シヴァ信仰の中心と旧藩王の城を訪ねて バナーラス(ワーラーナシー)街歩きガイド

シヴァ信仰の中心と旧藩王の城を訪ねて

ガンガー河畔に広がるインド屈指の聖地、バナーラス(ワーラーナシー)。
この街は、単なる観光地ではありません。

「生と死」「信仰と日常」「祈りと喧騒」
そのすべてが、同じ空間に同時に存在する、インドでも特別な場所です。

今回は、
シヴァ信仰の象徴的存在であるヴィシュワナート寺院と、
ガンガー対岸に佇む旧藩王の城・ラームナガル城
という、性格の異なる2つのスポットを紹介します。

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ヴィシュワナート寺院 (Vishwanath Temple)

住所:インド 〒221001 Uttar Pradesh, Varanasi, ラホリ・トーラ

基本情報

時間 4:00~12:00 13:00~21:00
定休日 無休
料金 無料

バナーラスは、
ヒンドゥー教の最高神の一柱である シヴァ神の最重要聖地 として知られています。
その信仰の中心が、このヴィシュワナート寺院です。

この寺院は、
ガンガー河畔にある「黄金寺院(カシ・ヴィシュワナート寺院)」をモデルに、
1958~1966年にバナーラス・ヒンドゥー大学(BHU)の構内に建立されたもの。

高さは 約76m。
インド国内でも屈指の高さを誇るシヴァ神を祀る寺院として知られています。

■警備の厳しさと信仰の重み

敷地内は、かなり厳重な警備体制。
カメラやスマートフォンの持ち込み制限があり、
内部は基本的に撮影禁止です。

これは単なる観光施設ではなく、
今も生きた信仰の場であることを強く感じさせるポイント。

観光客であっても、
祈る人々の動線や空気感を乱さない配慮が求められます。

早朝や夕方の時間帯には、
静かに手を合わせる地元の人々の姿が多く見られ、
バナーラスという街の「核」に触れた感覚を味わえる場所です。

ラームナガル城 (Ramnagar Fort)

住所:Varanasi Rd, Purana, Ramnagar, Uttar Pradesh 221008 インド

入場時間 10:00~17:00
定休日 無休
入場料 150ルピー(博物館)*施設内は、無料

*100ルピー=140円程度

ガンガー河の岸 に位置するラームナガル城は、
18世紀に建てられた、バナーラス藩王(マハラジャ)の城です。

乾季には、
城の近くに 仮設の浮橋 がかけられ、
そこを渡って徒歩で城内へ入ることができます。

城内と博物館

城そのものは質実剛健な造りで、
豪華さよりも「実用性」を感じるインド藩王の居城といった印象。

内部の博物館では、

  • ムガール時代の武具
  • 王族の衣装や装身具
  • 古い文書や生活用品

などが展示され、
北インドの王侯文化を知ることができます。

城のテラスからは、
ゆったりと流れるガンガー河 を一望でき、
対岸のバナーラス旧市街を眺める時間は、
喧騒から少し距離を置いた「静」の体験になります。

ラームナガル城名物

素焼きの器で飲むラッシー

ラームナガル城周辺には、
観光ガイドにはあまり載らない 隠れた名物 があります。

それが、
素焼きの器(クルハド)に入ったラッシー

写真を見ると分かる通り、
小さな店の前には、常に人の列。

そして、その名物は、素焼きの器にはいったラッシーです。

ヨーグルトに近い飲み物で、
ほんのり甘酸っぱく、暑さで弱った体に染み込む味です。

ただし——

気温 40℃超 の中、
常温で提供されるラッシー。

正直に言うと、
飲むにはそれなりの「勇気」が必要です。

それでも、
地元の人と同じものを、同じ場所で口にする体験は、
バナーラスという街を深く記憶に刻んでくれます。

バナーラスの旅は、
ガンガーに始まり、ガンガーに終わる と言われます。

しかし、
一歩路地に入り、寺院を巡り、城を訪れ、
屋台の列に並んでみると分かるのは——

この街が、
「信仰だけ」「死だけ」の場所ではないということ。

生活があり、笑いがあり、
混沌の中に、確かな秩序が存在しています。

ある意味、
ここほど“インドらしさ”を凝縮した場所はない
そう感じさせてくれるのが、バナーラスです。



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