マヤパン遺跡とカバー遺跡を巡る|後期マヤ文明とプウク様式の見どころ

ユカタン半島の観光
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ユカタン半島にはチチェン・イッツァやウシュマルなど世界的に有名なマヤ遺跡が数多く残されています。

しかし、マヤ文明の歴史をより深く知りたいなら、
あわせて訪れたいのがマヤパン遺跡(Mayapan)とカバー遺跡(Kabah)です。

マヤパンはチチェン・イッツァ衰退後に栄えた後古典期最大級の都市であり、
カバーはウシュマルとともにプウク様式を代表する重要な遺跡として知られています。

私もユカタン半島を巡る旅の途中で訪れましたが、
有名遺跡ほど観光客が多くなく、ゆっくり見学できるのが魅力でした。

今回は、後期マヤ文明を知るうえで欠かせないマヤパン遺跡とカバー遺跡を紹介します。

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マヤパン遺跡 (Mayapan)

住所:Carretera Mérida – Chetumal, Telchaquillo, 97824 Tecoh, Yuc.,

項目 内容
電話番号 +52 999 913 4034(INAH Yucatán)
営業時間 8:00~17:00
定休日 無休
入場料金 現地確認
公式サイト https://www.inah.gob.mx

マヤパン遺跡とは

マヤパンはユカタン半島北部に位置する後古典期(1200~1450年頃)のマヤ都市です。

チチェン・イッツァ衰退後、ユカタン半島における政治・宗教の中心地として発展しました。

都市全体は防壁で囲まれており、
その内部には神殿や祭壇、行政施設、住居など約4,000棟もの建造物が存在していたと考えられています。
現在確認されているマヤ都市の中でも、後古典期最大級の規模を誇ります。

マヤパン遺跡の歴史

1221年頃、将軍フナク・セエル(Hunac Ceel)がチチェン・イッツァの支配者に
対して反乱を起こし勝利しました。

その後、新たな首都として築かれたのがマヤパンです。

「マヤパン(Mayapan)」は「マヤ人の旗」あるいは「マヤ人の地」を意味するとされています。

都市は高い防壁によって守られ、
政治・宗教・交易の中心として約200年以上繁栄しました。

しかし15世紀半ば、有力貴族間の争いが激化し、
1441年頃にアフ・シュパン(Ah Xupan)らによる反乱で都市は略奪され放棄されました。

スペイン人到来前のユカタン半島において、最後の大規模マヤ都市のひとつと考えられています。

彩色壁龕の神殿 (Templo de los Nichos Pintados)

彩色壁龕の神殿は、マヤパンで唯一アーチ天井が残る建造物として知られています。
壁龕(へきがん)とは壁面に設けられたくぼみのことで、内部にはかつて彩色装飾が施されていました。

現在は色彩の大部分が失われていますが、当時の建築技術や装飾文化を知ることができます。

建造物55(Estructura 55)

マヤパンを代表する神殿のひとつです。

発掘調査では内部から古い神殿の痕跡や漆喰彫刻が発見されており、
複数回にわたり増改築されたことが分かっています。

また、人骨の一部も見つかっており、宗教儀礼との関係が指摘されています。

ククルカンのピラミッド(Castillo de Kukulcán)

マヤパン最大の建造物です。

底辺約30m、高さ約18mの9層構造で、
チチェン・イッツァのエル・カスティージョを小型化したような外観を持っています。

1997年に修復工事が行われました。

現在も上部へ登ることができ、
遺跡全体を見渡せる絶好の展望スポットとなっています。

周囲に広がる密林の中に無数の建造物跡が点在している様子を見ると、
かつての都市規模の大きさを実感できます。

フレスコ画の広間(Sala de los Frescos)

この建物では壁画の一部が発見されています。

軍旗を持つ二人の戦士が向かい合う図柄が繰り返し描かれていたと考えられています。
現在は風化が進み判別しにくいものの、当時の宗教観や軍事文化を知る貴重な資料となっています。

この建物は修復調査の際に、内部の2層目・3層目から漆喰彫刻が発見されました。
頭の部分の四角い窪みからは頭や頸の骨の破片が見つかっており、死者に関する何らかの儀礼を執り行っていたようです。

