琉球王国の別荘地 世界遺産「識名園」を散策してみた。

沖縄の観光
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沖縄観光する人にとって目的は様々です。
世界屈指の透明度を誇る慶良間諸島のマリンブルーな海。
オリオンビール片手にカチャーシーを踊ったりと日本でもっとも海外を感じることができるエリアです。

沖縄は、古来よりアジア各国と交易が盛んであり、琉球王国という独立した国家として繁栄をしてきました。
その王国は、独特な文化を形成しており、そんな沖縄には、世界遺産がたくさんあります。

今回は、識名園をご紹介します。

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琉球王国のグスク及び関連遺産群 (Gusuku Sites and Related Heritage Sites in the Kingdom of Ryukyu)

2000年 ユネスコ文化遺産に登録

沖縄本島南部を中心に点在するグスクなどの琉球王国の史跡群から構成される世界遺産。
今帰仁城跡・座喜味城跡・勝連城跡・中城城跡・首里城跡・園比屋武御嶽石門・玉陵・識名園斎場御嶽から成ります。

識名園

住所:〒902-0072 沖縄県那覇市真地421−7

基本情報

時間 4月1日~9月30日 9:00~18:00(入場締切17:30)
10月1日~3月31日 9:00~17:30(入場締切17:00)
定休日 水曜日(その日が休日又は「慰霊の日」(6月23日)のときは、その翌日)
料金 大人400円(高校生以上)・小人200円(中学生以下)
公式URL 識名園|那覇市公式ホームページ (city.naha.okinawa.jp)

下記が入場チケットです。


識名園は、琉球王家最大の別邸で、その指定面積は41,997㎡もあり、国王一家の保養や外国使臣の接待などに利用されていました。
この別邸は、18世紀の終わりごろに作られ、1800年の尚温王冊封のため訪れた正使超文楷、副使李鼎元を招いています。

識名園の造園形式は、池のまわりを歩きながら景色の移り変わりを楽しむことを目的とした「廻遊式庭園」です。
「廻遊式庭園」は、近世に日本の大名が競ってつくるようになった造園形式ですが、識名園では心字池を中心に、
池に浮かぶ島には中国風あずまやの六角堂や大小のアーチが配され、池の周囲には琉球石灰岩を積みまわすなど、
当時の日本と中国の文化を取り入れた庭園は、冊封使の接待など一番の貿易相手国である中国と良好な関係を維持するための
重要な国家事業の一部として日本と中国に配慮され作られた庭園です。

そして、王家の別邸は、17世紀の後半、首里の崎山村に御茶屋御殿がつくられ、首里城の東に位置したので「東苑」とも飛ばれ、
識名園は、首里城の南にあるので、「南苑」と呼ばれていました。

番屋

普段は、ここに役人が常駐していたそうです。

通用門

正門

この門は屋門と呼ばれる屋根の付いた形式となっており、王家の様な非常に格式の高い屋敷にのみ許されていた形式です。

育徳泉

清冽な水をたたえ、池の水源の一つにもなっており、琉球石灰岩を沖縄独特の「あいかた積み」にして、
巧みな曲線が優しい美しさを感じさせてくれます。
また、井戸口は右手にもあり、井戸口の上には、泉をたたえた二つの碑が立てられており、右は、1800年、尚温王のが
題した正使超文楷が題した「育徳泉碑」で、左の碑は、1838年尚育王の冊封正使林鴻年が題した「甘醴延齢碑」です。

もとの碑は、戦災を受けて下部が破損したため、1980年に拓本をもとにして復元したものです。

ちなみに、ここの泉の中にある藻は、きれいな淡水にしか生息しない「シマチスジノリ」という紅藻類の発生地として、
国の天然記念物に指定されています。

御殿

御殿は赤瓦屋根の木造建築で、当時は、迎賓館の役割がありました。
建築的には、往時の上流階級のみに許された格式ある作りですが、雨端などに民家風の趣を取り入れており、明治末期から
大正時代のはじめごろ、増改築がなされました。

なお、総面積は約159坪で、冊封使を迎えた一番座、それに連なる二番座、三番座、台所、茶の間、前の二番座など、
15も部屋がありました。

六角堂

池に浮かぶ島に作られた六角形のあずまやで、屋根の形や瓦を黒く色づけているところに、中国的な感じがします。
島へは、1つ石で作らたアーチ橋が架けられています。

石橋

池の中に配置された島に大小の石橋がかけらています。
いずれも橋の中央が高くなったアーチ橋でこれまた中国風のデザインです。

滝口

池の水が、石造りの懸樋から勢いよく落ちています。
かつて、その側には、あずまやがあり、夏場の厳しい暑さをしのぐ絶好の場所でした。

心の文字を崩した形の池「心字池」を据えた回遊式庭園の周りには、四季を楽しめるように、春は池の東の梅林・
夏には中島や泉のほとりの藤・秋には池のほとりの桔梗が美しい花を咲かせるなど巧みな配慮がなされていました。

日本と中国の文化を融合させて作られた庭園は、琉球文化ならではの独特な雰囲気を醸し出しています。
那覇市内からも近いので、是非足を運んでみてください。


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