旅行者あこがれの地、インド。
インドを訪れた人は「何度も行きたくなる」か、「二度と行きたくない」かに分かれる――
そんな言葉を耳にすることがよくあります。
圧倒的な人の多さ、強烈な匂い、騒音、宗教と日常が溶け合う空気。
そのすべてが、旅人の感覚を試してくる国です。
今回は、そんなインドの首都デリーにある
インド最大級のイスラム教モスク「ジャマ―・マスジット」を中心に、
周辺の街歩きスポットもあわせてご紹介します。
住所: Jama Masjid Rd, Chandni Chowk, Old Delhi, Delhi 110006 インド
| 時間 | 夏季:8:00~19:00 冬期:8:00~17:00(*イスラム教の祈りの時間は、1日5回は、イスラム教徒のみ入場可能) 金曜日のみ、8:00~11:00 |
| 定休日 | 金曜日の11:30~ |
| 料金 | 無料 *カメラの持込料:300ルピー、ビデオカメラ:300ルピー |
※入口で靴を脱ぐこと
※カメラ持ち込みチケットはカウンターではなく、入口付近でスタッフ証をぶら下げた人が売っている。
入場料といってむりやり売りつけることが多いので注意(チケットにはただ「Ticket」と記載されているだけなので、ややこしい)
*100ルピー=145円程度
ジャマ―・マスジットは、
ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって
17世紀(1656年)に建立された、インド最大級のモスクです。
正式名称は
「マスジド・イ・ジャハーン・ヌマー(世界を映すモスク)」。
「金曜モスク」と呼ばれるのは、
金曜日にイマーム(導師)による説教を伴う集団礼拝が行われるため。
この呼び名はイスラム世界各地に存在します。
ファサードは、
赤い砂岩と白い大理石の組み合わせが印象的。
左右対称に配置された幾何学模様と、
イスラム建築を象徴する球根型ドームが目を引きます。
「インドに来たな」と実感させてくれる、まさに王道のムガル建築です。
金曜日以外は比較的落ち着いた雰囲気で、
境内にはハトが多く、のんびりとした空気が流れていました。
入口部分に見られる小さな屋根付き構造は
チャトリー(小亭)と呼ばれ、これはインド土着建築の要素です。
つまりジャマ―・マスジットは、
イスラム建築 × インド建築
という東西文化の融合を象徴する存在でもあります。
中央には大きなシャンデリアが吊るされ、
内部ではイスラムの服装に身を包んだ信者たちが
静かに祈りを捧げています。
中には、イスラムの恰好した信者たちがたくさんいます。
赤砂岩の質感を見るだけでも、
「インドらしさ」を強く感じさせてくれます。
マスジット内の壁に描かれている模様は、なぜか前方後方墳に見えてしまう。
信者がお祈りを捧げています。
礼拝所を特徴づけるミナレット(尖塔)は高さ約40m。
かつてはここから1日5回、礼拝の呼びかけが行われていました。
正面の大きなアーチ型開口部と半球状天井、
それを四角く縁取る構成は、典型的なイスラム建築様式。
このアーチ状空間はイワーンと呼ばれ、
奥の中央ドームを隠すほど高く設計されているのが特徴です。
この様式は、
ペルシアのサファヴィー朝建築の影響を受けているとされています。
住所:Rajpath, India Gate, New Delhi, Delhi 110001 インド
高さ42mのインド門は、
第一次世界大戦およびアフガン戦争で戦死したインド兵の慰霊碑です。
壁面には、約1万3,500名の戦没者の名前が刻まれています。
当時インドは、
「戦後の独立」を条件にイギリスに協力して参戦しましたが、
実際には独立は実現せず、
その後も長い植民地支配が続くことになります。
現在は、
デリー市民や観光客の憩いの場として親しまれています。
ちなみに、
スターバックスのご当地マグカップのモチーフもインド門でした。
このエリアを少し歩くだけで、
インドらしい光景が次々と現れます。
観光地の枠を超え、
インドの日常そのものを感じられる場所です。
時間が許せば、
ぜひ路地裏まで足を延ばしてみてください。
きっと、さらにディープなインドの姿が覗けるはずです。
路上の床屋さん。
ちょっと怖い。。。
屋台も多数ありました。
ジャマ―・マスジットは、
インドという国が持つ「信仰・歴史・日常」が一体となった場所です。
荘厳な建築を見上げるだけでなく、
今もなお祈りが捧げられ、人々の生活が息づいていることを肌で感じられるのが、このモスクの最大の魅力でしょう。
整然とした観光地では味わえない混沌こそが、インドの本質。
デリーを訪れたなら、ぜひ一度はこの空間に身を置き、
「インドを体感する時間」を過ごしてみてください。