古代インドで有名な大長編叙事詩である「ラーマヤナ」。
もともとは、ヒンドゥー教の聖典のひとつであり、
「マハーバラータ」と並び2大叙事詩としても数えられています。
成立は、紀元3世紀頃で、詩人ヴァールミーキが、ヒンドゥー教の神話と
コーサラ国のラーマ王子の伝説を編纂したものとされています。
そんな「ラーマヤナ」の舞台が見れるのが、今回紹介する
Ramayana Ballet Pramabanan です。
Ramayana Ballet Prambanan
住所:Klurak, Tamanmartani, Kalasan, Sleman Regency, Special Region of Yogyakarta 55571 インドネシア
*10,000ルピア=75円相当
下の画像は、Ramayana Ballet Prambanan のイベントカレンダーです。
屋外会場の地図です。
屋内会場の地図です。
会場には、レストランも併設されており、ビンタンビールに、インドネシア版焼き鳥サテで
お腹を満たした後に、舞台を観劇します。
さて、ここでラーマヤナの話について記載します。
物語は、全部で7巻まであり、巻ごとの内容を簡単に説明します。
- 第1巻:バーラ・カーンダ(少年の巻)
世界は、ラクーシャサ王ラヴァーナ王により苦しめられており、くしくも、子供のいないコーサラ国のダジャラ王には
子供がいないため、神々にお祈りをし、王子誕生を祈願した。神々は、ヴィシュヌ神をラヴァーナ王討伐のためカウサリヤー妃から
ダジャラ王の息子としてラーマ王子が誕生させた。そして神々は、ヴィシュヌ神の助けとなるように
カイケーイー妃からバラタ王子、スミトラー妃よりラクシュマナ王子・シャトルグナ王子の2王子が誕生した。
その後、成長したラーマは、ヴィシュヴァーミトラのお供をして、そこで、ジャナカ王の娘シータと出会い結婚をした。
- 第2巻:アヨーディヤ・カーンダ(アヨーディヤの巻)
ラーマ王子の父であるダジャラタ王の妃カイケーイーの侍女マンターラは、カイケーイ妃の息子バラタ王を国王にするため
策略をもちい、ダジャラとカイケーイー妃との間の約束ごとにより、ラーマ―は、ダンガンの森へ追放されてしまう。
なお、国王は、悲しみのあまり絶命。また、バラタ王も王位につくことを拒み、ラーマに国王になるように懇願したが、
ラーマに拒絶されたため、その後、ラーマの代理として執務をとった。
- 第3巻:アラニヤ・カーンダ(森林の巻)
ダンガンの森で聖仙や苦行者たちから要望により、ラークシャサのシュールパナカーらをラーマ王子が追い払ったが、
その後、これを恨みラヴァーナにシーターを奪うようにそそのかし、ラヴァーナ王は、魔女マーリーチャに美しい黄金の鹿に化けさせ、
ラーマ王子がシータの側を離れた隙にシーターを誘拐した。
- 第4巻:キシュキンダー・カーンダ(キシュキンダーの巻)
ラーマ王子は、その後、シータを探す旅に出て、親交を結んだ王国を追われたヴァナラ族のスグリーヴァのために
猿王ヴァ―リンを倒した。スグリーヴァは、その恩にいるため、各地の猿を招集し、全世界を探させ、
その途中ハヌマーンからシータがセイロン島にいることを教わる。
- 第5巻 :スンダラ・カーンダ(美の巻)
風神の子であるハヌマーンは、海岸から跳躍し、セイロン島に渡り
シータを発見し、自分がラーマの使者であり、ラーマ―がシータを救出に来ることを告げる。
- 第6巻 :ユッダ・カーンダ(戦争の巻)
ついに、ラーマ王子とラーヴァ―ナとの間に戦争が起こる。そして、ラーマ王子の猿軍は、大きな被害を受けたが、
徐々にラークシャサ軍を圧倒していき、ついに、ラーマ王子は、ラヴァーナを破ちやぶり、シータとともに帰国した。
- 第7巻 :ウッタラ・カーンダ(後の巻)
ラーマ王が即位した後、囚われた期間のシータの貞潔について疑いの噂が流れ、それを知り悩んだ末に、シータを王宮より追放した。
シータは、聖者ヴァルーミーキのもとで暮らすことになり、ラーマ王の第2子を産んだ。その後、シータは、自身の身の貞潔を
証明を申し入れ、大地に向かって訴え、私が貞潔なら大地が自分を受け入れるように願った。すると大地が割れて
女神が現れ、シータの貞潔を認め、シータは大地の中に、消えていった。それを知ったラーマ王は、嘆き悲しみ
妃を迎えることなくこの世を去った。
さて、
下が舞台の写真です。
ラーマ―とシータが並んでいます。
今回の舞台の様子を動画にまとめてみました。
よろしければ覗いてください。
お酒を飲んだあと、夜風を浴びながら見る舞台はとても良かったです。
インドネシア方面を旅すると、いろいろな形でラーマヤナを感じる場所があります。
事前に、話を知っておくと楽しみも倍になります。
下の書籍を是非読んで物語を理解して旅をすると楽しさも倍増します。
[まとめ買い] ラーマーヤナ
世界遺産の中でも、ラーマヤナを見ることができるなんて贅沢ですね。
もし、興味がある方は是非観劇してみてください。