古代オリンピックの発祥地!! 世界遺産「オリンピアの古代遺跡」を散策してみた。

ペロポネソス半島の西部にありオリンピック発祥の地であるオリンピア。

神話によると、この地は、古くから「聖なる森アルティスの礼拝地」として知られています。
古代オリンピックの第1回大会は、紀元前776年に開催されました。

伝染病の蔓延に困ったエリス王イフィストが争いをやめるように競技会を復活せよとの
アポロンの信託により始まったと言われています。
競技会は、4年に1度、夏至の後の満月の日より5日間かけて行われ、第1回~13回までは
競技としては、短距離走のみでした。

ちなみに、第1回目の優勝者はエリス出身の料理人コロイボスと言われています。
それ以降、競技の種類も増え、多いときで21種の種目があったそうです。
また、絶頂期の紀元前5世紀頃には、20万人も観客がいたと言われています。
ただ、その後、393年ローマ皇帝により異教徒の祭りとして競技会は廃止されました。
その後、1500年後の1896年に近代オリンピックとして第1回アテネオリンピックが復活開催されました。

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オリンピアの古代遺跡 (Archaeological Site of Olympia)

住所:Archaia Olympia 270 65 Greece

1989年 ユネスコ文化遺産に登録

基本情報

定休日 無休(但し、1/1、3/25、イースター日曜、5/1、12/25、26は除く)
時間 8:00~19:30(夏期)
8:30~17:00(冬期)
料金 12€(オリンピア考古学博物館との共通チケット)

こちらがオリンピアとオリンピア考古学博物館共通チケットです。


こちらがチケット販売所です。

下がオリンピアの地図です。

体育練習場 (Gymmasion)

ここで、オリンピック競技者は、事前に認定を受けるため体育練習場か闘技場での合同練習が
義務付けられていました。

闘技場 (Palestra)

フェイディアスの仕事場 (Workshop of Preidias)

紀元前400年代の彫刻家フェイディアスは、ここで、ゼウス神殿のゼウス像を制作したそうです。

ちなみに、フェイディアスは、アテネのパルテノオン神殿のアテナ女神像や
パルテノオン神殿のリレーフも制作したそうです。

ローマ時代になり、西暦435年から451年の頃になるとフェイディアスの仕事場は、キリスト教の教会になります。
現在でも、遺跡の中にキリスト教の教会の特徴が残っています。

神官の宿舎 (Theikoleon)

宿泊所 (Leonidaion)

紀元前4世紀、ナクソス島出身の建築家レオニダスにより建造された宿泊施設で、オリンピア最大級の建物です。
中央には、ローマ時代の円形の水盤があります。

評議会場 (Bouleuterion)

ここでは、オリンピックに参加した選手全員が宣誓した場所。
ここで、ゼウス神に不正がないことを誓ったそうです。

ゼウスの神殿 (Temple of Zeus)

紀元前470~456年に完成したゼウスの神殿は長さ64m、幅27m、ドリア式の柱の高さは、
10mもありアテネのパンテオン神殿に匹敵する大きな神殿であった。

神殿の中には、金と象牙で造られた高さ13.5mの巨大なゼウス像が置かれていたが、ローマ時代末期に
コンスタンティノープルに運ばれ、後に焼失してしまったそうです。

1本だけ柱が立っています。

神殿の正面です。

神殿の中に置かれていたゼウス像のイメージ写真

下の写真は、ゼウス神殿のイメージ図です

建物の上部のファサードは、オリンピア考古学博物館に設置されています。

ニケの像 (The Nike of Paionnios)

パイオニオスにより紀元前421年に制作されたニケの像は、高さ2.115m、
三角の台座の高さ8.81mありゼウス神殿前に建てられた記念碑です。

彫像自体は、オリンピア考古学博物館に設置されています。
この像は、地上に降り立つ様子をとらえた姿と言われています。

給水施設 (Nymphaion of Herodes Attikos)

イロド・アティコスが寄進したニンパイオンは、常に冷たい水が、使えるように、わずかに
傾斜がついた循環施設が備わっていたそうです。

母神殿 (Metron)

ゼウスの母レアに捧げられた神殿と言われています。

宝庫 (Treasuries)

ゼウス神に奉納した品々が収められ、オリンピックの時は宿泊所にもなっていたそうです。

反響廊 (Stoa of Echo)

ここで声を出すと響いたそうです。

スタジアム (Stadium)

遺跡の奥にあるスタジアムは、幅30m、長さ192mもあり収容人数は、約2万人と言われています。

古代オリンピックは、第一回大会では、短距離走だけでしたが、その後、5種競技など追加されてきました。
ちなみに、競技に参加できる人は、ギリシャ人の自由民の男性だけで、競馬や単車競争以外は、
すべて全裸で行われていたそうです。

女性は、見学について禁じられていましたが唯一デメテルの女神官のみ左側の丘で見学が許されていました。
ちなみに、スタジアムの語源は、古代ギリシャで行われた陸上競技の短距離走(スタディオン走)が
由来となっています。

1スタディオンは、約180mで、祭壇に供物を捧げる際に180m早く走ったものに、供物に点火する名誉が
与えられたそうです。

スタジアム西側にあるアーチの門は、ヘレニズム時代の後期に設置されたそうです。

ここで、オリンピックが行われたと思うと考え深いです。

ペロピオン (Pelopion)

ゼウス神殿とヘラ神殿の間にあるペロピオンと呼ばれる聖域があり、ここにペロプスが
葬られた塚があったと言われています。

オリンピック大会では、黒い羊を生贄に捧げ、ペロプスを弔う儀式もあったそうです。
現在は、姿もなくよくわかりません。

ヘラ神殿 (Heraion)

紀元前7世紀後半、オリンピアで最初に造られた神殿で現存するギリシャ最古の神殿です。
長さ約50m、幅19m、高さ5.2mの柱が16本並んでいます。
近代オリンピックの聖火は、この神殿で採火されています。

フェリペイオン (Philipeion)

紀元前4世紀、マケドニア王がフィリッポス2世が戦争勝利を記念して建てられたモニュメントで、
イオニア式の柱廊のある円形の建物は、アレクサンドロス大王の時代に完成した。

オリンピア考古学博物館 (Archaeological Museum of  Olympia)

住所: 4, Archea Olimpia 270 65 Greece

入場料金は、上記と共通チケットなので12€になります。
半券がチケットについております。

博物館の入口です。

ヘラ神の頭像

アルカイック期に制作され、この作品は紀元前600年頃のものです。

ガニュメデスをさらうゼウス像

アルカイック期に制作され、この作品は紀元前480年頃のものです。

牝牛像

イロド・アティコスの妻が、ゼウスに捧げた牡牛像で、牛の体に文字が彫られています。

勝利の女神のニケ像

赤子のディオニソスをあやすヘルメス像

ヘラ神殿に置かれていたプラクシテレス作で紀元前330年頃の作品です。

その他、オリンピアから発掘された作品があります。

古代の息吹を感じることができるオリンピア遺跡とオリンピア考古学博物館。
アテネから離れていて、交通手段も不便ですが見どころ十分なので、是非訪れてみてください。


ちなみに、オリンピアのゼウス像は、紀元前2世紀頃にフィロンが書いた「世界の7つの景観」(世界の7不思議)に選ばれています。

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参考までに。


さて、ギリシャを旅するとギリシャ神々の話がいろいろな形で登場してきます。
そのため、事前にギリシャ神話を学んでから旅行すると非常に遺跡や博物館が楽しめます。
ただ、ギリシャ神話は非常にわかりづらく本を読んでも理解できない部分があります。
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