ブッダの生涯に関わる仏教4代聖地と呼ばれてい場所が、全部で4カ所あります。
また、上座仏教の経典である、大般涅槃経には、こう記されています。
アーナンダーよ。忠実な人々の感情を喚起させる4つの場所がある。
そこはどこか?
「ここで如来が生まれた。」これがひとつ
「ここで如来は、悟りを得た。」これがふたつ
「ここで如来は、法を説いた。」これがみっつ。
「ここで如来は、涅槃に入った。」これが4つ
今回、ご紹介するのは、ブッダが生誕の地、ルンビニです。
1997年 ユネスコ世界文化遺産に登録
紀元前6~前5世紀頃、インドとネパールの国境沿いのカラヴァストを支配していたシャーキャ族の
王妃マーヤー夫人は、白い象が胎内に入る夢を見て懐妊したという。
出産のために故郷へ向かっていた夫人が、途中、ルンビニの沙羅樹の枝に手を伸ばすと夫人の水脇から
釈尊が誕生しました。
これにちなみ、ルンビニは、仏陀の生誕の地として、インドのブッダガヤ、サルナート、クシナガラ
とともに仏教の4大聖地のひとつに数えられています。
1896年には、当地から仏陀生誕の地であることを証明するアショーカ王の石柱も出土しています。
住所:F79G+V83, तौलिहवा रोड, Lumbini Sanskritik 32900 ネパール
時間 | 5:00~19:00(11月中旬~1月末は、6:00~19:00) |
定休日 | 無休 |
料金 | Rs.600(マーヤー聖堂エリアのみ) |
カメラ持込 | 10$ |
聖園は、マーヤ―聖堂やアショーカ王の石柱、ストゥーパ遺跡跡の周囲に小道が整備されています。
基本、マーヤ聖堂以外のエリアは無料で観光することができます。
もともと聖園は、丹下健三が、1978年にルンビニマスタープランに基づき、その一部として整備が進めれています。
直線入口から長い直線道路を歩いていきます。
チケット売り場は、入場ゲートから30m程度離れています。
なので、先にチケットを購入してから、靴を置く場所で靴を置いてから入場ゲートへ向かうようにしましょう。
このエリアは土足厳禁のため、靴置き場に靴を置いた後、入場チケットを提示し中に入ります。
ここでは、荷物をチェックされており、カメラ類で許可がないものは、すべてロッカーに格納させられます。
入口には、靴を置いてくるように指示したサインもあります。
ただ、靴を脱ぐと足元は、灼熱なので、靴下は必須だと思ってください。
紀元前3世紀から西暦5世紀の仏教のヴィハラ(僧院)の発掘された遺跡と、紀元前3世紀から西暦15世紀の仏教の
仏舎利塔(記念神社)の遺跡がありました。
そして、19世紀に建てられた御堂があった場所に、日本人の調査隊が発掘したところ、アショーカ王が
置いたとされるブッダがこの地で降誕されたマーカーストーンが発見されました。
そして、そこには、マーヤ夫人が右脇腹よりブッダを御生みになった瞬間を模したレリーフが置かれています。
アショカ王が仏陀生誕の場所を示すために置いた石です。
*写真撮影不可のためなし
現在はイスラム教徒による破壊によりその彫刻は失われてしまっています。
*写真撮影不可のためなし
マーヤーは、出産のための里帰りの途上、カピラヴァストゥ郊外のルンビニで子を産ました。
この誕生に関して、ブッダはマーヤーの右脇から生まれ出て7歩あゆみ、右手を上に、左手を下に向けて、
『天上天下唯我独尊』と説いたと言われています。
下のリレーフは、世界三大仏教遺跡群にあるボルブドゥール遺跡にある第1回廊にあるものです。
王子誕生後にその産湯として使われたという池で、1930年に現在の形に整えられたものです。
古代インドを統一したマウリヤ朝三代目の王である、アショーカ王は、(在位:紀元前268年頃 – 紀元前232年頃)
仏教を深く信仰し、仏教を飛躍的に普及させた人物としても有名で、インド各地に王柱を建てており、この石柱もそのひとつです。
石柱には、ベナレスの南方チュナール産の石を使い、ここには、古代ブラフミー文字で
「アショーカ王は、即位20年を経た年に、自らこのシャカムニ・ブッダ誕生の地に巡礼した。住民の租税を8分の1に減ずる」
と記載されています。
ブッダが実在したと決定づけるための根拠となったのが、このアショーカ王の巡礼の石碑の建立だったと言われています。
この石柱は、ブッダの死後100~200年後に建てられたと言われています。
石柱の高さは7.2mで、直径1mの石柱で、柱の上には、馬の像が座っていたと、玄奘三蔵が、633年に訪れた時に
記録していますが現在ではなくなっています。
この文字が、見えずらいですが
「アショーカ王は、即位20年を経た年に、自らこのシャカムニ・ブッダ誕生の地に巡礼した。住民の租税を8分の1に減ずる」です。
聖園に植樹されている菩提樹には、タルチョがたくさんつけられており、ネパールへ来たなという感じにさせられます。
プスカリニ池の前にあるこの大きな菩提樹は、王妃マーヤが王子出産時に右手をかけた無優樹(アショーカの樹)であって
この菩提樹ではありません。
ちなみに、大きな菩提樹は、仏暦2500年(1957年)を記念してマヘンドラ国王が植樹したものです。
この菩提樹の樹の下にはたくさんの僧侶が瞑想にふけっていることがあります。
聖園のシンボルであるブッダの『天上天下唯我独尊』の姿を現した誕生仏が対になって聖園を見つめています。
水路を挟んで2体の誕生仏が向かいあっています。
ブッダの生誕の地であるここルンビニの聖園では、『平和の火』として1986年から燃え続けています。
仏教4大聖地のひとつサルナートを訪問した時の記事は、下記になります。
インド4大聖地のひとつルンビニの聖園。
他の遺跡群と違い空想で感じる場所だと思います。
時間があれば、ティラウラコットとセットでまわるとよりブッダの足跡を感じことができるでしょう。