ホンジュラスの世界遺産「コパン遺跡」を散策してみた。

スペイン語の航海用語で、「深い淵」が国名の由来となったホンジュラス。

そんな。ホンジュラスには、世界遺産が2か所あります。

  • リオ・プラタノ生物園保護区(1996~2004年)
  • コパン遺跡(1980年)

今回は、マヤ遺跡の中でも芸術性の高い「高浮き彫り」彫刻で有名で、グアテマラの国境近く、
モタグア川支流のコパン川岸にあるコパン遺跡を紹介します。

ちなみに、マヤ遺跡では、3番目に世界遺産になっています。

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  • アクロポリス (Acropolis)
  • グラン・プラザ(GRAND PLAZA)
  • コパン遺跡 (Maya Site of Copan)

    1980年 ユネスコ文化遺産に登録

    紀元426年、メキシコ中央高原テオティワカンと深いつながりをもつ初代の王キニチ・ヤシュ・クック・モ王
    以降17代に渡りマヤ文化圏の南東端の重要都市として発展しました。

    基本情報

    定休日 無休
    時間 8:00~17:00(入場料は、16:00)
    料金
    • US15ドル(1日有効)
    • アクロポリス地下トンネルは、別途US15ドル
    • ガイドは、2時間でUS25ドル
    • 石彫博物館は、別途US7ドル

    コパン遺跡の入口(ビジターセンター)です。

    中に入るとコパン遺跡の模型が展示されています。

    展示場もあり、ここで歴史を学んだ後、遺跡へ向かいます。

    入場券を購入し、中でチケットを渡すと入場ゲートの先には、保護された野生の鳥たちを観察することができます。
    中米は、鳥や昆虫が大変カラフルです。

    この中で一番人気があるのが英語名 Scarlet Macaw。体長が1 m 近くになる大型インコで、
    和名はアカコンゴウインコです。


    さて、コパン遺跡には、17代の王とそれに対する建造物を見ることが出来ます。

    ◎歴代王と建造物一覧

    王位 名前 西暦(即位)
    マヤ暦
    記念碑
    1代 K’inich Yax K’uK’Mo’
    (偉大な太陽・コンゴウインコ)
    426-437 A.D
    (8.19.10.0.0-9.0.2.0.0)
    Motmot Maker
    建造物:Hunal、Yax&Motmot
    2代 K’inch Popol Hol
    (茣蓙頭)
    c.437-470 A.D
    (9.0.2.0.0-?)
    石碑:18&63:XuKpi Stone
    建造物:Yehnal,Margarita,
    Papagoya & Mascarones
    3代 UnKnown c.470-485 A.D
    (?-9.2.10.0.0)
    4代 Ku lx(Cu lx) 485-495 A.D
    (9.2.10.0.0-9.3.0.0.0)
    石碑:34 Bench of Papagaya
    5代 UnKnown c.500-510 A.D
    6代 UnKnown c.510-524 A.D
    7代 Balam Nehn
    (睡蓮ジャガー)
    524-532 A.D
    (9.4.10.0.0-c.9.4.18.6.12)
    石碑:15
    8代 Wil Ohl K’inich 532-551 A.D
    (9.4.18.6.12-9.5.17.13.7)
    Ante Step & Rosalila Step?
    9代 Sak Lu 551-553 A.D
    (9.5.17.13.7-c.9.5.19.3.0)
    祭壇:X
    10代 Moon Jagar
    (月ジャガー)
    553-578 A.D
    (9.5.19.3.0-9.7.4.17.4)
    石碑 9 & 17 : Rosalila Step?
    11代 Butz’ Chan
    (煙る天)
    578-628 A.D
    (9.7.5.0.8-9.9.14.16.9)
    石碑:P&7 祭壇:Y
    12代 K’AK-u-? HA?-K’AWI:L
    (煙イミシュ)
    628-695 A.D
    (9.9.14.17.5-9.13.3.5.9)
    石碑: I.1.2.3.5.6.10.12.13.19
    祭壇:H’,I’,K&5 建造物:Chorcha
    13代 Uaxac-Lahun-u-b’a-hi K’AWI:L
    (18兎)
    695-738 A.D
    (9.13.3.6.8-9.15.6.14.6)
    石碑:A,B,C.D.F,H,J,and 4
    祭壇:S
    建造物:2.4.9.10.22
    神聖文字の階段&Esmeralda(第1期)
    球技場:Ⅱ-B& A-Ⅲ
    Sun Court
    14代 K’AK’-jo-po la-ja-CHAN K’AWI:L
    (空で火をたくカウィール)
    738-749 A.D
    (9.15.6.16.5-9.15.17.12.16)
    建造物:22-A(PoPol Na)
    15代  K’AK-yi-pi ya-ja-CHAN-na K’AWI:L-la
    (空を火で満たすカウィール)
    749-763 A.D
    (9.15.17.13.10-c.9.16.12.5.17)
    石碑:M & N
    神聖文字の階段(第2期)
    16代 YAX-Pa sa-ja CHAN-no yo?-a-AT-ta
    (最初の夜明けの空)
    763-before 820 A.D
    (9.16.12.5.17-9.19.10.0.0)
    石碑:8.11 & 29
    祭壇:G1,G2,G3,O,Q,R,T,U,V,Z,B’,
    C’,D’,F’,G’,W’ & 41
    建造物:11.16.18.21-A,29&32
    17代 u-ki-ti to-TO:K’ Feb 10,822-? A.D
    (9.19.11.14.5-?)
    祭壇:L(最後の王)

