ガンジス河とバナーラス|生と死が共存するヒンドゥー教最大の聖地

ヒマラヤ山脈の南側に位置し、
全長 約2,525km にも及ぶ巨大な大河――ガンジス河(ガンガー)。

インド北部を横断し、無数の人々の生活と信仰を支えてきたこの河は、
ヒンドゥー教において
「罪を浄め、解脱へ導く聖なる存在」
として崇められています。

その河岸には、84のガード(Ghat) と呼ばれる階段状の施設が連なり、
祈り・生活・死 が、同じ空間で静かに、そして力強く共存しています。

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ガード(Ghat)とは?

ガードとは、ガンジス河の河岸に設けられた階段状の施設です。

ここでは、

  • 沐浴(宗教的な身浄め)
  • 炊事・洗濯などの日常生活
  • 祭礼・儀式
  • 火葬

といった、生と死に関わるすべての行為 が、
特別なものではなく「日常の風景」として行われています。

ガンガー (Ganga)

住所:Dashashwamedh Ghat Rd, Ghats of varanasi, Godowlia, Varanasi, Uttar Pradesh 221001 インド

ガンジス河は、神話によれば――
王 バギーラタ が、先祖の犯した罪を鎮めるため、
長年にわたり苦行と祈りを捧げた結果、
罪障を洗い浄める力を持つ女神ガンガー が
天界から地上へ流れ下ったとされています。

それ以来、ガンガーは
あらゆる罪を浄め、より良い再生を叶える聖なる河
として崇拝され、
現在ではヒンドゥー教最大の聖地のひとつとなりました。

プージャー (PUJA)

プージャとは、ヒンドゥー教における神像礼拝の儀式で、
供物を直接神に捧げる行為を指します。

ガンジス河では、河に花を浮かべ・燭台の火を捧げマントラを唱えながら祈りを捧げるという形で行われます。

ダシャーシュワメード・ガードのプージャ

祈りの中心地である ダシャーシュワメード・ガード では、
日没頃から、ドラや太鼓の音とともに儀式が始まります。

無数の蝋燭の炎に照らされた河岸は、
現実とは思えないほどの 非日常的な空間 に包まれます。

※ ボートからの鑑賞がおすすめ
河上から見ることで、儀式全体を俯瞰でき、幻想的な光景をより深く味わうことができます。

 

📹 ダシャーシュワメード・ガードのプージャの様子は、動画でもまとめています。

ガンジス河の風景(夕暮れ)

夕暮れ時のガンジス河は、
昼間の喧騒とは一転し、静けさと祈りの気配が漂います。

岸辺には多くのヒンドゥー教信者が並び、
それぞれが思い思いの祈りを捧げています。

聖なる牛とヒンドゥー教

ヒンドゥー教で神聖視されている 牛。

なぜ牛が崇拝の対象となったのかは諸説ありますが、

  • 神話に頻繁に登場する存在であること
  • シヴァ神の乗り物が ナンディン(牝牛) であること

などが影響していると考えられています。

一方で、水牛は崇拝の対象ではない という点も、
非常に興味深い文化の違いです。

ガンジス河の風景(日の出)

夜明け前、静かに始まるガンジス河の一日。

沐浴をする人、
祈りを捧げる人、
洗濯をする人――

すべてが同時に存在し、
ごく自然にこの聖なる河へ溶け込んでいきます。

📹 ガンジス河の日常風景も動画にまとめています。

主要なガード紹介

ダシャーシュワメード・ガード

最も巡礼者が集まるガード。
神話では、創造神ブラフマーが儀式を行った場所とされ、
現在も毎晩プージャが行われています。

マニカルニカー・ガード

24時間火葬が行われるガード。
ここで火葬されると、
シヴァ神の救済の言葉 ターラカ・マントラ により
解脱できると信じられています。

※撮影は禁止
(本記事の写真は、遠方から一部を切り取ったものです)

その他のガード

アハリヤー・バーイー・ガード ・シータラー・ガード ・プラヤーグ・ガード

ムンシ―・ガード

チョウサティ・ガード

日本人がオーナーの久美子の家。
こんな場所にあるのがすごい。。

ディグバティヤー・ガード

ラリター・ガード

ラリター女神を祀る祠があります。

バーウリー・ガード

ガンジス河の沐浴

生と死が隣り合う場所で

ガンガーの水で身を清める人のすぐ隣で、
洗濯をする人がいる。

そして少し先では、
人が火葬され、灰となり、河へ還っていく。

旅を終えて

カースト制度の残るインドで、
この言葉ほど強く胸に刺さるものはありませんでした。

混沌、信仰、生活、生、そして死。
それらすべてが同時に存在する場所――
それが ガンジス河とバナーラス です。

「インドを旅すると人生観が変わる」
そう言われる理由を、ここで確かに実感しました。



Wandering Traveler