円形神殿(Templo Redondo)

マヤパンの中でも珍しい円形建築です。
基壇は幅約18m、奥行約20m、高さ約3.5m。

その上に直径約10m、高さ約7.5mの円形神殿が築かれています。
入口は4方向に設けられています。

一見すると天文観測施設にも見えますが、現在の研究では宗教儀礼用の建築と考えられています。

漁師の神殿(Templo del Pescador)

壁画が残ることで知られる神殿です。

魚やワニ、ヘビ、人間などが描かれており、海との関わりが深かった後期マヤ社会の様子をうかがうことができます。
現在は色彩がかなり薄れていますが、当時の芸術文化を知るうえで興味深い遺構です。

カバー遺跡 (Kabah)

住所:Kabah, Yuc.

項目 内容
営業時間 8:00~17:00
定休日 無休
入場料金 現地確認

カバー遺跡とは

カバー遺跡はウシュマル遺跡の南東約22kmに位置する古代マヤ都市です。

紀元600年頃から1000年頃にかけて繁栄し、
ウシュマルとともにプウク様式を代表する重要な遺跡として知られています。

かつてはウシュマルと石畳の道路「サクベ」で結ばれており、
政治・宗教・交易の面で密接な関係を持っていました。

観光客は比較的少なく、落ち着いた雰囲気の中で遺跡見学を楽しめます。

プウク様式とは

プウク様式はユカタン半島北西部で発展したマヤ建築様式です。

下部は比較的シンプルな石積みですが、
上部には幾何学模様や神像を組み合わせた精巧なモザイク装飾が施されています。

ウシュマル、ラブナー、サイール、カバーなどが代表例として知られています。

コズ・ポープ(Codz Poop)

コズ・ポープはカバー遺跡を代表する建築です。

マヤ語で「巻かれた敷物」を意味するとされます。

建物の外壁一面には雨の神チャックの仮面が無数に取り付けられており、

その数は約260体にも及びます。

特に特徴的なのはチャック神の長く曲がった鼻です。

多くは風化していますが、一部には原形を保ったものも残っています。
農業に欠かせない雨をもたらす神への信仰の強さがうかがえます。

この建物では宗教儀式が行われていたと考えられています。

一番右の端はまだ鼻が折れずに残っています。

強い手を持つ男たちの彫刻

コズ・ポープの裏側には人物彫刻が並んでいます。

「強い手を持つ男たち」と呼ばれており、歴代支配者や有力者を表現していると考えられています。
細かな彫刻技術からも当時の職人の高い技術力が感じられます。

宮殿(El Palacio)

カバー遺跡中心部に位置する大型建築です。

2階建て構造を持ち、行政施設や支配者の居住空間として利用されていた可能性があります。
遺跡全体を見渡せる場所に位置しており、古代都市の中心的役割を担っていたと考えられています。

アクセス

マヤパン遺跡

メリダ中心部から車で約45分。

レンタカー利用が最も便利ですが、現地ツアーでも訪問可能です。
チチェン・イッツァほど知名度が高くないため、観光客は少なく落ち着いて見学できます。

カバー遺跡

ウシュマル遺跡から車で約20分。

プウク街道(Ruta Puuc)を巡るツアーに参加すると、ラブナー遺跡やサイール遺跡などとあわせて効率よく観光できます。
レンタカー利用の場合もアクセスは比較的容易です。

旅の終わりに

ユカタン半島のマヤ遺跡といえばチチェン・イッツァやウシュマルが有名ですが、
マヤ文明の歴史をより深く理解するならマヤパン遺跡とカバー遺跡もぜひ訪れてみてください。

マヤパンでは後古典期の政治都市としての姿を見ることができ、
カバーではプウク様式建築の美しさを堪能できます。

どちらも観光客が比較的少なく、遺跡本来の静かな雰囲気を味わえるのも魅力です。

ユカタン半島を巡る旅では、有名遺跡だけでなくこうした歴史の舞台にも足を運び、
マヤ文明の奥深さを感じてみてはいかがでしょうか。

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