日本は、明治に入り、急速な近代化を果たしております。
そんな足跡をたどることがある世界遺産は、日本各地に散らばっています。
特に、九州エリアが多く、その中でも長崎エリアが最も多く、有名な遺構もたくさんあります。
今回は、ご紹介するのは、産業革命遺産の中心である「旧グラバー住宅」を紹介します。
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
2018年 ユネスコ無形文化遺産に登録
明治日本の産業革命遺産は、構成資産は、岩手県から鹿児島県にまたがる次の8エリアに点在する幕末の1
850年代から明治末期の1910年までの23資産(*は非公開)。
登録地域の面積は、構成資産 306.66ヘクタール、それを保護する緩衝地帯 2,408.33ヘクタール。
エリア1:萩
- 萩反射炉
- 恵美須ケ鼻造船所跡
- 大板山たたら製鉄遺跡
- 萩城下町
- 松下村塾
エリア2:鹿児島
- 旧集成館(旧集成館反射炉跡、旧集成館機械工場、旧鹿児島紡績所技師館)
- 寺山炭窯跡
- 関吉の疎水溝
エリア3:韮山
- 韮山反射炉
エリア4:釜石
- 橋野鉄鉱山
エリア5:佐賀
- 三重津海軍所跡
エリア6:長崎
- 小菅修船場跡
- 三菱長崎造船所第三船渠*
- 三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン*
- 三菱長崎造船所旧木型場
- 三菱長崎造船所占勝閣*
- 高島炭鉱
- 端島炭鉱
- 旧グラバー住宅
エリア7:三池(2)
- 三池炭鉱・三池港(三池炭鉱宮原坑、三池炭鉱万田坑、三池炭鉱専用鉄道敷跡、三池港)
- 三角西港
エリア8:八幡(2)
- 官営八幡製鉄所(八幡製鐵所旧本事務所*、八幡製鐵所修繕工場*、八幡製鐵所旧鍛冶工場*)
- 遠賀川水源地ポンプ室*
グラバー園
住所:〒850-0931 長崎県長崎市南山手町8−1
基本情報
時間 | 8:00~18:00(最終入園受付は20分前)となります。 |
定休日 | 無休 |
料金 | 大人:620円/高校生:310円/小・中学生:180円 |
公式URL | グラバー園公式ウェブサイト (glover-garden.jp) |
グラバー園では9棟の伝統的建造物を見ることができます。(*黄色は、見学したもの)
- 旧グラバー住宅(世界遺産)
- 旧オルト住宅(国指定重要文化財)
- 旧リンガー住宅(国指定重要文化財)
- 旧ウォーカー住宅(国指定重要文化財)
- 旧自由亭
- 旧スチイル記念学校
- 旧三菱第二ドックハウス
- 旧長崎地方裁判所長官舎
- 旧長崎高商表門衛所
施設内はこんな感じです。
(グラバー園HPより)
旧グラ―バー住宅
貿易商であり、グラバー商会を設立したトーマス・ブレーク・グラバーが住んでいた日本最古の木造洋風建築で、
1961年(昭和36年)6月7日、主屋・附属屋が国の重要文化財に指定されました。
- 建築年代:1863(文久3年)
- 構造形式:木造平屋建、ペンキ塗、寄棟造桟瓦葺、ベランダ付
トーマス・ブレーク・グラバー
トーマス・ブレーク・グラバーは、スコットランド出身の商人で、武器商人として幕末に活躍した人物で、長崎に「グラバー商会」
を設立し、坂本竜馬が設立した「亀山社中」とも取引を行い、薩摩藩の五代友厚や森有礼などの海外留学の手引するなどし、
また、グラバーは、三菱財閥の創設者・岩崎弥太郎とも元々交流を持っており、後に三菱財閥の相談役や経営危機に陥ったスプリング・バレー・ブルワリーの社長となり再建参画を勧めて後の麒麟麦酒(キリンホールディングス)の基礎を築くなど西洋文化を取り入れ、
近代にむかって突き進む日本に対してあらゆる面で貢献した人物です。
また、フリーメーソンのメンバーであったとも言われています。
トーマス・ブレーク・グラバー像
旧グラバー邸には、グラバー像があります。
現存する日本最古の木造洋風建築
グラバー住宅は、日本最古の木造洋風建築で、1863年に大浦天主堂等の建設を請け負った天草の小山秀之進
が建設に携わったと言われ、コロニアル様式と日本の伝統的な建築技術を融合させ、半円形を描く寄棟式の屋根や、
広いベランダ、石畳に並ぶ円柱間のアーチ型欄間などの特徴が見られ、日本瓦や土壁など日本の建築技術が用いられています。
下が、グラ―バー住宅の模型図です。
旧グラバー住宅には、秘密の隠し部屋があり、利用用途は、フリーメーソンや幕末の志士を匿うためだったり
都市伝説みたいな話がたくさんあります。
客用寝室
食堂
温室
温室の中にあるこちらの彫刻の狛犬は、キリンビールのラベルのもとになったもので、ラベルの麒麟に太い髭が描かれているのは
キリン社の前身であるジャパン・ブルワリー・カンパニーの社長を務めたグラバーの口髭を基にしたと言われています。
旧ウォーカー住宅
ウォーカー商会を設立したロバート・ニール・ウォーカーJrの旧邸。
もとは大浦天主堂のそばに建てられ、移築された建物のほかに台所と和室がありました。
- 建築年:1883~1902(明治16~35年)
- 構造形式:木造瓦葺平屋建 112.25㎡
旧三菱第二ドックハウス
ドックハウスとは、船が修理などのためにドックに停泊している間、船員たちが宿泊するための施設です。
この洋風建築は、1896年(明治29年)に三菱造船所第二船渠の建造にともない、船渠の傍らに建築されました。
- 建築年代:1896年(明治29年)
- 構造形式:木造2階建、寄棟造、各階正面にベランダ、同形の部屋4室、中廊下式
旧自由亭
日本人初の西洋料理店シェフとなった草野丈吉のレストラン「自由亭」の建物。建物は1878年(明治11年)に建てられ、
昭和49年にグラバー園に移築される前には検事正官舎として使われていました。
- 建築年代:1878(明治11年7月)
- 構造形式:木造2階建、洋風建築、玄関は入母屋造
グラバー園の風景
長崎観光では、絶対行くべき旧グラ―バー園。
日本の近代化の基礎を作った人達の姿を想像しながら散策してみてはいかがでしょうか?
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