マリンスポーツの聖地として知られるモルディブ。
日本からは、シンガポール経由、マレーシア経由、スリランカ経由などで約8〜12時間ほど。
インド洋に浮かぶ青い海と珊瑚礁は、まさに「楽園」という言葉が似合う景色です。
モルディブは、1,000を超える珊瑚島と26の自然環礁から構成される島国。
行政上では、それらをさらに19の行政環礁に区分しています。
また、国土は南北約823kmにわたって広がっているため、地域ごとに文化や生活習慣も微妙に異なります。
北部ではインドやスリランカの影響が比較的強く、
一方で南部には独自文化を色濃く残す島々も存在しているそうです。
そんな多種多様な島々を持つモルディブの玄関口が、首都「マーレ」。
リゾートへそのまま移動する旅行者も多いですが、
実際に歩いてみると、イスラム文化や港町の空気感を感じられる興味深い街でした。
マーレ (Male)
北マーレ環礁最南端に位置するモルディブの首都。
島の大きさは東西約2.5km、南北約1.5kmほどしかなく、
徒歩でも比較的移動しやすいコンパクトな都市です。
一方で、人口は約10万人以上ともいわれ、
モルディブ全人口の約3割が集中しています。
高層建築が密集しており、
「南国リゾート」というより、海上に築かれた高密度都市のような景観が広がっています。
また、現在の国際空港は隣島フルレ島(ヴェラナ国際空港)にあり、
空港〜マーレ間はフェリーや橋で結ばれています。

イスラミック・センター(Islamic Centre)
マーレのシンボル的存在。
1984年に完成した巨大モスクで、
世界各国のイスラム教徒からの基金によって建設されました。
正式名称は「マスジッド・アル・スルタン・ムハンマド・タクルファーヌ・アル・アウザム」。
黄金色のドームが特徴的で、マーレ市内でも特に目立つ建物です。
内部には約5,000人を収容できる礼拝空間があり、
図書館、学校、会議室なども併設されています。
モルディブは国民のほぼ全員がイスラム教徒であり、
この建物は宗教だけでなく国家的象徴としての意味合いも強い場所となっています。
※礼拝時間中や露出の多い服装では入場制限がある場合があります。


フクル・ミスキー(Hukuru Miskiiy)
「オールド・フライデー・モスク」とも呼ばれる、
モルディブ最古級の歴史的モスク。
1656年に建設され、
サンゴ石を削って作られた壁面装飾や木彫装飾が大きな特徴です。
モルディブでは一般的な「モスク」ではなく、
伝統的に「ミスキー」と呼ばれています。
イスラミック・センター完成以前は、
モルディブにおける宗教中心地として重要な役割を果たしていました。
敷地内には歴代スルタンや重要人物の墓地も残されており、
墓石の形状にも特徴があります。
- 上部が丸い墓石:女性
- 尖った墓石:男性
現在では、モルディブ伝統イスラム建築を代表する歴史遺産としても知られています。




大統領官邸 (Presidential Palace)
1913年、
スルタン・モハメド・シャムスディーン3世が息子のために建設した宮殿。
セイロン(現在のスリランカ)系建築様式の影響を受けた
コロニアルスタイルの建築となっています。
その後、モルディブで王政が廃止され、
1953年に共和制へ移行したことで、大統領官邸として使用されるようになりました。
白壁と青緑色の装飾が特徴的で、
マーレ市内でも比較的目立つ歴史建築のひとつです。


新大統領官邸 (New Presidential Palace)
1994年には、
新たな大統領官邸「ティームゲ(Theemuge)」が建設されました。
そのため、現在のマーレには旧官邸と新官邸の両方が存在しています。
近代的な大型建築ですが、警備も厳しく、周辺は静かな空気感が漂っています。


国民議会(People’s Majlis)
モルディブ国民議会「People’s Majlis」の現議事堂は、1998年に完成。
パキスタン政府の支援によって建設され、
当時のパキスタン首相ナワズ・シャリフの協力もあったとされています。
建設には約425万ドルの援助が提供されたそうです。
モルディブ政治の中心機関でありながら、
比較的小規模な建物である点にも島国らしさを感じます。

市場 (Market)
港周辺には、
ローカル色の強い市場エリアが広がっています。
ボドゥタクルファヌ・マグ沿いには、
魚市場と野菜市場が並んでおり、地元住民の日常風景を見ることができます。
野菜市場
南国フルーツや香辛料が並び、
モルディブの日常的な食文化を感じやすい場所。
観光客向けというより、
地元住民向けの生活市場という雰囲気が強く残っています。
噛みタバコ用の葉など、
日本ではあまり見かけない商品も並んでいました。


魚市場
モルディブ近海で水揚げされた魚が大量に並ぶ活気ある市場。
特に有名なのがカツオです。
モルディブではカツオ漁が非常に盛んで、
伝統的な一本釣り漁法でも知られています。
また、
モルディブ名産「モルディブ・フィッシュ」も有名。
これはカツオを加工・乾燥させた保存食で、
日本の荒節に近い存在ともいわれています。
スリランカ料理などにも広く使われており、
インド洋文化圏との繋がりも感じられます。


マーレの風景




モルディブ旅行というと、
リゾート滞在やダイビング目的の旅行者が圧倒的に多く、
首都マーレを歩く人は意外と少ないかもしれません。
実際、
空港からそのまま水上飛行機やスピードボートへ乗り継ぐケースもかなり多いです。
ただ、実際に歩いてみると、
高密度都市の景観、
イスラム文化、
港町独特の活気など、
リゾートアイランドとはまったく異なるモルディブの一面を見ることができました。
島自体は小さいため、
空港乗継の待ち時間を利用した半日散策でも十分楽しめると思います。
リゾートだけでは見えない、
「人が暮らすモルディブ」を感じられる場所でした。

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