世界遺産「エルサレム旧市街と城壁」の中にある嘆きの壁は、メインの観光スポットにもなっています。
場所は、神殿の丘と近接しており、当時の歴史的背景を学んでから行くとより神聖な気持ちになれます。
1981年 世界文化遺産に登録。(1981年の第1回臨時世界遺産委員会で世界遺産登録が決定)
エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という3つの宗教の聖都であり
紀元前1000年頃、古代イスラエル王国の第二代王ダビデが、エルサレムを首都と定めました。
息子のソロモン王は、ここに宮殿や神殿を建設し、栄華を極めたが、ソロモン王の死後、王国は
弱体化し、様々な権力者の支配を受け、破壊、再生を繰り返してきた。
ほぼ1㎞四方の旧市街は、16世紀のオスマン帝国時代に築かれた城壁で囲まれており、現在は
キリスト教徒区、アルメニア人地区、ユダヤ教徒地区の4つに大きく分かれており、決して
広くない街の中に、歴史的な宗教的な220の建築物が世界遺産に登録されています。
下は、エルサレム旧市街の地図です。
住所:
時間 | 随時 |
定休日 | 無休(ユダヤ教の安息日である金曜の日没から土曜の夕方までと祝日は、不可) |
料金 | 無料 |
シオン門やヤッファ門から旧市街へ入り、ずっと坂を上っていくと目の前に嘆きの壁が見えてきます。
嘆きの壁の上に、岩のドームが建設されており、ここは、名前の由来の通り、かつては、ユダヤ教の神殿が建っていた場所で
バビロンの捕囚により帰還した人々が建て、ヘロデ王が改修した神殿が、ローマのティトス将軍によって破壊されたのが
70年、その時に部分的に残ったのが神殿を囲む西側の外壁で、これが嘆きの壁と呼ばれている部分です。
1948年からは、ヨルダンの管理下になり、ユダヤ人は、この壁に近づくことすらできなかったが、1967年6月7日の
第三次中東戦争後は、自由に祈ることができるようになりました。
神殿の崩壊後に、ユダヤ人は年に一度許可されている来訪のたびに、帰郷の夢を抱きつつここで祈るようになりました。
特に、神殿の崩壊の月9日(7月・8月)には、多くのユダヤ人が集まり、神殿再興とメシアの来臨を断食しながら祈ります。
壁の石の隙間につまっているのは、人々の悲願を記した紙きれです。
夜になると石の間にたまった夜露が、壁に生え、ヒソブの草を伝って落ちてきます。
それが、涙を流すユダヤ人の姿を映しているようであり、いつの頃か嘆きの壁と呼ばれるようになりました。
また、神の霊が白いハトに姿を変え、祈りを続けるユダヤ人とともに、嘆いたともされています。
2002年に嘆きの壁のひとつの石から4日間に渡って水が流れでました。
しかも、その痕跡は、どういう訳か10㎝×40㎝の長方形になったそうで、調査されたが原因不明で
救世主出現の前触れかと話題になったそうです。
入口は、全部で2ヵ所あります。
下の写真は、モロッコ門の入場ゲートです。
結構セキュリティーチェックは、厳重です。
モロッコ門の入口付近です。
右側の部分は、神殿の丘の入口です。
こちらがもう一ヵ所のゲートからはいって階段を下りた場所になります。
入口からはいって下の写真の奥に見える建物が、ジェネレーションズ・センターで、ユダヤ人の歴史をガラスによって
表現しており、オーディオガイドを聞きながらまわることができます。
嘆きの壁の全長は約490mに及ぶが、一般には神殿の丘の西側外壁のうち地上に見えている幅約57mの部分のみを指しており
この部分は広場に面しており、壁の前が礼拝の場所になっており、ユダヤ教徒が壁に手を触れ祈りをささげています。
広場の前における壁の高さは約19m。地下に埋まっている部分も含めると32m。
積み上げられた石は地上28段、地下17段の計45段にもなります。
1.キッパと呼ばれる帽子をかぶります。
キッパを被る理由は、ヤハウェに対する尊敬と畏れを表すためで、ユダヤ教ではキッパを被ることで、
頭上にヤハウェがいることを認め、ヤハウェの前で謙遜の意思を表すことができると考えられてるからです。
キッパは、壁の仕切りに手前に置いてありますので、それをとって入場してください。
2.男女で入口が別であること
伝統的なユダヤ教では性の分離を教えており、ユダヤ教の儀式においても男性は男性、女性は女性と別れています。
そのことから、嘆きの壁でも男性と女性で祈りの場所が異なるため、嘆きの壁には男性専用入り口、女性専用入り口に
なっており下の写真でわかるように、仕切り板があります。
3.壁に向かってお祈りをする
嘆きの壁に立ったら、願い事を書いた紙を嘆きの壁の隙間に挟み込んで壁に向かって祈りを捧げます。
この際、嘆きの壁にお尻を向けないようにします。嘆きの壁にお尻を向けないようにする理由は、
お尻を向けるのはヤハウェに対して不敬だと考えられているからだそうです。
4.安息日の写真撮影は禁止。
金曜日の夕方から土曜日の夜までは、写真撮影が禁止されますので注意してください。
ゲート近くに絵葉書を置いてあり、自由にもらうことができます。
ここにも注意事項が記載されています。
安息日開けは、ユダヤ教徒がすごい人数で祈っています。
エルサレムの3つの宗教の難しさを感じる嘆きの壁。
ぜひゆっくり観光してみてください。