コタキナバルを訪れる多くの旅行者が目指すのが、世界自然遺産「キナバル公園(Kinabalu Park)」。
とはいえ、 登山は時間も体力も必要とか 短期旅行では難しいという方も多いのではないでしょうか。
そんな時に心強いのが、現地発着の日帰りツアーです。
今回利用したのは、GetYourGuide に掲載されている英語ガイド付き混載ツアー。
ツアー名:クンダサン:ポーリン温泉+デサ牧場+食事付き日帰りツアー
当日の行程
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 7:00 | ホテルピックアップ |
| 10:00 | ペカン・ナバル展望台 |
| 11:00 | デサ牧場 |
| 12:00 | ラフレシア観察 |
| 13:00 | ポーリン温泉&キャノピーウォーク |
| 15:00 | ランチ(ビュッフェ) |
| 18:00 | ホテル帰着 |
ホテルでピックアップ
前日の夜にメールにより、ピックアップ時間の連絡が来ます。
私は、7:10分頃にフロント前でしたが、ほぼ時刻通りにガイドがやってきました。
その後、ガイドが1時間程度、コタキバル山の説明をしながら移動します。

ナバルの見晴台(Pekan Nabalu View Point)
標高約1,500mに位置するPekan Nabalu View Pointは、キナバル山を真正面から望める定番スポット。
視界を遮る電線・高木がなく、山の解説看板あり、撮影に最適なロケーションです。
キナバル山は霧に覆われやすく、午前8〜9時までがベストと言われています。
前日は、大雨のため、実は、ツアー自体の催行も危ぶまれていたのですが、当日は、天気が持ち直し、
見晴台では薄日も射してきて、10時過ぎにもかかわらず全景が見え、正直かなり幸運でした。
ここは、キナバル山を背景にするには、視界を遮るものがなく、背の高い木々や電線などがないため、
理想的な撮影ポイントとして大人気です。

見晴らし台のベストポイントには、山々の説明の看板があります。



ここでは、お土産物や多数並んでおり、私の訪問した5月は、パイナップルがお勧めで購入してみました。
他にもマンゴやドリアンなど南国フルーツも安い値段で購入することができます。

ナバルの手工芸品なども販売されています。

デサ牧場(Ladang Tenusu Desa Cattle)
見晴台の後は、牧場に向かいます。
ボルネオ島エリアの牛乳・乳製品の生産・流通シェア大手の酪農業者「Desa Cattle (Sabah) Sdn Bhd」の
運営するクンダサン観光で絶対外せないのが デサ牧場。
マレーシアのニュージーランドと呼ばれるほど、広大な草原とキナバル山の雄大な景色が楽しめる場所です。
見どころは、下記のとおり。
- 放牧された牛たちと緑の丘陵地帯
- キナバル山を背景にした絶景フォトスポット
- 新鮮なミルクやヨーグルトアイスが味わえる売店
- 契約農家の酪農作業を見学できるエリア


ここでは、乳製品の購入だけでなく、小牛の餌やりも体験できます。

大人の牛は、別の牛舎で育てれていました。

これぞ牧場とうようなトラクターが設置されています。

アイスクリームなどの乳製品のお店は、観光客でいっぱいでした。
特に「ミルクアイス」はツアー参加者の満足度が高い人気商品で、滑らかでコクがあり、標高の高いクンダサンの
冷涼な空気とよく合います。


VIVIANE RAFFLESIA GARDEN
ラフレシアを観察できるVIVIANE RAFFLESIA GARDENに向かいます。
ラフレシアとは、東南アジア島嶼部とマレー半島に分布するラフレシア科ラフレシア属の全寄生植物で、
多肉質の大形の花をつけるものが多く、中でもラフレシア・アルノルディイの花は直径90 cm程にも達し、実際には
最大ではありませんが、「世界最大の花」としてよく知られています。
また、この花の花粉を運んでいるのは死肉や獣糞で繁殖するクロバエ科のオビキンバエ属などのハエであり、死肉に似た色彩や
質感のみならず、汲み取り便所の臭いに喩えられる腐臭を発し、送粉者を誘引するため独特の匂いがすることでも有名です。
ここでチケット30RMを支払って入場します。