    建造物11 (Estructura 11) 16代王時代 マヤ暦 9.16.18.2.12 西暦 769

    階段上部中央に貝のマーカー、両端に嵐の神の像が取り付けられています。

    グランプラザ方面からEstructura 11の眺め。

    長老の頭・パワトゥーン神 (Cabeza del Anciano, Pauahtun)

    嵐神の彫刻 (Escultura de Dios Tormenta)

    西端にあり、嵐を呼ぶ神様。
    右手にトーチを持っています。

    石碑P (Estela P) 11代王時代 マヤ暦 9.9.10.0.0 西暦 623

    建造物16 (Estructura 16) 16代王時代

    16代ヤシュ・パサフ王により776年に完成したそうで、古い時代の神殿が何層にも重なっているのが発見されています。

    この建造物の中には、ロサリラ神殿があります。
    現在は、復元されたものが、石彫博物館にあります。

    祭壇Q (Altar Q) 16代王時代 マヤ暦 9.17.5.3.4 西暦 776

    16代ヤシュ・パサフ王が、初代王から王笏を受け取る場面の祭壇西面です。
    この石碑には、歴代16代の王の名とその姿が刻まれています。

    正面には、初代王のキニチ・ヤシュ・クック・モ王と16代王のヤシャ・パサフ王の石碑が配されています。
    16代王が自らの王権の正当性を訴える目的があったと言われています。
    ちなみにこれは、レプリカで本物は、石堀博物館にあります。

    エル・セメンテリオ (El Cementerio)

    貴族の居住エリアです。
    四角い中庭を囲む形で、25を超える建物群があったそうです。

    建造物18 (Estructura 18) 16代王時代

    ヤシュ・パサフ王の時代の建造物です。
    建物の下には、王の葬室があったそうです。

    4本の柱の内側には浅い浮彫りのモザイク彫刻で、戦士の姿をしたヤシュ・パサフ王の姿が刻まれています。
    また、ここの石は非常に綺麗です。

    ジャガーの王座 (Trono de Jaguar)

    ジャガーの豹紋が刻まれた玉座があります。

    アクロポリス (Acropolis)

    神聖文字の階段のある神殿26の南側の区画で、東広場パディオ・オリエンタルと西広場パディオ・オクシデンタルからなっています。
    王族の政務を行う特別な空間で、18ウサギ王の石碑(Estelas del Rey 18 Conejo)が並んでいます。

    東の広場 (Plaza Oriental)16代王時代

    別名ジャガーの広場として知られる東の広場は太陽崇拝の場です。

    太陽ジャガー神の彫刻 (Esculturas de Dios Sol Jaguar)

    踊るジャガー神の彫刻 (Esculturas de Dios Sol Jaguar Danzante)

    ロサリラのトンネル (Tunel Rosalila) 10代王時代

    ロサリラは 10代月ジャガー王により 571年に完成された神殿で、その後13代 18ウサギ王
    が築いた方形の建造物で覆わたが、1989年からのトンネル調査で発見されました。

    中に入り、のぞき窓からのぞくと太陽のマスクが見えます。

    のぞき窓から見える神殿の一部です。

    この白い部分が太陽のマスクです。
    非常にわかりづらいですが。

    当時の赤色の名残が見えますね。

    こうやってトンネルを見学すると歴史を感じることができますね。

    ジャガーのトンネル (Tunel Jaguar)

    ジャガーのトンネルの入り口は、白い扉の中から入ります。

    ゴンゴウインコの図柄が漆喰彫刻を見ることができます。

    建造物20のトンネルから出た後ろからみた風景。

    建造物 22 (Estructura 22) 13代王時代

    18ウサギ王の即位後、1カトゥンを記念して 715年に作られたました。

    大地の怪物を表す仮面のようなものが、四隅に飾られています。

    建造物 22A ポポル・ナ (Estructura 22A Popol Nah) 14代王時代 マヤ暦 9.15.15.0.0 西暦 746

    ポポル・ナは 共同体の家。

    グラン・プラザ(GRAND PLAZA)

    遺跡入口から進んで見えてくる広々とした空間にいくつもの石碑が立つエリア。
    特に、18ウサギ王の石碑(Estelas del Rey 18 Conejo)が有名です。

    神聖文字の階段 (Escalinata de los Jeroglíficos) 第一段階 13代王時代 マヤ暦 9.14.12.0.0 西暦 723 第二段階 15代王時代 マヤ暦 9.16.18.9.19 西暦 755

