メンフィスは、ギザのピラミッドのような強い見た目のインパクトとは少し違い、
古代エジプトの都が静かに地上へ残した痕跡をたどる場所です。
現在は、かつての大都市の面影がそのまま残っているわけではありません。
それでも実際に歩くと、
荒廃の先に残った像や石の存在から、
この地が王都だった時代の重みをしっかり感じられます。
メンフィスとその墓地遺跡 -ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯 (Memphis and its Necropolis – the Pyramid Fields from Giza to Dahshur)
1979年 ユネスコ文化遺産に登録
この世界遺産には、ギザだけでなく、メンフィス、サッカラ、ダフシュールまでを含む広い墓地遺跡群が含まれています。
古代エジプト文明を象徴するピラミッド群がまとまって残されていることに加え、
王権、宗教観、死生観、建築技術の発展を今に伝えることが高く評価されました。
中東・アフリカの世界遺産を地域別に見たい方は、
こちらの一覧ページも参考にしてみてください。

歴史背景
メンフィスは、エジプト第一王朝の首都として建設された都市です。
現在は荒廃しており、
今は面影はまったくなくなっており、
今では、遺跡を残すのみとなっています。
ただ、この場所は単なる古都跡ではありません。
メンフィスは、古代エジプトの王権と宗教の中心地として機能し、
その周囲にはギザ、サッカラ、ダフシュールへと続く巨大な墓地遺跡群が広がっていきました。
この世界遺産の対象となるのは、ギザの3大ピラミッドだけではありません。
メンフィス、ギザ、サッカラ、ダフシュールに広がる王墓群や葬祭施設が、
世界遺産として登録されています。
ギザには、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3大ピラミッド、
大スフィンクス、葬祭殿、参道、河岸神殿などが含まれます。
ギザのピラミッド群全体については、
こちらの記事もあわせてご覧ください。

大スフィンクスについては、
こちらの記事もあわせてご覧ください。

サッカラには、ジョセル王の階段ピラミッドやマスタバ墓群が残っており、
ピラミッド建築の初期の形を見ることができます。
サッカラについては、
こちらの記事も参考になります。

メンフィス遺跡 (The Remains of Memphis)
住所:Mit Rahinah, Al Badrashin, Giza Governorate, エジプト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間 | 8:00~16:00頃とされることが多いです。現地運用で変わる場合があります。 |
| 定休日 | 無休とされることが多いですが、保全や現地事情で変更される場合があります。 |
| 料金 | 過去には80EGP程度という案内がありましたが、料金改定の可能性があるため現地で確認するのが安心です。 |
広場の真ん中には、
1912年に発見されたスフェンクスを見ることができます。
こちらのスフィンクスは、
アラバスタという大理石の一種で作られており、
ギザのスフィンクスなどに比べて、白色が特徴的です。
大きさも、全長8m、高さ4.25mあります。
ギザの大スフィンクスのような圧倒的な巨大さとは違いますが、
白っぽい石の質感がとても印象的で、
静かな遺跡の空気の中で見ると独特の存在感があります。


ラムセス2世像(Colossal Statue of Rameses 2nd)
また、遺跡の入口の右側にある建物の中には、
かつてラムセス2世がプタハ神殿の入口に立てた像が横たわっています。
こちらの像は、
地震により脚部が倒壊したため現在の状態になっています。
ラムセス2世像(Colossal Statue of Rameses 2nd)は、
頭には上下エジプトを示す二重冠をかぶり、
腰には短剣を差しており、
像の高さは13mです。
博物館の2階からはラムセス2世の表情を見ることができます。

ちなみに、この像は2体あり、
もう1体は、大エジプト博物館のエントランスに展示されているそうです。

また、入口を通り反対側には、
プタハ神を祀った神殿跡があり、
聖牛アピスのミイラを作るために使用されたアラバスタ製の解剖台があるそうです。
私は、時間の関係上見ることができませんでした。
実際に歩いてみると、
都市遺跡というより、
広い敷地の中に古代王都の断片が静かに置かれているような感覚があります。
派手さはありませんが、
古代エジプトの政治、宗教、王権の中心地だった文化背景を感じながら見て回ると、
とても印象に残る場所です。
アクセス
メンフィス遺跡へは、
カイロまたはギザ市内から車で向かうのが一般的です。
公共交通だけで効率よく回るのはやや難しいため、
タクシー、Uber、チャーター車、
またはサッカラやギザを組み合わせた現地ツアーを利用すると動きやすいです。
▶カイロ発:ギザのピラミッド、スフィンクス、サッカラ、メンフィスツアー
周辺の王墓遺跡とあわせて回ると、
古代エジプトの王都と墓地の関係が見えやすくなり、
観光全体の理解も深まります。
メンフィスは、
見た目の華やかさで惹きつける遺跡ではないかもしれません。
ですが、
古代エジプト文明の出発点のひとつに立っている感覚を味わえる、
とても重要な場所です。
ギザやサッカラだけで終わらせず、
もう一歩だけ足を延ばすと、
古代エジプトの世界がぐっと立体的に見えてきます。
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