinh King’s Parents Worshiping Place)
この建物ではディン・ティエン・ホアン王の両親が祀られています。
王の祖先を敬う文化が表れている場所でもあります。
ベトナムでは祖先崇拝の文化が強く、王族だけでなく一般家庭でも祖先を祀る習慣があります。
この建物はその文化を象徴する空間でもあります。
静かな境内の中にあり、参拝者が祈りを捧げる場所となっています。
王朝の歴史と信仰文化を感じることができる場所です。


石碑堂(Stela House)
石碑堂は歴史的な碑文が保存されている建物です。
碑文には王朝の歴史や功績が刻まれていることが多く、古代ベトナムの歴史を伝える貴重な資料となっています。
このような石碑は王朝の記録として建てられることが多く、当時の政治や文化を知る手がかりになります。
ベトナム各地の歴史遺跡でもよく見られる建物です。
石碑堂は境内の一角にあり、静かな雰囲気の中で歴史の重みを感じることができます。
レ・ダイ・ハン祠(Le Dai Hanh)
住所:7WP4+CF7, Trường Yên, Hoa Lư, Ninh Bình, ベトナム
全体地図
下記が、レ・ダイ・ハン祠の地図です。

龍床(Dragon Bed)
龍床は石で作られた装飾台で、龍の彫刻が施された王朝建築の象徴的な構造物です。
ベトナムでは龍は皇帝や王権を象徴する存在とされており、王を祀る寺院や宮殿では重要な装飾として使われてきました。
この龍床は参道の途中に設置されており、参拝者が境内を進むなかで目にすることになります。
石の表面には細かな彫刻が施され、当時の工芸技術の高さを感じることができます。
静かな境内の中で、この龍床を見ると王朝の歴史を感じることができます。
ベトナムの伝統文化や王朝建築の特徴を象徴する見どころのひとつです。
外後幕(Outer Altar Curtain)
外後幕は本殿へ向かう参道の途中にある建物で、祭祀空間の入口にあたる場所です。
ベトナムの祠堂建築では、本殿に至るまでに複数の建物を通る構造があり、この外後幕はその最初の段階の建物となります。
参拝者はこの建物を通り、奥にある神聖な区域へと進んでいきます。
屋根や柱にはベトナム伝統建築の装飾が見られ、歴史ある祠堂の雰囲気を感じることができます。
王を祀る寺院の構造としては、中国の宮殿建築の影響も見られ、王朝文化の一端を知ることができます。
裏門
ディン・ティエン・ホアン祠からは、この入口が近いので、こちらから入場することが多いかと思います。

1.外後幕(Outer Altar Curtain)
外後幕は本殿へ向かう参道の途中にある建物で、祭祀空間の入口にあたる場所です。
ベトナムの祠堂建築では、本殿に至るまでに複数の建物を通る構造があり、この外後幕はその最初の段階の建物となります。
参拝者はこの建物を通り、奥にある神聖な区域へと進んでいきます。
屋根や柱にはベトナム伝統建築の装飾が見られ、歴史ある祠堂の雰囲気を感じることができます。
王を祀る寺院の構造としては、中国の宮殿建築の影響も見られ、王朝文化の一端を知ることができます。
2.Dragon Bed
龍床は石で作られた装飾台で、龍の彫刻が施された王朝建築の象徴的な構造物です。
ベトナムでは龍は皇帝や王権を象徴する存在とされており、王を祀る寺院や宮殿では重要な装飾として使われてきました。
この龍床は参道の途中に設置されており、参拝者が境内を進むなかで目にすることになります。
石の表面には細かな彫刻が施され、当時の工芸技術の高さを感じることができます。
静かな境内の中で、この龍床を見ると王朝の歴史を感じることができます。
ベトナムの伝統文化や王朝建築の特徴を象徴する見どころのひとつです。

内後幕(Inner Altar Curtain)
内後幕は外後幕の奥にある建物で、本殿に近い神聖な区域に位置しています。
この場所では王を祀る儀式などが行われていたと考えられています。
建物は木造建築で作られており、梁や柱には伝統的な彫刻が施されています。
落ち着いた雰囲気の空間で、参拝者が祈りを捧げる場所にもなっています。
参道の軸線上に建物が並ぶ構造は、ベトナム王朝の祠堂建築の特徴でもあります。
この内後幕を通ると、その奥にレ・ダイ・ハン王を祀る本殿があります。

レ・ダイ・ハン王の寺院(Temple of the Le Dai Hanh King)
境内の中心にある建物がレ・ダイ・ハン王を祀る寺院です。
レ・ダイ・ハンは前レ朝の皇帝で、10世紀のベトナム史において重要な人物として知られています。
現在の建物は17世紀に再建されたもので、ベトナム伝統の木造建築が特徴です。
屋根の装飾や柱の彫刻には、王朝文化を象徴する装飾が見られます。
内部には王の像が祀られており、多くの参拝者が訪れます。
古都ホアルーが王朝の都であった歴史を感じることができる場所です。




監督官話礼拝所(Place of Worshipping Supervisory Mandarin)
この建物では王朝を支えた官僚が祀られています。
王だけでなく、その政治を支えた人物たちを祀る文化がベトナムにはあります。
王朝の歴史を支えた人物を祀ることで、その功績を後世に伝える意味もあります。
境内の中でも比較的静かな場所にあり、歴史を感じる空間となっています。
王朝政治の仕組みや文化を知るうえでも興味深い場所です。

孔子礼拝所(Confucius Worshiping Place)
この建物では孔子が祀られています。
ベトナムでは長い歴史の中で儒教の影響を受けており、王朝時代には孔子を尊敬する文化が広がっていました。
王朝の政治制度や教育制度も儒教思想に基づいていたため、王を祀る寺院の中に孔子礼拝所が設けられることもあります。
この建物を見ることで、ベトナム王朝文化の中に中国思想が取り入れられていたことが分かります。

石碑堂(Stela House)
石碑堂は歴史的な碑文を保存するための建物です。
石碑には王朝の歴史や出来事などが刻まれていることが多く、当時の歴史を知る重要な資料となります。
ベトナム各地の寺院や遺跡でも石碑堂を見ることができます。
王朝の記録として建てられることが多く、歴史研究にとっても重要な存在です。
境内の一角に静かに建っており、古代の歴史を感じることができる場所です。
展示室(Exhibition House)
境内にはレ・ダイ・ハン王や前レ朝の歴史を紹介する展示室もあります。
ここではホアルーの歴史や王朝時代の出来事などが説明されています。
展示パネルや資料を見ることで、遺跡の背景をより理解することができます。
観光の際に立ち寄ると、古都ホアルーの歴史を深く知ることができます。
遺跡の見学と合わせて展示を見ておくと、この場所がベトナム史の中でどのような意味を持つのか理解しやすくなります。


山に囲まれた静かな谷の中に残る古都ホアルー。
ここはベトナム最初の独立王朝が誕生した場所であり、
ディン朝と前レ朝の歴史が刻まれた土地です。
現在はチャンアンの景観関連遺産の一部として保護され、
自然景観と歴史遺跡が共存する地域となっています。
石灰岩の山々と水田が広がる景観の中に、1000年以上前の王朝の記憶が今も残されています。
チャンアンやタムコックの景観とあわせて訪れることで、ニンビンの自然と歴史の両方を体感することができます。
ベトナムの歴史の始まりを感じられる場所として、印象に残る世界遺産のひとつです。

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