    マヤで最も長い碑文を持つ神聖文字の階段が天幕の下に保護されています。

    階段は幅 10m、高さ 21m に及び、63段 ある。
    13代目の王が建設したものだが、紆余曲折を経て15代目のフーモ・コンチャ王が新たに
    2倍の長さの神聖文字の階段を建設しました。
    2500文字以上ひつとの石に象形文字でコパン王朝の起源にまで遡る王朝史が刻まれています。

    1レンピーラのお札の裏側には、この神聖文字の階段が描かれています。

    保存にも気を使っています。
    一番下の肖像は、12代煙イミシュ王のものと言われています。

    石碑M (Estela M) 15代王時代 マヤ暦 9.16.5.0.0 西暦 756

    自己犠牲の儀礼を行って祖先を呼び出す15代王が刻まれています。

    球戯場 (Juego de Pelota) 13代王時代 マヤ暦 9.15.6.8.13 西暦 738 

    初代王キニチ・ヤシュ・クック・モの時に、建設され、13代18ウサギ王の時に今の形になったそうです。

    マヤ遺跡では同じみの建造物です。

    石碑N (Estela N) 15代王時代 マヤ暦 9.16..10.0.0 西暦 761

    石碑Nには、南北の両面が王の肖像が刻まれています。
    この石碑の土台には、738年に即位した14代王カック・ポプラフから15代王カック・イピヤフが
    王位を継承したことが刻まれています。

    祭壇L (Altar L)  17代大王時代 マヤ暦 9.19.11.14.5 西暦 822

    祭壇Lは、コパン遺跡の最後の祭壇です。
    これをもって繁栄を誇ったコパン王朝も終焉を迎えたと考えられます。
    画像が望遠のため粗いです。

    建造物10 (Estructura 10) 13代王時代

    コンゴウインコが象徴的です。

    石碑1 (Estela1) 12代王時代 マヤ暦 9.11.15.14.0 西暦 668

    12代王煙イミシュの治世の終わりを記念して建てられた石碑です。
    トウモロコシの神の姿を現しています。

    かなり劣化が進んでいます。

    石碑2 (Estela 2) 12代王時代 マヤ暦 9.11.0.0.0 西暦 652

    同時期に、5本の石碑が建てられ王の肖像が彫られたこの石碑のみ建造物11の上に建てられています。

    石碑I (EstelaI) 12代王時代 マヤ暦 9.12.3.14.0 西暦 675

    石碑Iは、神話上の王朝創設について記されています。

    石碑H (EstelaH) 13代王時代 マヤ暦 9.14.19.5.0 西暦 730

    トウモロコシの神に扮した18ウサギ王が刻まれています。
    トウモロコシの神は、世界創造の神であり、背面には、8文字の神聖文字が添えられて、ウサギ王の名前が
    刻まれています。

    石碑F (Estela F) 13代王時代 マヤ暦 9.14.10.0.0 西暦 721

    18ウサギ王は、ジャガー神の姿で表されています。
    石碑の前に置かれた祭壇には、東西両面にジャガーの顔が彫られています。

    石碑C (Estela C) 13代王時代 マヤ暦 9.14.19.5.0 西暦 730

    石碑Cは、神々による宇宙の創造の活動を表し18ウサギ王は、世界樹に模して刻まれ、王の神格化を目的で刻まれています。

    石碑B (Estela B) 13代王時代 マヤ暦 9.15.0.0.0 西暦 731

    石碑Bは、正式に 15カトゥンを祝って奉じられた石碑です。

    石碑D (Estela D) 13代王時代 マヤ暦 9.15.5.0.0 西暦 736

    石碑Dは、18ウサギ王の最後の石碑です。

    石碑4 (Estela 4) 13代王時代 マヤ暦  9.14.15.0.0 西暦 726

    碑文には、キニチ・ヤハウ・フンという想像上の王がコパンの守護神を受けとるという神話をもとに18ウサギ王が
    後継者となることが刻まれています。

    石碑E (Estela E)  12代王時代 不明

    18ウサギ王は 自らの石碑群を見渡すように、父王の石碑Eをそのままの位置に残したと言われいます。

    石碑3 (Estela 3) 12代王時代  マヤ暦 9.10.19.5.0 西暦 652

    コパンで初めて両面に王の肖像が彫られた石碑で、この様式は次の13ウサギ王に引き継がれます。

    建造物4 (Estructura 4) 13代王時代

    ピラミッドの側から16体のジャガーの埋葬が発見されており、これは、16代王が最後の改築の際に奉納されたそうです。


    日本とホンジュラスとの友好の証です。

    こんな掲示板もあります。

    マヤ遺跡の中でも最も見るべき遺産のひとつコパン遺跡。
    1日いても見切れないほど魅力的な遺産です。
    日本では、なかなか知られていない遺産かもしれませんが、マヤ文明を知るには非常に興味深い遺産です。
    なかなか、ホンジュラスまで行く機会が少ないと思いますが是非行ってみてください。


    Wandering Traveler

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