ラフレシアは、非常に変わった植物で、まずラフレシアは、葉や茎、根をもたず、光合成もしません。
そのため他の植物に寄生することで、必要な養分を得ています。
自分で光合成しながら他の植物にも寄生する「半寄生植物」はそれほど珍しくありませんが、
ラフレシアのように完全に他の植物に頼っている「全(完全)寄生植物」は稀有な存在です。
また、ラフレシアは、「幻の花」と呼ばれている理由は、開花は数日しか続かず、すぐに枯れてしまうからです。
さらにもともと生息域が限られているだけでなく、その個体数も減少しています。
なので、見れることが難しい奇跡の花です。
ラフレシアのライフサイクル
- 寄生のスタート:宿主テトラスタイリスに侵入する
ラフレシアは種子をまくと、独自の酵素を使って 宿主植物「テトラスタイリス(Tetrastigma)」の内部へ侵入します。
※ラフレシアは光合成をしないため、宿主なしでは絶対に生きられません。
ポイントは、テトラスタイリスはブドウ科のつる植物で、熱帯雨林に分布し、クンダサン周辺に多く生育し、ラフレシアは宿主から栄養・水分をすべて吸収する“完全寄生植物”である。 - 植物体を形成せず、宿主の内部で成長する通常の植物がもつ葉・根・茎を一切作らず、宿主の組織内に菌糸のようなネットワーク(ストランド)を広げて生きています。見た目には 宿主の体内に溶け込んだ状態で、外から姿は見えず、この段階は数ヶ月〜数年にわたり、外部には全く変化が現れません。
- つぼみ(Bud)が外に現れる:誕生の瞬間
十分に成長すると、宿主の根・茎の表面を押し破るようにして 球状のつぼみ(バド) が姿を見せます。
つぼみは直径:5〜15cmほどで、キャベツのような丸い形・硬い外皮で守られています。
色は濃い茶色〜赤褐色で、まだ花弁の形はわかりません。
この “地表に現れた瞬間” がラフレシアの一生の中で初めて外部から確認できるタイミングです。 - ゆっくりとつぼみが成熟する(数ヶ月〜1年)
つぼみは非常にゆっくり成長し、開花が近づくと、外皮が膨らみ、円形の裂け目が目視できるようになり少し柔らかくなるります。
また、花弁の赤い模様が透けて見えるなどの変化が現れます。
ただし成長速度は植物界でも最も遅いレベルで、毎日観察してもほとんど違いが分からない時期が続きます。 - 開花(Bloom):人生のピークはわずか 3〜5日
つぼみの裂け目が広がり、ついに巨大なラフレシアの花が開きます。
花の特徴は、5枚の巨大花弁(ローブ)・直径60〜100cm・重さ最大10kg・中央に深い壺状の構造(ディスク)・白い斑点模様
そして 腐った肉のような強烈なにおい を放ちます。
開花の目的は、ハエを誘引し、受粉を助けてもらうためで、ハエが花の内部を歩き回ることで花粉が付着し、別の花へ運ばれます。 - 衰退(Decay):4日目から急速に変色し始める
開花後3日目を過ぎると、花弁の端から黒ずみ始め、徐々に萎み柔らかくなります。
また、表面が腐ったように変色においが弱くなり、特に5日目以降は腐敗が一気に進み、花弁が溶けるように崩れていきます。
旅行者が最も多く見かける状態は、開花直後(最も美しい)か 黒ずんだ“枯れ花”状態(展示として残る)と言われています。 - 消滅(Rotting Away):跡形もなく消え去る
完全に腐敗すると、花弁はドロドロのゼリー状で真っ黒になり、周囲の土壌に混ざっていきます。
根や茎がないため、枯れた後の構造体が残りません。跡形もなく消えるのがラフレシアの特徴で、まさに“幻の花”と呼ばれる理由です。
次の開花まで同じ株から数年かかることもあります。
下の写真がラフレシアのライフサイクルを表した図になります。

貴重なラフレシアの蕾です。

明日くらいには咲きそうな感じです。

そして、幻の花、ラフレシアの満開状態です。


そして、急速に腐敗します。

若い芽から満開状態そして腐敗したラフレシアを見ることが出来て本当に幸運でした。
ポーリン温泉&キャノピーウォーク
最後は、今回のツアーの最大の目玉である、キャノピーウォークです。
入口に世界遺産のマークと敷地概要の看板があります。

温泉は、無料エリアと有料エリアにわかれています。
源泉は、硫黄温泉で、50℃近くあります。

温泉エリアを超えてしばらくするとキャノピーウォークの看板があります。
ここから山道&坂道を100m程度あがっていきます。
これが足場が悪くて、なかなか大変です。

キャノピーウォークの特徴は?
- 樹上約30〜40mの高さ:森の地面は遥か下に見え、視界いっぱいに熱帯雨林の緑が広がります。
- 全長 約175m(複数の吊り橋が連続):1本の長い橋ではなく、短めの吊り橋が数本連なっている構造 になっています。
- 吊り橋の揺れとスリルが魅力:人が歩くと微妙に揺れますが、安全に配慮して管理されており大自然を満喫できます。
- 熱帯雨林の植物を上から観察できる:普段は見上げるしかない木々の葉・枝・着生植物を見下ろす視点」で見られる貴重な体験。
- 鳥の声や風の音が聞こえる大自然のサウンド:森の高さに近づくと地上とは違う静けさと涼しさを感じられます。
ただ、注意点として、吊り橋上は 一度に渡れる人数が制限(安全のため)があること・雨天時は滑りやすくなること・高所恐怖症の人は少し厳しい可能性あります。
私の訪問時は、大雨でかなり厳しいコンディションでした。

正直かなり揺れます。

吊り橋からの眺めは、こんな感じです。
この時は、豪雨でほとんど見えていない状態でした。

キャノピーウォークを終えて下って来ると再び温泉エリアです。

有料部分は、番号ごとの利用のようです。

無料エリアは、足湯のみです。
でも、キャノピーウォークの後の足湯は、かなり気持ちいいです。
ちなみに、源泉は本格的な硫黄泉で、足湯でもしっかり温泉の香り を感じられます。
温度は場所により異なりますが、だいたい 38〜45℃前後 と日本の温泉に近いイメージです。

ここでリフレッシュが終わったら、ランチタイムです。
場所は、すぐ横にあるレストランでした。
かなり動いているので美味しくご飯をいただくことができます。

途中、売店で立ち寄ってドリアンなど食しながら、ホテルまで2時間かけてかりました。

今回、利用したツアーの様子を動画で撮影してみました。
キナバル公園の魅力は、登山だけではありません。
クンダサンの高原風景や牧場、幻の花ラフレシア、
そして熱帯雨林の上を歩くキャノピーウォークまで——
一日という限られた時間でも、キナバル山を中心に広がる自然の奥深さを体感することができました。
しかし、キナバル公園の本当の魅力は、まだほんの入口に立ったに過ぎません。
登山道の先に広がる高山植物の世界、標高によって変わる植生、
そして「世界自然遺産」に登録された理由となった生態系の多様性。
次回は、世界遺産・キナバル公園そのものに焦点を当て、
なぜこの地が世界的に評価されたのかを、自然・地形・生態系の視点から歩いていきます。


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