7層のピラミッドを要する世界遺産「コー・ケー」を散策してみた。

アンコール・ワットやアンコールトムがあるシェムリアップから北東におよそ100㎞離れた距離にあり
921年〜944年というわずか23年だけで遷都されたため「幻の都」です。
このエリアは、世界遺産に登録されています。

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コー・ケー: 古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡 (Koh Ker: Archaeological Site of Ancient Lingapura or Chok Gargyar)

2023年 ユネスコ文化遺産に登録

コー・ケーは2023年に「コー・ケー:古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡」という名称で
世界文化遺産に登録されたアンコール朝時代、928〜944年という短い期間に首都であったチョック・ガルギャーの遺跡群です。

現在ではコー・ケーと呼ばれていますが、当時はクメール語でチョック・ガルギャーという名前でした。チョックは「池」の意で、ガルギャーは「コーキー」と呼ばれる木を指しています。コー・ケーの名前はこれに由来します。
また、サンスクリット語ではリンガプラと呼ばれ、「リンガ(シヴァ神の象徴)の都市」という意味です。

コー・ケーの敷地には、60ほどの遺跡がありますが、ラハールと呼ばれる大貯水池周辺の中心部分が世界遺産の登録範囲となります。

  • プラサット・プラム
  • プラサット・ニエン・クマウ
  • プラサット・チュラップ
  • プラサット・ドムライ
  • プラサット・バラン
  • プラサット・クラチャップ
  • プラサット・クロホーム
  • プラサット・トム
  • プラン(ピラミッド型寺院)
  • プノウ・ドムライ・ソー

コー・ケー(Koh Ker)

住所:QGMP+7WQ, ស្រយ៉ង់ខាងជើង, カンボジア

時間 7:00~18:00
定休日 無休
料金 15USD

下記の画像が、入場チケットです。

EPSON MFP image


コーケー遺跡のチケット販売所

コーケー遺跡は、9㎞四方の中に、約60もの遺跡群があると言われています。
チケット販売所は、遺跡入口にあります。

コーケー遺跡の全体図

ラハール(貯水池跡)を中心に遺跡群があるのがよくわかります。

(Wikipedia借用)

プラサット・トム

コー・ケー遺跡群の代表的な寺院である「プラサット・トム」は、古代カンボジアの王都の中心だったとされています。
建物の入口近辺は、かなり倒壊しており、現在も修復がされています。

レンガ造りの建物が並んでいます。

プラサット・プラン

コー・ケー最大の寺院遺跡プラサット・プランは、本来固有の名称でなく、単に「寺院」の意で、
造営は921-932年頃と言われています。
特徴的なのは、7段とされる巨大な階段ピラミッド状の遺構は、砂岩により形成され、高さ35メートルで
階段状の各層の高さはおよそ5メートル、基座の幅約64.3メートル、第1基壇の幅約62m の四角形をなし、
上部基壇の幅は約(12m) である。頂部には巨大なリンガを設置するための土台の遺構がありました。

現在は、頂上まで階段で登ることができます。

頂上には、かつて祠堂があったことが思い起こさせます。

基壇を支えるガルーダがなんとも微笑ましい。

プレアビィヒア寺院からの眺めも絶景でしたが、プランからの眺めも絶景でした。
まさに、ジャングルの中にある遺跡という感じです。

プノウ・ドムライ・ソー

ジャヤヴァルマン4世が可愛がっていた白象が亡くなった際に建てられた墓と言われています。
この白い象には、「白象とトンセトラ」という伝承もあります。

プラサット・バラン

コー・ケー遺跡エリアの北側に「プラサット・バラン」には、巨石のリンガが巨大なヨニの上に設置されています。
ちなみに、「リンガ」とは男性器のシンボルであり、シヴァ神のエネルギーの象徴でもあり「ヨニ」は女性器をあらわしています。

壁面の中央にある突起した部分から水が流れ出ていたと言われています。

プラサット・ドムライ

シヴァ神に捧げられたこの祠堂は、聖域を守護している4頭の象の彫像があり、ドムライとは、クメール語で「象」のことを
指しており名前の由来になっています。

4頭のうちの3体は、崩れかかっていますが、北西角の1体だけ原型をとどめています。
そして、この彫像は5万リエル紙幣のモデルになっています。

プラサート・クトゥム

東に面したラテライトの土台に建てられた正方形の寺院です。

プラサット・プラム

コー・ケー遺跡エリアの南側にあるのが、プラサット・プラムで、「プラム」とはクメール語で数字の「5」を意味します。
小型の祠堂が5つ並んでいるため、現代ではこのように呼ばれるようになったそうです。

ここの遺跡は、タ・プロームを彷彿とさせる神秘さがあります。

長い年月を経て、まるで人の意思で造られたような造形美を感じます。

コーケー遺跡の周りには、まだ、カンボジアの内戦の影響で、地雷が埋まっている可能性があり、
原則、限られた導線での移動になります。
シェムリアップからは、車で2時間程度かかりますが、ジャングルの中にあるピラミッドなど見どころ充分です。
ツアーならベンメリアとセットかプレアビィヒア寺院とセットにして回るのが効率的だと思います。

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