ハズラティ・イマーム広場完全ガイド|コーラン写本と現代イスラム文化が交差するタシケント旧市街

タシケントの観光
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タシケント随一のイスラム建築群が集まるのが、
旧市街北部「地下鉄ハズラティ・イマーム駅周辺」に位置する「ハズラティ・イマーム広場(Hazrati Imam Square)」です。

ここには、

  • 歴史的建造物からなる ハズラット・イマーム・コンプレックス
  • 2022年完成の ウズベキスタン最大級のイスラーム文化センター

が隣接しており、
中世イスラム文化と現代ウズベキスタンの宗教政策を同時に感じられる、タシケント屈指の宗教・文化エリアとなっています。

サマルカンドやブハラのような「世界遺産の街並み」とは異なりますが、
タシケントという都市が持つイスラム文化の核を知るには、欠かせない場所です。

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ハズラットイマームコンプレックス(Hazrati Imam complex)

住所:86PR+V2Q, Qorasaroy ko’chasi, Тоshkent, Toshkent, ウズベキスタン

ハズラティ・イマーム・コンプレックスは、
10世紀、かつてタシケントが「シャシ」と呼ばれていた時代にこの地に住んでいた
宗教学者 アブ・バクル・カッファール・アル=シャシ の尊称
「ハズラト・イマーム」 に由来しています。

現在の複合施設は、
16世紀以降に建てられたモスクや神学校を中心に構成され、
長らくタシケントの宗教的中心地として機能してきました。

ハズラティ・イマーム・モスク(Hazrati Imom Masjidi)

バラク・ハン・メドレセの正面に建つモスクで、
16世紀に創建された、タシケントの金曜モスク(大モスク)として知られています。

  • 2007年に大規模修復が完了
  • 現在は 2基のミナレットを備えた巨大なモスク に再整備
  • 中庭には美しいバラが植えられ、厳かな中にも穏やかな雰囲気

観光地化されすぎていないため、
地元の人々の信仰の場としての空気感を、今も強く感じることができます。

バラク・ハン・メドレセ (Barak Khan Madrasah)

16世紀、シャイバニ朝の君主 バラク・ハン によって建てられた神学校。

最大の見どころは、

  • 入口正面の大アーチ
  • 青と白を基調とした 精緻なモザイク装飾
  • アラビア語のクーフィー体装飾

ソ連時代には、
この場所に 中央アジア・イスラーム宗務庁(ムフティー庁) が置かれ、
宗教活動が厳しく制限されていた時代においても、
イスラム信仰の拠点として機能し続けました。

2007年の修復後は、
中庭を囲む フジュラ(学生用の部屋) が土産物店として利用されています。

コーラン博物館(Quran Museum)

時間 9:00~18:00
定休日 無休
料金 200,000スム

館内には、
各国語に翻訳されたコーランや、イスラム写本が展示されています。

世界最古級のコーラン

ウスマーン写本(ウスマーン・コーラン)

最大の見どころが、
世界最古のコーランのひとつとされる
「ウスマーン写本」です。

  • 7世紀頃、第三代正統カリフ
    ウスマーン・イブン・アッファーン の命で作成
  • 当初5部制作され、現存するのは2部のみ
  • 1部はトルコ・イスタンブールのトプカプ宮殿
  • もう1部が、ここタシケントに所蔵

この写本は、
ティムール(タメルラン)がイラクのクーファから戦利品として持ち帰った
と伝えられています。

※館内撮影は制限があるため、
多くの場合、パンフレット掲載写真での紹介となります。
※実際の展示内容は時期により変更される場合があります。

イスラーム文化センター(Islamic Civilization Center)

住所:Олмазор, Тошкент, Қорасарой, 100002, Тоshkent, ウズベキスタン

時間 9:00~19:00
定休日 無休

2022年に完成した、
ウズベキスタン最大級のイスラム文化施設。

この施設の目的は、

  • イスラム教の精神的・文化的遺産の保存
  • 歴史・科学・芸術を体系的に紹介
  • 研究・教育・国際交流の拠点化

館内には、

  • イスラム文明史を紹介する博物館展示
  • 研究機関
  • 図書館
  • 教育・会議施設

が併設されており、
単なる観光施設ではなく、国家的プロジェクトとして整備された文化拠点であることが分かります。

タシケントは、
サマルカンドやブハラ、ヒヴァのように
街全体が歴史遺産で包まれた都市ではありません。

しかし、
ハズラティ・イマーム広場を歩いてみると、
この街が 中央アジアにおけるイスラム文化の精神的中枢として
長い時間を重ねてきたことが、静かに伝わってきます。

7世紀のコーラン写本が守られ続ける聖域と、
21世紀に建てられた巨大なイスラーム文化センター。
その両方が、同じ空間に自然に並んでいる風景こそが、
現代のタシケントを象徴しているように感じられました。

派手さはないものの、
歴史と信仰、そして未来への意思が確かに息づく場所。
帰国前に少し時間が余ったら、
ぜひこの静かなイスラムの聖域を歩いてみてください。

タシケントという都市を、
きっとこれまでとは違う角度から見られるはずです。

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