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世界遺産「フィリピンのバロック様式聖堂」のサン・アグスティン教会を散策してみた。

フィリピンの歴史において、転換期を迎えたのが、1521年のマゼラン率いるスペイン船団による武器の
威力を背景に、スペイン王への服属および朝貢とキリスト教への改宗を要求し、部族長を次々と服従させていくことで
スペインの支配化に置かれました。

また、征服されたフィリピンの原住民はスペイン人征服者によって分配され、分配された徴税権や
労働徴発権と引き換えに、スペイン人はフィリピンの原住民に対してカトリックの布教を
行うことを義務付けられました。

そのため、フィリピンには、歴史的に価値のある教会がたくさんあります。
今回、ご紹介するのは、マニラ市内のイントラムロス内にある世界遺産でもある
サン・アグスティン教会を紹介します。

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フィリピンのバロック様式聖堂 (Baroque Churches of the Philippines)

1993年 ユネスコ文化遺産に登録

1519年、スペイン王の命を受け、5船に280人の乗組員という探検隊が、東洋の香料を求めて出航しました。
指揮をとっていたのは、ポルトガル人の航海家マゼランです。
1521年、フィリピンのセブ島に上陸したマゼランは、島の首長と友好関係を結び、キリスト教を布教しました。
しかし、近在の他の首長たちの抵抗にあい、セブ島近くのマクタン島で戦死してしまいます。
この後、次第にフィリピンは、スペインの支配化に入っていきます。

植民地化が進むと同時に、スペインからは、多くの宣教師が送り込まれ、各地に聖堂が建てられました。
聖堂は、地震や台風などを考慮した強固な石造りで、他のヨーロッパ列強に対する防備の拠点となるように、
要塞として機能を兼ね備えていました。

現在する最古のものは、マニラのサン・アグスティン聖堂で、1571年に基礎がつくられ、1587年の着工から
完成までにおよそ20年の歳月が費やされました。
数多くの地震、第二次世界大戦を耐え抜いたこの聖堂は、「地震のバロック」ともよばれている。
対象となる教会は、4カ所あります。

  • マニラ:サン・アグスチン教会
  • パオアイ:サン・アグスチン教会
  • サンタ・マリア:アスンシオン教会
  • ミアガオ:ビリャヌエバ教会

サン・アグスティン教会(San Agustin Church)

住所:General Luna St, Intramuros, Manila, 1002 Metro Manila, フィリピン

時間
  • 月曜~土曜 8:00-12:00・13:00-17:00
  • 日曜 8:00-12:00
料金 無料
定休日 無休

マニラで唯一の世界遺産に登録されている歴史的建造物です。

フィリピン初のスペイン建築様式の教会で、石造建築としては、フィリピン最古です。
最初に建てられたのは1571年ですが、この時はフィリピンに自生しているヤシの木などを用いた木造の教会でした。
その後も中国の海賊の侵略や蝋燭による火災により2度も完全焼失しています。
その後、サン・アグスティン教会の修道士たちは3度目は石造の教会として、建設を進めて、1607年に完成しました。
1675年から7回にもわたる地震や第二次世界大戦にも耐え、現在もそのままの形を残しています。

ちなみに、第二次世界大戦では、イントラムラス内にある教会は全て破壊されたのですが、
サン・アグスティン教会だけは生き残りました。

教会内部は、荘厳な感じが歴史を物語ります。

教会内はバロック風のインテリアで、パリから取り寄せられたシャンデリアや、イタリア人アーティストによる
壁画や祭壇を見ることができます。

もともとは、教会を中心に左右に鐘楼があったのですが、1863年の地震の被害により解体され、1つだけになってしまいました。
そして、解体された鐘楼にあった重さ3.4㌧もある鐘楼だけ、現在は、入口付近の場所に展示されています。

サン・アグスティン博物館(San Agustin Museum)

時間  8:00-12:00/13:00-18:00
料金 大人 200ペソ/子供 160ペソ/学生 160ペソ/シニア 160ペソ
定休日 無休

こちらが、チケットです。

 

博物館の入口は、教会の入口の右側にあります。
1968年に開館しました。

ここがチケットの販売所です。

博物館内は、想像していたよりかなり広く、普通に見て回ると半日かかるかもしれません。

博物館には、聖人を描いた巨大な油絵26枚をはじめ、スペイン移民の豪商ルイス・アラネタ氏のアンティーク調度品や、
植民地時代の芸術作品などが所蔵されています。

博物館内は、まるで、中世のお城のようです。

通路に飾られている絵画たちの多くは、宗教画です。

司祭の執務室で、木目調の落ち着いたトーンで、チェスなんかもおいてありました。

薬草とかの展示コ―ナもありました。
当時の医学を知る上でも面白い展示です。

司祭たちが利用していたと思われる部屋です。

最後の晩餐の絵画の下に、パンとワインが置いてあるところがななんかおしゃれです。

もともと図書館のようで、ここで神学について学んでいたんですね。

サン・アグスティン教会の聖歌隊席にも入ることができ、見どころは、バロック調の巨大なパイプオルガンがあり
これは、何百年も前に作られたものだそうです。

楽譜のようなものが置いて、あってなにかに利用しているのでしょうか?

18世紀に造られたバロック式様式の祭壇です。

1Fからは、中庭にも出れます。
南国の教会って感じ綺麗でした。

イントラムロスの中で唯一、天災や戦災を免れて破壊されずに現存する世界遺産 サン・アグスティン教会。
また、隣接のミュージアムの展示もフィリピンのスペインによるキリスト教の布教の歴史を知ることができる貴重な場所です。

まさに、マニラ市内の観光では、メインとなるかと思います。
博物館も見ごたえがあるので時間を持って訪問されることをお勧めします。



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