ティムールの生まれ故郷!!世界遺産「シャフリサブスの歴史地区」を散策してみた

シャフリサーブスは、カシュカダリヤ用の流れに育まれたソグディアナは、玄奘もインドへの
途上に立ち寄った記録もある古の古都です。
しかし、この古都が有名になったのは、ティムール帝国を築きあげたティムール生誕の地であるからです。
ティムールは、1336年に、この地を治める豪族の家に生まれ、後に世界的な支配者になっていきます。
そして、世界を支配していた彼は、故郷に忘れずに、壮大な建築群を築いていきます。
しかし、16世紀後半になると嫉妬にかられたブハラのアブドゥール・ハンによってティムールの遺産のほとんど
が破壊されてしまいました。

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シャフリサブスの歴史地区(historic-centre-of-shakhrisyabz)

2000年 ユネスコ無形文化遺産に登録

サマルカンドの南60㎞にあるシャフリサブス(古名ケシュ)は、ティムールの故郷として知られる町です。
彼は、34歳でティムール帝国を建国すると、首都サマルカンド建設に匹敵する熱意をもって、故郷の町に
多彩な建造物を建築していきました。
しかし、16世紀後半、ブハラ・ハーン国のアブドゥール・ハーンが、これからの建造物のほとんどを破壊して
しまい、現在見ることができるのは、ティムールの父や息子の廟、モスクなど、一部の建造物と遺構だけです。
ティムール帝国最大の建造物といわれるアク・サライ宮殿に残る巨大なアーチの残骸が、かつての威容を物語っています。

サマルカンドからシャフリサーブスへの行き方

サマルカンドからシャフリサーブスまでは、車で、約90㎞程度の距離があり、時間で1時間30分程度かかります。
下の地図がイメージです。

サマルカンドからシャフリサーブスへの移動手段は、大きく2つあります。

  1. ホテルや旅行会社等で手配するチャータータクシーです。
    値段は、高めですが、目的地まで最短で行くことができ、しかもチャーターのためかなり融通がききます。
    時間のない方には御勧めです。
  2. レギスタン広場近くのシェアタクシーを利用することです。
    乗り場所は、GoogleMap上だと、Car to Shahrisabzと記載されています。車が何台も並んでいて、観光客には、シャフリサーブスと声をかけてくるのですぐにわかると思います。
    ここで価格交渉を行いますが、なかなか金額が下がりませんので、交渉はしっかりすることが御勧めします。
    ネットや書籍は、40,000スム程度と書かれていましたが、金額がかなり高騰しており、交渉しても10ドル以上かかりました。
    また、チャータータクシーと違い、シェアタクシーのため、座席が埋まるまで出発しません。
    帰りも同じで、座席が全部埋まらないと出発しないので時間に余裕がないと厳しい場合もあるので注意してください。

チケット販売所は、数カ所あります。

アク・サライ宮殿( Ak Sarai palace)

住所:3R6H+8RF, Shahrisabz, Qashqadaryo Viloyati, ウズベキスタン

時間 7:00~18:00
定休日 無休
料金

1380年に着工され、ティムール死後の1405年まで建設が続けられた、おそらく彼が残した最も壮大な建造物ですが
現在は、入口アーチだけが残っています。
アク・サライとは、「白い宮殿」という意味だが、実際は、青と金色のタイルで装飾された宮殿でした。
白は、「高貴な」という意味があり、この名で呼ばれたそうです。
現在のアーチの高さ38m、壊れる前は、50m以上の高さがあったらしいです。

このアーチ左側(東)の円柱の中ほどには、アラビア文字で「スルタン(王)は、アラーの影である」という意味が書かれています。
しかし、右側の円柱には、「スルタンは、影である」としか書かれていないらしい。
もちろん「スルタン」は、ティムールのことで、言い伝えによれば、建築家は、この誤りのためアーチの上から
投げ落とされたらしいです。

ティムール像

この入口アーチからは南に大理石が敷き詰められた中庭が広がり、宮殿そのものは、現在ティムール像が立つあたりに
あったと言われていました。
宮殿屋上にプールがあったと伝えれてています。
現在この宮殿の北側に、かつて中心部を取り囲んでいた城壁の一部が再建されました。

シャフリサーブスは、ウェディングフォトスポットとして有名だそうです。

ドルッティロヴァット建築群

住所:2RXH+R4J, Shahrisabz, Qashqadaryo Viloyati, ウズベキスタン

時間 8:00~18:00
定休日 無休
料金

「瞑想の家」と呼ばれる「ティムールゆかりの建築群」で中庭に入ると、右側に青いドームのコク・グンパス・モスク
それに向き合って2つの廟が並んでいます。
通りからも輝いて見えるこのモスクは、ウルグベグによって1435~1437年に建てられました。
内部の絵画が修復されています。

グンバズィ・サイーダン廟

右側奥にあるグンバズィ・サイーダン廟で、ウルグベグの自分の子孫のために建てたもので内部には、4つの墓石が並んでいます。
一番奥の墓石にはくぼみがあり、くぼみの水を病気の患部につけると、その病気が治るという言い伝えがあります。

シャイフ・シャムスッディン・クラル廟

1374年にティムールによって建てられた物で、ティムールの父とその指導者シャムスッディン・クラルが葬られています。

ドルサオダット建築群

住所:3R2H+2WP, Shahrisabz, Qashqadaryo Viloyati, ウズベキスタン

時間 9:00~17:00
定休日 無休
料金

町の老人たちの信仰を集めるハズラディ・イマーム・モスクの中庭を通っていくと、修復されたジャハンギール廟が見えてきます。
ティムールが、22歳の若さで戦死した長男のために建てた巨大な廟で、純白の墓石が置かれています。
廟の前の基礎だけが残る空き地が示すように、かつては、広大な建築群がここにありました。
南側に墓石のみが残るティムールの次男、ウマル・シュイヒ廟もそのひとつです。
またここには、ティムール廟と言われる墓室も残っています。
ティムールが自分のために用意したものだが、彼はサマルカンドに葬られました。
ちなみに、ドルッサオダットとは、「大いなる力の座」という意味です。

ハズラディ・イマーム・モスク

シャンギール廟

ティムールの墓

ティムールが葬られたはずだった石棺です。

サマルカンドからも1時間30分で行くことができる世界遺産で、見どころは十分です。
足を延ばしても行く価値があると思います。



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